Fragile Life 3

乗った!遅れた!焦った!走った!乗った!

遥かなり、横浜の我が家

(緊迫のtext only)

 


徳之島の友、Oちゃんは鉄道に強かった。

鹿児島→羽田間のキャンセル待ちが不能と知って

夜の夜中に調べに調べてプランしてくれた。

鹿児島空港で高速バスに乗り換え、博多にゆき

最終便ののぞみに乗れるという。

 

帰りの朝、高速バスは予約制と知り慌てて電話したが通じず

それでも何ヶ所かに連絡して何とか予約。

やれやれ・・・

 

これで安心、と

思いきや

 

九州自動車道で事故渋滞!

途中のサービスエリアまでは出発20分遅れを

10分遅れまで回復したのに、途中休憩で、さらにジジババが

遅れに遅れて戻ってくる始末・・・ぜったい無駄だ、こんなヤツ

絶対に恩給の無駄づかいだ!と怒り心頭に発したが

これも運命か・・・

 

当初15キロ程度と言っていた渋滞はズルズルといつまでも続き

いつのまにか2時間の運行遅れ・・・

もうだめだ文字通り「のぞみ」はない、しかし?

渋滞中、たまたま偶然、レンズ破損が気になって

かばんを上の棚へ無理やり押し込んだ中に

長男デジバカ名物、FOMAカードがあった。

個人でFOMAデータカードを使っているバカチンは

そう簡単には見つかるまい。

 

今使わないでどうする!

パケ代が何だ!夜行バスがあるかもしれない・・・

あれ、博多発、新宿西口行きで、しかも朝10時前ごろ着だ。

うーむ、そうだ確かOちゃんが博多駅から地下鉄で二駅で

福岡空港があると言っていたのを思い出した。

 

おお、まだ空便(そらびん)があるじゃないか!

 

その昔、対馬へ行った時に、福岡空港周辺は

ANAが強いことを知った。

迷わず、普段使わないANAを検索し羽田行きを見ると・・・

PM8:45発に空席がある、更に最終便にも!

最終便はあまりにも晩い(おそい)ので、前者を選んだ。

 

やれやれ・・・これで安心

と思いきや

 

約2時間遅れが2時間10分遅れに進化しているではないか!

博多駅に着いたのは、フライト30分前の8:15ごろであった。

バス停付近には、これまたJRも地下鉄も何の案内もない・・・

ただのショッピングビルの一角に降ろされただけだった。

あわててバスの運ちゃんにたずねると、真下だという。

しかし下へ降りたら、あっちへ行け、こっちへ進めと結構距離がある

自然と足は走っていた。

 

PASMOは使えまいか・・・と思ったが、迷わず250円で切符を買い

改札を入ると8:20、表示板には空港ゆき8:21の文字!

これまた小走りにエスカレーターを降りると、ホームに入ってくる

地下鉄の音が・・・

飛び乗ったのは良いが、二駅といっても、どのくらいかかるんだろう。

 

しかも

福岡空港は、かの思い出の、つぎはぎ・難解・だだっぴろいと

三拍子そろった空港である。

これまたあっちへ、こっちへと同じANAでも方面でターミナルが違う!

 

やっぱしか!!!

殺せよ!、どーせ俺をクビにしたいんだろ、どーにでもシヤガレ!と

マダオことマジでダメなオッサンと化し、何者かに叫びたくなったが

あんまりそんな余裕も無い。

 

とりあえず、自動発券機を発見し(しゃれではない、あくまでも)

クレジットカードで発券したが、ぺらぺらの怪しげなチケットが出た?

なんじゃこりゃ、乗れるのか?手続き済みと書いてあるが

これで本当にゲートをくぐれるのだろうか?

セキュリティチェックの人がたまたま通りかかったので聞いてみると

二次元バーコードを使うので大丈夫という。

JALは旅行代理店でもどこでも同じチケットを使っているが

ANAは合理化しているようだ、しかし分かりづらい。

 

8番ゲートへ着いたのは8:35、搭乗開始している。

徳之島空港以来、飲まず食わずだったのでお弁当を探すも

もう品切ればかりで、しゃんとしたものがない・・・お茶だけ買った。

 

けれども

スレスレで空便に間に合ったではないか・・・運が良いのか悪いのか

少なくとも帰りの運賃はまたベラボーにかかってしまった。

お盆なのと、原油高騰で39,000円になっていて

以前の前売り16,500くらいだった気がするが、気が遠くなる高さ。

鹿児島の41,200円とさして変わらぬ。

 

いやはや、神様にいたずらされた感じだ。

それでもまだ、ガス屋で居ろと言う事だろう。

やってくれるぜ、まったく・・・

横浜へこれほど帰りたいと思ったことはない。

 

ANA名物、機内サービスのスープが温かさとともに、体にしみわたる。

なんだかんだで、こうして羽田への機内で記事を書いていられる人生。

 

羽田に下りるには、大島の上空で方向を変える。

その窓からふと空に・・・眩しいほどに輝く十六夜の月が

ギラリと翼を光らせた気がした。

 

新しくなったANA専用の羽田第二ターミナルは、

海外の空港みたいな雰囲気でただただ広いが

到着ロビーまでが遠すぎる。

どんだけ運命を翻弄されたニンゲンを

ずるずると引き回せば気が済むのだ!

立派っぽいが、ただでかいだけだった。

 

まだ京急リムジンバスが走っており

往きに買っておいた半券が使える。

無事横浜駅を経て、日吉駅へ着いた。

 

食事はどうだろう。

吉野家か?松屋はどうした?まだ改装中じゃないか!

仕方なく別の食事を考えることに。

 

アレコレ考えた末、結局コンビニで夕食を求め

家にたどり着いてドアを開けた瞬間、時計は0:00をさしていた。

宿を出た午前10:35分から随分時は過ぎたが

長い長い、ベラボーな渋滞と秒単位の移動が交錯する一日は

終わったようだ・・・

 

また、こんなのがあるんだろうなぁ・・・長男の人生だからな。


この話には、まだ続きがある。

予想もしない旅程を強行できたのには

カメラリュック以外の装備を、無理やり宅配便に

託したことによる。

特に危険なのは、釣竿。

せっかく美しくチューンした対ヒラアジ用ロッドが

哀れな姿で帰ってこないことを祈ろう。


次回は、ちょっと先だけど水曜日に復活

8/27に更新する予定。


ではまた