こんにゃく

今夜くわぬ

 


また失敗した。

こんにゃくは島で買うとずいぶん高い。

でも、大好きな味なのに、なかなか食べたくなる味がつかない。

塩だけで食べられるような、味わいでもないし

植物のくせに、変に生臭いし、微妙な食材でもある。

 

以前、おふくろ様の炒め煮に入っていたのが凍(し)みこんにゃく。

冷凍することで、水分がこんにゃく内部でスキマをつくり

高野豆腐と同じような、ワシワシとした食感になるのである。

味はしみるが、少々素材っぽさが強すぎて、なじめない。

 

で、ネットを調べてみると、味がしみないので

焼くとか、炒め煮料理が多いのに驚く。

ともかく濃いタレなどをコーティングしてしまえ!という強引さだ。

 

ともあれ、週末まで調理に凝る時間はないので冷凍してみよう・・・

一度茹でてから冷水にとり、冷凍庫へいざなった。

 

一晩凍らせたら、妙な感じでイビツな形になっていたが

今度はゆっくり冷蔵庫で解凍することに。

調理アイデアがでるまでの時間稼ぎをしたかったのだ。

・・・といっても賞味期限は何日か経過していた。

 

いざ解凍してみたが、調理法が思い浮かばぬ。

仕方ないので、薄く短冊にカットして、フライパンで

水分を飛ばしながら考えることに。

 

不思議と水分も飛びにくい・・・ならば、水温を100度以上に

上がるよう、ごま油を入れよう・・・すると変な泡がたつ。

 

こんにゃくは水分が豊富なので、ほとんど焦げないまま

水分だけが飛ばされていく。

うぬう、とりあえずしょうゆ味ってことで、保守的な味で・・・

甘い鹿児島のしょうゆをストレートでふりかけ

続いて、ニンニクパウダーと一味唐辛子をふりかけておこう。

おおそうだ、旨味は出汁の素でいいかな。

 

味がつくかどうかわからないので、もう一振りしょうゆを・・・

 

それは思い過ごしであった。

凍みたこんにゃくはとても味の含みがいいらしい。

一口食べた、こんにゃくの味は、かなり濃い意外なものだった。

 

あらら?

 

短冊にするとき感じていたが、一晩では完全に凍みないようで

内側はまだこんにゃくのプルプル感がそのままだった。

その記憶の通り、味は凍みた外側だけに含まれ、

内側はこんにゃく本来のプルプルしこしこ感がある。

 

しかも!

凍みて乾燥寒天みたいになった外側は、しこしこ感に

さらに歯ごたえをシャキッと与えてた。

 

これは、何かイケル食べ物になったな・・・

味がそこそこ付く、炒め物に合うこんにゃくになったかも。

 

個人的には、とても劇的食品になった気がした。

これまで、超低カロリーだが、調理に苦しむ食材が

半分冷凍すると、味がしみ、プルプルしこしこ感が増して

肉よりも魅力的な歯ごたえになるのである。

これは、肉と野菜の旨味を蓄えて、更に美味しい料理を

ふくらませてくれる前兆だと感じた。

 

もちろん、半分凍みたこんにゃく自身を、

肉っぽい味付けにして、カロリーフリーの肉食感とすることも

できるだろうが、はたけのお肉しかり、ニセっぽいものは

置き換わることも、定着することもないから

それ自身が、理由をもって自立しないとダメである。

ただ、今週はここで時間切れ。

 

最近、雨ばかり降って、晴れないからネタは雨くらいなもの。

生き物ネタは相変わらず、ブログ行きなので、コチラはどうも

ワキがあまくなってしまう。

 

僕の生活は、バイト、飲食、横になる、時々起きる、

生き物を発見する、ブログを書く、横になる、バイト、洗濯、

雨が降る、横になる、買い物へ、飲食・・・みたいなイメージだ。

 

なので、勢いネタは横になる、洗濯、雨降り、飲食くらいになるが

洗濯は全自動、雨降りはザーザー、食事の大半はオカユである。

集落のネタといえば、イマイチ盛り上がりのないメリケン軍基地か、

水道管が破裂したくらいなもので、のんびりしている。

 

仕事の方は

年度末になって、ネタが集まらないから、写真を埋めろ!と

方針変換・・・ やっぱりか・・・情けない・・・

というか、もともと方針ないけど。

 

取材にも行かずに写真探しになってしまい、テンションは下がる。

やっぱり田舎役人のためか、志が低すぎというか信念がなく

出たとこ勝負かというと、出たとこ逃げである。

残業しないで、クソだらけの牛の餌やり、手のかからないキビ作を

しているようでは、素質はあっても才能は育つまい。

あっけらかんとし過ぎというのは、こういうところが弱点のようだ。

 

ましかし、全力でがんばっても無駄なことは、ゆるめても良い

そういうことなのかもしれない。

投票したい政党のない、実験的な政権交代みたいなものか。

全力ではなくとも、結果は出る。

資本主権で競争原理の企業倫理にはありえないかもしれぬが、

人生自体がそういうものだから、あるいは壊れた理想によって

企業倫理が踏み違えている部分も少なからず存在するのだろう。

 

休まないで働く方が、美しい姿などということは

動物の世界においても存在していない。 心臓くらいものものだ。

休めるときに休んでおいて備える、ということが必要だ。

大いにユルむ気持ち、現代社会ではカナリ難しいと思うが。

 

まそれはそれとして

またチョット発見した。

 

山(さん)集落の惣菜の多い百円無人販売で、

ツワブキの水煮や、珍しく酸いラッキョ漬けなどを買ってきた。

 

ツワブキは島でツワという。

安かった鶏ムネを少々入れて出汁にし、しょうゆで煮る。

すると気づいた、香りが・・・似ている。 鶏とツワブキ。

とある私的な鼻でかぎ分けると、竹っぽい感じがして

とても相性が良いと感じた。

フタを閉めっぱなしで煮ても、臭みが変に進化しない。

ツワブキは、何かの灰で文字通り灰汁(あく)抜きされたようで

古式ゆかしい香りがしている。 これが竹っぽさの源だろうか?

 

郷土の美味しい味わいを見つけた。

ちなみにツワブキといっても、かなり太く

道端から山の中まで普通に生えていて、ごく太いものは

やっぱり水分の多い森にいかないと生えていないようだ。

 

急に話は暗くなるが

今日は、寝たきりの日であった。

美味しいツワではカロリー不足で元気がでなかったのだろうか。

 

時々あるのだが

朝からずーっと起きられず、腹へっても関係なく

食欲はまったくないし、夕方までうとうとするだけで

何もできない日なのである。

 

夕刻、昨日臨時収入があって買っておいた合びき肉を使って

食欲ではなく、創作意欲でハンバーグをこしらえてみた。

 

下味にしょうゆ、塩、みりん風調味料、

粗挽きコショウ、チリソースなどを少々。

 

チンした玉ねぎと、とっておきの冷凍島ニンニクの芽を加えた。

 

低温でも蒸発しやすいオリーブオイルをひいておき

中弱火でじっくり焼いていく。

焼き加減しながらも、イマイチ食べたいとは思わなかったが

食べ始めると一機に平らげてしまった。

 

やっぱり島ニンニクの芽のおかげだろうか?

 

元気が無いので、少々練りこみが足りなかったが

元気と食欲は出ることが分かった。

元気バーグと名づけよう。

 

今日のようなピンチのとき、食べるバーグができてよかった。

いつまで効くかは分からぬが、めったに食べない牛肉の風味が

チカラを出してくれるのだろうか・・・

島の肉牛たちはフンダラケで寝起きしてい

いたたまれぬものの、牛肉には牛肉のチカラが

秘められているのかもしれない。

 

牛肉を食べれば無敵のウンがつきまくる!という力説だけは

逆効果なので止めてほしいけれど・・・

 

そりゃ、つきまくっているというより、まみれている、という。

付いている程度でなく、体中に浸みこんでいるし・・・

 

あー眠い、

何を感じても、すーと冷める。物音で、うとうともすぐ覚める。

なぜか、レンタカーなどが黙って我が家の庭に入り込んで

駐車しまくりだった一日だが、まーそれも田舎ならでわ。

今日は天気が良かったので、ウトウトだけは気持ち良かった。

寝たきりなんぞ社会人としては失格かもしないが、まーいーか。

明日はきっと、がんばりまーす。


ではまた