Fragile Photos ?

たまたま撮れる、でも撮れる

 


南大東もブロードバンド時代に入り

写真を・・・ちょっと豪華に?してみました。

子育ても大変なのに社長に就任して大変でしょうけれど

見てますか、E子社長!?


先週の流れからすると、食事よりまず写真だろう。

 

いやー、そんなこんなでもう9月かぁ〜、ニンゲンの繁殖期は

夏が一番良いらしいが、去っていくなあ・・・・

 

ま、時は過ぎ行くたびに濃さを増す気がする。

 

今回の徳之島には、あくまでもトクノシマトゲネズミ狙いだったが

Oちゃんは、アマミノクロウサギが出現しないことに

悔しがっていた。

 

確かに、クロウサギは奄美群島の夜行性動物の中では

アイドル的存在だが、まだ見ぬトゲネズミに長男は惹かれていた。

何しろOちゃんは虫屋のくせにクロウサギに惚れて移住した

いわばクロウサギバカだから、この熱意のやり場を失った感は

痛ましくも、しょーがないよなぁ。

 

最近、オキナワトゲネズミ、アマミトゲネズミの二種のうち

アマミトゲネズミの亜種だったのが、トクノシマトゲネズミが

固有亜種として独立したので、よけいに魅力だ。

 

が、彼らは夜行性だから、朝食後は、

天城町役場のYさんに教わったマングローブの干潟と

たまたま見つけた、同じく天城町の農業用水の溜め池に

鳥類の観察へ行くことにしていた。

 

どちらも、通りすがりの旅鳥が立ち寄る場所らしく

どんな鳥たちが繁殖し、旅する鳥たちが羽を休めるか

とても分かりやすい場所であるように思う。

 

足元からいきなり干潟、でもその向こうは空港で海、

つまり目の届く範囲にだけ、干潟が広がる野鳥の宝庫。

そんな場所がそうそうあろうか?

海鳥限定だが、徳之島空港のわきにある干潟は

ナカナカのものであった。

シオマネキと思ったらのチゴガニというらしい。

チク、チク・・・とあちこちから音がするほど大量に住んでいる。

 

溜め池には、なぜか本来の主であるカワセミが逃げまどい

セイタカシギのメスがはばを利かせ、それでもアジサシが

踏みとどまるという不思議な構図で成り立っていた。

しかもセイタカシギは、通常のシギらしくなく

長い足があるのに体を水に浸し、半分泳いで餌を探している。

たぶん意識せず、歩きながら泳いでいるんだろうと思うが

かなりヘンテコな姿だ。

 

セイタカシギが一方の池へ行って追い払うと、もう一方へサクッと移動する、

アジサシの身軽さを、セイタカシギはどう感じていたのやら・・・

 

干潟には

ちょっと待っていると、旅鳥がさりげなく立ち寄りにやってくる。

(二日酔い?)

(尻尾を噛まれて飛べない・・・)

こちらは普段の住人、喧嘩なんかもしてるキアシシギ。

ここで繁殖しているようである。

いつも寝ている姿を見ていたので

単なるネボスケなのかとおもったら、結構活動的で情熱的?

 

旅鳥クロハラアジサシ(右下)と、このあたりで繁殖している

エリグロアジサシ(左上)がペアでやってきた。

エリグロはヨソモノが余程に気に入らなかったのだろう。

ずいぶん遠くから追尾してきたようだ。

 

さりげなく、何気なーく、あくまでも地味に行動するのがチドリ。

でも足も長いしデカイ! ちょっと珍しいオオメダイチドリ。

奄美野鳥の会のT氏が教えてくれた。

 

一番怪しいシギ、やはりT氏によればタカブシギだそうだが

長男の図鑑にはタカブシギの夏羽の記載がなく・・・

怪しいとしか判断できぬ。

タカブシギっぽいのだけれど、まゆの白斑が濃いのは

個体差??夏羽のせい???

 

こちらは、珍鳥ではないけれど、長男初観察のソリハシシギ。

本当にくちばしが反ってるよ!ホントに反ってるよ!

 

昼の林道も偵察しておく。

これまで

そそくさと逃げていたはずなのに、昼もゆっくりしている

アマミヤマシギ。

近すぎて、逃げなくて、全身が入らない。

超望遠レンズの辛いところを突かれた・・・

 

やはり、ハグロトンボのメタリックと、黒い羽の美しさは

薄暗い林道では、ひときわ魅力的だ。

 

アカショウビンが近くで狩をしているなぁと思ったら

なんとデンデンムシを食べている。

やっぱり枝にぶつけてグシャグシャにして食べるのだが

ノツノツと殻が当たるノド越しが好きなのだろうか?

動きの遅い生物も、きっちり見えるのね・・・

 

長男の早とちりで、アノールトカゲの近縁か?と勘違いした

アオカナヘビも、なんかノンビリと停まってカメラポーズ。

樹上というより、葉上性のためだろう、

体重を分散するために、やけに長い指が特長だ。

こんなの、日常に居たら驚くだろ!普通。

徳之島ではフツーなのだそうだ。

 

アノールの侵略じゃなくてホッとした。

 

問題の夜である。

 

クロウサギはなかなか見られないものの

徳之島特産、オビトカゲモドキは健在だ。

確かにOちゃんが言うようにピエロっぽい。

 

ご先祖?のヤモリも、家だけでなく、森にたくさん居る。

虫さえ居れば、家でなくても樹上でもどこでも居られるのが

足に吸盤を持つ、ヤモリのすごいところ。

小笠原では木にゴキブリが居て、そこへヤモリもたくさん居た。

 

昼間は黒っぽいキノボリトカゲも夜は優しい色みたいだ。

キノボリトカゲって、地上にも結構降りているんだなぁ・・・

(昼間も路上でみかけた)

 

いよいよ4年目にして

初めてハブを目撃し、接近して見たが、子蛇でも怖い。

毒以外は骨も弱く、少しの衝撃で骨が砕けてしまうというが

その毒歯だけで生きのびようとする、強烈な生命力に驚く。

半端ではない気迫、そして夜目にも輝くパールホワイト地の姿。

攻撃的でなければ死んでしまう、厳しい生き様が伝わってくる。

 

驚いたことに

Oちゃんは、悔しさとは別に今回初めて長男単独で

宵の口の林道を偵察するということを提案してくれた。

 

もちろん、お酒を断って夕食終了。

お酒が入らないことで、夕食の総量が減るために

3人前とくみしやすくなる上に、ヘルシーだ。

 

目的が無いとついつい晩酌を営んでしまうが

目的があれば飲まないで済む、

実に分かりやすい長男の生態である。

 

そして・・・

 

あろうことか

集落からさほど遠くない場所で、やにわにクロウサギ!

いつぞや、救急患者を運ぼうと迂回したヘリが墜ちた

現場のすぐ近くである。

これはすぐに草むらへ逃げ去ってしまったが、次は・・・

ネズミが路上に居るではないか!

都会にも居るクマネズミなのか、トゲネズミなのか

その姿を撮影した鮮明な写真を見たことがないので

半信半疑でとりあえず撮影し始めた。

(尻尾を立てろ!?)

 

車のエンジンはかけっぱなし、

オートマのサイドブレーキを引いただけの状態で

車ほっぽらかしで撮影開始。

エコじゃないなぁ・・・

エンジンを切ると、人間の音も聞こえやすいし

急激な環境変化に、動物が逃げやすいから・・・ごめんな。

 

ストロボを発光させると、ぴょこん!と反応しつつ逃げない。

しかも、なんだか左後ろ足を上げて、犬のマーキングみたいな

怪しいポーズを繰り返しながら、いちいち歩かずにピョコピョコと

跳ねながら移動するヘンテコさ・・・

 

どーでもいいが、格好悪いぜ・・・

 

残念ながら、後ろ足を上げたハシタナイ姿は

カメラの機能が足りないために撮影を逃したが、

この目ではっきりと見た。

長男の使うカメラ、キャノンEOS20Dには、

決定的瞬間を逃してしまう弱点があった。

次機種ではたちどころに改善されたが、

シャッターボタンを押した後、半押しまで戻したまま、

もう一度シャッターを切ろうとすると、シャッターが動かない。

 

高速で飛行する鳥、緊張しながら撮影する貴重なショットほど

この機能不全は障害になってしまってきた。

 

でも、

今のカメラ以上に期待できるカメラが無かったので

我慢して使ってきたが、毎回悔しく、キヤノンが恨めしい。

自由のきかない一眼レフなど、出汁のない味噌汁に等しい。

 

それほどにキヤノンは増長していたのではないか。

 

残念ながら、給料三ヶ月分のレンズが縛りをつくり

他社へ乗り換えることはナカナカに難しいのだが。

ましかし、カメラの性能に頼りすぎるほど長男も錆びない。

足りない機能を学習し、克服する機能が長男にも備わっている。

なんつったって、昭和40年代初頭にはオートフォーカスも

手振れ補正もなく、小学生の遠足に一眼レフを持ってくのは

重くて、自分が写れなくて苦しいだけの時代だったもんだ・・・

  

それはそうと、トゲネズミらしき?を撮影していたときに

そばでウルサかったのが、リュウキュウコノハズクの幼鳥。

集中力を削ぐ、ギャッ、ギャッと親に餌をねだる声。

トゲネズミが草むらにユックリと去ってから撮影することに。

親の鳴きまねをしてこちらを向かせてしっかり撮影。

親は心配して飛び回ったり、珍しく対抗して鳴いたりしていた・・・

ま、お互い様ですわ。

でも、エンジン音と排ガスで静寂を乱してすまぬ。

静寂が無くては狩りが、はかどらないね。

 

実は

トゲネズミかクマネズミか判断するのは、ずいぶん大変だった。

Oちゃんも、とっても跳ねることがトゲネズミとしか知らず、長男は

それ以上に、何も知らんかったのだ。

 

たまたま前に撮影したクマネズミの写真があって

印象が違うよな・・・っとOちゃんと相づちを打っただけだった。

 

でもOちゃんは、徳之島と奄美大島の詳しい研究者らに連絡し

確認を取ってくれたのだった。

どーやって知り合ったのか分からないが、Oちゃんには

昆虫だけでなく、接点不明の有識者とのネットワークが存在する。

 

長男にはアテもなく、パケ代を浪費しながら

ネットでようやくオキナワトゲネズミを探しあて

あー似てる似てる、と自分を励ますしかなかったのだが。

 

これで

一応、徳之島の夜をハイカイする謎の動物たちは

ひととおり撮影したのだが、本職?の鳥がまだである。

徳之島には、いつぞやメスだか幼鳥だかを撮影した

リュウキュウキビタキが住んでいる。

 

と・・・夜の林道の往復中に、なんか丸くて不自然なものが

ぶら下がっている。

行過ぎてから、Oちゃんに車を止めてもらった。

 

「・・・・」

なんだ?尻尾が出た玉だな。

この尻尾はヒヨドリに違いなかろう。

すまぬが、起こしてしまった・・・でも正解。

寝起きは目が赤いな、なおさら申し訳ない・・・

こんな完全ともいえる球形で夜をすごしていたとは

ヒヨドリが最近あちこちで増えているのもうなずける。

カラスより多彩な食性を持つ、小さめな開拓者。

花の蜜から、鳥のヒナまで食べる気性。

加えて完璧な防寒体勢を見れば、生命力の強さも

自ずと知れよう。

 

反面・・・ここぞと狙ってみると

鳥は、巣立つと移動量が大きいのでナカナカ見つからぬ。

やはり、春先の恋の季節に切なく美しくさえずる姿を追う

これが、鳥撮影の基本だろう。

リュウキュウキビタキ、長男の次の狙い目である。

行けるかなぁ・・・そんな時期、大東の魚が美味しい季節だし。

 

今回は「とったどぉぉぉぉぉぉ!」

と叫びたくなる写真が撮れたことは、長男の人生を

またしても横道にそれる原因を作ってしまった気がする。

 

とったどぉぉぉぉの後は、当然・・・調理だな。


次週は、徳之島の食・・・ついに・・・今年も


ではまた