気持ちのハザカイキ

 


端境期は、葉境期だろうとずっと思っていた。

今の島にはあまり野菜らしい野菜がない。

十分ゴーヤも実るはずだが、島の人は夏を過ぎると

そういう気分でないらしい。

野菜らしい野菜が見当たらなくなる。

 

健康より、気分!?

というより、

島人のことだから、案外知らない野菜を

あれこれ食べているに違いない。

いや、野菜に見えない、ナゾの何かを食べているのか?

ニンニクの芽(まびいたやつ?)をニラのように売っていた。

 

どうしようかなぁ・・・今夜のおかずと生野菜。

買うと安心して、つい何週間も冷蔵庫で寝ているキャベツ。

煮物はできそうだが、生食はちょっと・・・

そうしてキャベツは眠り続ける。

 

すると、またしても大根葉の方からやってきた。

もちろん、先週より成長。

 

畑の精霊のようなおばさんが持ってくる。

ドッサリ土付き、玄関も土だらけ・・・洗うとコーヒー水。

流しに流せない洗い水がでるが、素晴らしい滋味。

 

時折、しゃりりとするが、すでに盲腸のない体には

土も気にならぬし、歯ごたえ以外の実害も全くない。

大根葉のシャキシャキ感に華を添えている。

(大根葉とシラスのかゆ)

カユに入れてもよし、湯豆腐の青菜によし、和風サラダもよし。

シャキッと歯ごたえのある若菜の風味が、とても心地よい。

 

いつも野菜をどっさり持ってきてくれるオバサンに

思わず手を合わせた。

 

ところで

そんな貧乏の精霊のような生活ばかりしているわけだが

このたび、膨大な背伸びをしてみた。

 

人生最期の高機能カメラ?EOS1D MkIIIを買ったのだ。

最安値から想像した通り、リコール返品の商品らしかった。

それでなくても問題多き現行機種だが、

ホームページのあやしげな次機種を50万円で予約するより

不健全な現行機にそれなりの金額を出したつもりである。

これまで以上に、感動の無い買い物になったが・・・

 

リコールについては

メーカーの無償修理に出せば完璧に治って来る。

直す、治す。

ハイテク時代だから、なおさら大切に思う。

ガス屋にいられたのも、僕にとって偉大な修理人らが

近くに居てくれたからなのだ。

 

入金前、販売店がリコールに対する質問を黙殺したから

安いものの、違法ではないがギリギリの商品を売る企業と

感づいていたので、心の準備はできている。

 

あえて、正常でない商品と知りつつも、

高額なだけに、勇気が必要だったが・・・

 

文京区、オーケー商○さん、ありがとう。

31万も出し、とんでもない商品を売ってくれて・・・

そういうルートで仕入れている商品を販売してるお店だ。

 

たまには

出来の悪い愛情を注ぎたくなる、悪ガキ道具も悪くない。

この機種にコダワッタのは、以前のどの機種より

暗い場所へのピント合わせの性能が優れていて

初期不良は多かったが、ほぼ全て対応されており

現在最も安定しているアドバンテージがあるからだ。

 

なのでオーケー○会には何の連絡もせず

一直線にキヤノン福岡へ

リコール修理にだすことにした。

 

落ちたい企業にクレームは禁物である。

利用するだけ利用したら、廃業していただきたいから

下手に知恵をつけて、じたばたされては困る。

 

生きていては困る企業には

「叱り」は禁物、「怒り」は表すだけでも少し学習するので

なるべく知らんフリして、落ちたい姿勢を無駄にしないように。

それが資本主義原理を維持することにつながる。

怒りをぶつけて、アースッキリという風では、

資本主義社会のオトナは勤まらない。

 

違法ではない今のうちは、こちらも黙殺してオトナに徹し

いつか必ず大きな間違いに至るまで、

積み重ねを助けてあげよう♪ 

泥水を飲んだフリだけする、オトナとはそういう生き物。

 

無駄に他人へ怒るヒマがあったら、

さくっと切り替えて、自分の人生に善処する方が前向きだ。

 

使えるのは少し先だろうが

この秋、どんぐりが豊作のようで、クロウサギやイノシシも

里へおりる回数が減りそうで好都合。

ゆっくりと、修理完了を待つことができる。

 

さて、カメラテストが遠ざかったので

生まれて初めて、金を払って沖堤とやらへ渡ってみた。

 

インチキな船で、イーカゲンな渡船と予想して

まともなカメラは持って行かなかったが、確かに船外機つきの小船。

ちょっとゆれたら波をかぶる代物であって、往復千円が安いのか

高いのか、よ〜ワカランかった。

 

でも、小船を持っているおっさんは

ガス膨張式のライフジャケットを着けていたので

やっぱり、危険な渡船なのだろうか・・・

それとも、汚れてヨレヨレということは正しい渡船か・・・?

何かちょっと、妙な学習をしたらしい感じが漂っている。

とてもトリッキーで悩ましく、読みづらい事態である。

数メートルほど磯から隔てて作られ、湾沖へ延びる沖堤だが

そこからさらに沖合い50mほど投げるだけで、深さ30m以上ある。

なぜか磯から投げても、そうやすやすとはいかない。

100gのジグ(オモリ的な鉛のルアー)を投げても30秒以上かかって

着底するくらいなので、ヤリガイ十分だと思うものの

一方では、河口の港であり、静かな湾内から淡水が底を流れ落ち

湾の外の高速回遊魚を遠巻きにさせている感も否めない。

 

開始1時間足らずで、S薗氏へ強いアタリ!

見えていたツバメウオの群れの一匹が食いついたようだ。

彼の仕掛けは、内地のコイ釣り同様のバクダン釣り。

パン粉とオキアミを練り合わせているようだ。

 

しかし、その後アタリはなく

むろんルアーにもアタリはない・・・

アカウミガメが3頭も泳ぎ回っていて、

どうやら潮が流れていないらしい。

大雨のとき、すぐにアワセ味噌の味噌汁風味になってしまう

平土野港を見ると、どうにも複雑な心境である。

あちこちの土砂が流れ込む湾の底がどうなっているのか・・・

内地なら、ヒラメがワンサと居そうだが・・・

ガンゾウビラメも見たことがない。

 

条件がそろえば、大釣りできそうだが、

条件を知るまでに、どれだけの投資が必要で

その時が来たと思ったら、あるいは島民が押し寄せ

釣りにならぬとも限らぬ小さな釣り場でもある。

 

あ〜あ

不便な場所に行かずとも、コンスタントに釣れてくれないものか。

中物狙いは全く理想だおれしそうなので、小物狙いに変更し

これからは、いっそう小さなルアーで魚を狙うことに。

役場から5分とかからぬ場所に港があるおかげで

日々いろいろ実験できそうである。

 

島生活と友人らのおかげで、

少しずつ価値観が変わりつつあるような・・・

自覚があるこのごろ。

 

本当に、これでイインカなぁ・・・

 

少なくとも涼しい夏のような気候は、とても快適だ。

多少雨が多い気はするが・・・セミも鳴いていて半袖生活。

長い長い秋はまだ続くのだろうか。


ではまた