知っても役立たぬ

コノゴロ撮影風景

 


このごろ、時のたつのが早い。

歳のせいだろうか、それとも心拍数でも落とせたのだろうか?

あるいはボーっと過ごせている証拠なのだろうか・・・

なーんもしてないのになぁ、たまに写真撮るくらいしか。

まぁね〜預金がズンズン目減りするのさえなければ、パラダイス生活?

なの かも しれない。

 

心拍数が少ないと長生きするらしい。

でも最近ときどき、心臓がグルルル・グルルルと変な動きを再開。

脈をとってみると、その間は脈なしなので、やっぱり心臓がオカシイ。

あ〜あ、やっぱり長生きはできないのかもなぁ。

心拍数が不安定という事は、長い生きかどうかも不安定・・・微妙だ。

 

心臓を不安定にさせるほどの不安とは、先日決まった次の家のせい?

母屋と離れたトイレと風呂、台風のときは命がけ・・・しかも電線切れてる。

一応水で流すけど、なぜか下水とは無縁のマンホール。

換気扇のない台所・・・地デジ入るか微妙な地の利、優しい大家さん。

ちょっと高めの家賃・・・・

前途明るいアーバン島生活なのに、頭がグルグルして不眠急加速中。

遺憾だし、イカンなぁ。


撮影の上達か、鳴きマネに効果が出てきたか、生き物が大胆になったか

ふっ切れたか??? 多少観察や記録撮影が変わってきた気がする。

生き物との距離は、このごろ詰まった感じがしている。

 

不眠が進行していて、目や頭が痛いことも多いので

毎日観察に出かけるわけではなくて、3日に1日は気合を入れる程度である。

週末は林道にももっと怪しい密猟のオッサンなどが増えるのでお休みだ。

 

情報によると、島のアチコチに貴重な植物があるらしいのだが、

どうも今もって動かないモノを撮影するのは大の苦手である。

アダンなどチクチク系の植物が多いが、

やたらケンケンして、他を寄せ付けない困った子に育ってしまい

そげん子に育てたこつなかっ!ってオカーサンきっと困っとるぞぉ!

子犬を助けたりする優しさは知っとるけん、素直にならんね。

と思い巡らせたりするのがまずいのか・・・

 

今まさにシーズン。

でっかいソテツの花も咲いているが、キテレツすぎて記録できない。

パイナップル的に咲いた、黄色い巨大松ボックリには脱力こそするが

レンズを向ける勇気はない。 島では有難い園芸植物だそうだ。

 

数年前から、一円玉くらいの蝶、クロマダラソテツシジミが発生して

枯らせてしまう木も増えたといわれるものの、観察や記録の意欲は湧かぬ。

この蝶だって少ない頃は、昆虫マニアの視線を浴びまくったのに、今は害蝶。

時間があると、撮影の練習に撮影してしまうけれども。

 

しかし、蝶が増えたのは、例の意味不明なソテツのための公園をはじめ、

島の農家らが、いっときソテツで一儲けした時代があって、

調子に乗ってついつい栽培しすぎたから、増殖したに違いない。

ただ根本的に、寡黙で鳴きマネに応じないのが好かぬのだろう。

ソテツが鳴いてくれれば、もっと違う視点で観察できたろうに・・・

無駄なんで、鳴き声は想像しないよ、ソソソソソぉ〜♪と鳴く

鉄のような黒い光沢の葉の植物でソテツ!などと、考えるだけ無駄無駄。

 

気をとりなおし、

内地の冬鳥で練習した舌打ち程度では、地味すぎて寄ってこない島の夏鳥。

クッカルことアカショウビン、青いアイリングのサンコウチョウ、昼でも鳴くことが

分かってきたリュウキュウコノハズク、全然マネできないアカヒゲらに接近した。

というか接近されてしまった。

 

カショウビンの鳴きマネは、下手で上等。 じゅうぶん役に立つ。

しかし、接近しすぎると撮影している僕の姿で、すぐ逃げるので・・・車中から。

100mくらい離れていても寄って来る、マメな個体にもしばしば逢える。

クッカロロロクッカロロロ、と切なく一心に鳴く姿にキュンときてしまう。

感動の涙で写真がぼやけてるよ・・・と思ったら手ブレだった。

 

ハトよりは小さいけれど、派手に赤い中型の鳥なので見つけやすい。

見つけたときは、すでに見つかっているのが観察上の問題。

 

一羽に夢中になっていると、背後から別のクッカルに観察されることも。

あ・・・あの、今のじーっと見てた? 全部? まばたきしないで??

だます気はなかったんだけれども・・・つい出来心でね、オジサンついつい・・・

じゃ あの お詫びにワンカットどう?

大体のクッカルは恥ずかしがり屋だからクチバシまで赤くなって・・・隠れてしまう。

何度も背後をとられたので、羽音で接近が分かるようになってきた。

 

ンコウチョウは気が強い。

怒り心頭に発す、とは、心からあふれた怒りが、頭に発するという意味なのだ!?

と思うくらいスーパーサンコウチョウというか、シンプソン系というか・・・

ドリフ爆発アフロ?

立つだけの毛があってうらやましいなぁ・・・枝が多すぎてピントがつかめんけど。

しかもダメだコリャ、と言う前に即座に直るのも天然ドリフらしく極めて素晴らしい。

 

2羽でカラスに挑みかかり、追い払っても怒りが晴れずにやってきた。

下手な鳴きマネに激怒したのか、半端さに堪えきれず教えたくなったのか・・・

目の前2mにやってきたが、コチラが人間と気づいて距離をおいたところだ。

薄暗いので、シャッタースピードが1/250秒以下になり、手ブレ多発である。

いや、怒るのもいいけど、赤くならずにクチバシが青くなっているぞ。

チアノーゼが出ていて危険だ! のどに異物が?!のみ込めない怒りが?!

あるいは、まだ学校のプールは寒かったか・・・

 

もう少しすると、プールの水も温まり、ヒナが巣立ってうろつき始める。

散らばったヒナを守るために、ご両親とも鳴きマネに反応し始めるはず。

近づいた梅雨明けに期待しよう。

ちなみに普段の鳴き声は、ツキヒホシホイホイホイの美声ではなくて

ギュールリ、ギューリリリッ!とか、クワッなどと鳴いていて普段から多彩。

カラス科のような声も出すし、カラス以上のド根性なのにモズくらいの小柄。

気が強いのに引っ込み思案、薄暗さ好きでなければ、もっと人気がでそう。

島では、見たことが無い人が過半数を占める。

 

お父さんは、先のように、なぜか無駄に尻尾が長いように見えるけれども、

この長い尾まで含めると、カラスと比肩できる寸法になる。

威嚇しつつ、素早く周りを飛び回られると、林では自由がきかぬカラスは

退散するしかないようだ。

まだ少し尾が短いようなので、お父さん修行中にカラスと遭遇したようだ。

本来、営巣に入るとオスは1羽でいるはずなのに、2羽で協同していた。

お父さん修行中のオスは、本物お父さんの結婚生活を支援するような

役割を果たしながら成長していくのかもしれない。

長い尾の姿で何千キロも渡ってくるのだから、将来ツワモノ間違いなしだ。

帰りはしんどいのか、落とすらしいのが残念。

落とした尾を探して、お父さん修行の勇気をもらうとしよう。

 

ュウキュウコノハズクは反応が変わった。

今は営巣して卵を温めている頃だと思う。

婚活が終了して、メスはオスの鳴きマネに応えるが寄ってこない。

オスは縄張り意識が強くなり、鳴きまねする顔をめがけて闇を飛んでくる!

フクロウやミミズクは左右の耳の穴がそれぞれ前後を向いていて

前後左右を一瞬で聞き分け、距離も測り、音だけで狩ができるそうな。

クルクルと頭を回してコチラの声をうかがう仕草は結構カワイイ。

目を見ると心境的には戦々恐々としているようで申し訳なく、

あまり長々とちょっかいを出さず、早めに撤収を心がけている。

 

あるいはこの表情、鳴きマネの上手さに、目を丸くしているのかもなぁ♪

僕の元で、ホトトギスとかシギもマスターしないか? 全然嫁さん来ないけどなっ!

 

オスはメスより一回り小さく、逆さにした消毒マキロンに長めの羽が生えた感じ。

メスは羽も含め、逆さマヨネーズ400gくらい。 当然、メスの方が迫力がある。

実際に見ると、いずれも想像よりずっとチッコイ。

 

鳴く姿を日常的に撮影できるのは、鳴きマネの楽しさ。

正面だと、のどの膨らみが分からなくなるので、横を向いたときがチャンス。

コラッ!ご飯を口に入れたまま鳴かないっ!?

と叱りたくなるお母さんも居そうだが、こもったフクロウ族らしい声のため。

ヨソ向きしているのに、なんて真剣な眼差し・・・

僕意外にも、鳴き声が聞こえるために警戒を怠らないマジメさ。

ミカン食べ過ぎて、目まで黄色くなったような虹彩も捨てがたい。

 

コホッ、コホッと吹いてやると、遠くから寄っては来るが鳴き返しはせず、

コッ・コホッ、コッ・コホッと正しく吹いた場合だけ、鳴き返し始めるようだ。

結構細かい事にコダワル鳥だなぁ、だから大きくなれないんだぞぉ。

 

コノハズクよりやや大きな種はオオコノハズク。

つまらぬ事だが、大小あまり区別なくコノハズクと呼ばれた歴史がありそう。

アオバズクという大きさ不明な種もある。

しかも青葉に渡ってくるらしい、季節にちなんだ風流さがありそうな名だ。

どちらかというと柿の葉ズクとか、柏の葉ズク、熊笹の落ち葉ズクという方が

大きさや色的にずっと正しそうな気がする。 既得権とは悔しいものである。

 

ただなぁ

コッ・コホッと吹くのは難しくて失敗が多いから、恥ずかしいんだよね。

それでなくとも、カメラの背面に息がかかって音が出にくいのに。

夜道で密かに、無駄な苦労を重ねている男がいることを忘れないで・・・?

 

おそらく、モズ博士T with A谷コノハ観察軍団は、超絶観察技術をもって

飛行中のダイトウコノハズクなんかも撮っていそうである。

もっともっと、苦労と修行を積んでコノハ王に俺はなる!

 

カヒゲの巣は初めて見た。

木の枝の根元に枝が集められ、ついでに小さなウロ(穴)にもなっていた。

サンコウチョウの鳴きマネに対し、ご夫婦で警戒してくるので変だなと思った。

怪しい事が起こると、すごく甲高い声で、ピーンッ!と鳴き返してくる。

どちらがお父さんでしょうか? 分かるかな?

これまたとても暗い林好き夫婦で、シャッタースピードが1/200がやっと。

絞り値もF4と、限界まで開放するのだが、500mmレンズの5m先では

ピントが合う奥行きが1センチあるかどうか。 暗くてよく見えない。

中腰になり、ひざの高さで手前の枝葉をうまく避けながら、撮影するわけだ。

レンズの重さが恨めしい。

オートフォーカスも使ってみたが、手前の枝や背景の林を往ったり来たり・・・

腹は立つが役立たず。 しかも逆光と暗闇を、そこココに飛び回るご夫婦。

プロはどうやって撮影しているんだ!と叫びたくなる。

 

きっと森の妖精的な・・・

愛知万博のモリゾーとか、ガチャピンの相棒のムックとかトトロ(大)とか

動物写真家とは、そんな見てくれの人たちに違いない!ぜったいそうだ!

森に馴染んで、それはもうプレデター並みに見えにくい人がきっとプロよ!?

 

子供の頃からピアノとかバイオリン、という人が活躍しているが

カナヅチとか、カメラという人は知らない。

子供の頃から・・・は関係ない業界なのか、子供の頃からプレデターな人が

カメラマンになっているのかもしれない。

超音波手裏剣みたいなのをバシバシ投げて遊んでいたのだろう。

 

僕の場合は

どちらかというと、見た目はミト爺で、生き物との関係はナウシカ的な感じ?

を目指しているような気がしないでもない。

お風呂とか台所でカビとか栽培してるし・・・胞子ばらまいているし・・・

まだ、しょう気は放出していないと思うけど。

 

ところで

どちらがお父さんかは、プレデター修行をして各々方自身が確かめてほしい・・・

のだが、ハブも危険ということで、

勘の良い方は気づいたと思う、ヒゲの濃い左がお父さんです!

 

アカヒゲではなく黒ヒゲだ。 ついでに脇毛もボーボーさっ♪

今朝も脇毛が涼しいぜいっ!

 

ありゃ? 本当はヒゲじゃなくなくなくない? 胸毛ボーボー???

 

ちなみに、沖縄にはホントウアカヒゲというのが、本当に本島に居る・・・

らしい。 脇毛も胸毛もボーボーさは共通で、額の毛が黒くないようだ。

額の毛の問題・・・何かチョッと気持ち分かるなぁ。

 

アカヒゲのホントウの意味は何なのか、島の人に聞いて回ろう。

本島の方が調査には相応しいのか?

 

もうひとつちなみに、鳥は体温を保ちやすくするために

羽の根元は黒い羽毛の鳥が多く、メジロやウグイスなど一見黒くなくても

黒い色は元来持っている色。

ヒゲも脇毛も胸毛も、素質は十分持っているわけである。

 

写真家N村征夫氏が語っていた。 撮る気持ちをなくした時が一番良いと。

一枚の静止した写真なのに、撮影前後の観察したエピソードを覚えていて

それが一瞬をもっと楽しくする事は、まったく同感である。

彼は海の生き物と話そうとしているに違いない。

 

むしろ

今、一番困っているのが島での会話。

鳥以上に難しい。 伝えられない、伝わらない、早合点に不正確。

耳を傾けるというのが苦手な島の人たちである。

どこぞの大学や議員の先生といった権威を見せないと素直に聞かない。

聞いている途中で、あーそれはアレね!的に解釈しはじめてしまうので

話が伝わらないばかりか、曲がってしまう。

早合点を修正するのが面倒になり、僕も無視して話す事が増えた。

イナカとは住民意識の問題で、会話の質が低く、情報が正確でないことを

表現した単語だと気づいた。 田畑の多い田舎とはまた別の意味で。

家族内でも、おそらく単語レベルでの会話しかしないことが原因だろう。

アレとって、これ食べなさい、宿題はやったか?、畑の水は枯れてない?

これ税金の徴収票、このギャグ面白い、といった感じ。

飲んだ時くらいしか、文章が長くならないお土地柄である。

 

鳥もそのくらいの単語?は使っている。

例えば、最も分かりやすいアカショウビンならば

キョロロロロ♪ ココは僕の縄張りだよ

ヒッキョロロロロ♪ 近くに誰かいない?

キケキョロロロロ♪ 僕の縄張りに来ない?

ヘキャルルルル♪ あなたはだれ?

クッカルルル♪クッカルルル♪ いまどこ?

小さい声で、クッカルルル♪ そこにいるの? わたしはここ

ギギギギギギギギギ! イヤだあっち行け!

といった具合である。 上手に使い分けると接近できる理由はココにある。

基本的に独立独歩だから、宿題やったか?とか、ハラ減ったメシまだ?は

持ち合わせていないところもオトナ、さっぱりとしている。

ま、子供の時には、ご飯チョーダイ!とせがむけども。

シンプルに相手との距離を確かめる対話なので、分かりやすい。

 

まだ、島に来て再会していない鳥がいる。

リュウキュウキビタキである。 熱心には研究されていないようなので

繁殖は別の島でしていたりするかもしれないが、以前、舌打ちは通じた。

数が少ないようなので、ぜひ逢ってみたい。

アカヒゲ同様、暗いところ好きだから、いっそう鍛えておく必要があるだろう。

 

ま、とりあえず今週末はいよいよ引越し。 草刈りとか、そちらの準備に入る。

兼久集落は比較的密集したところなので、コミュニケーションも多そう。

さてさてどうなりますことやら。


ではまた