このごろの食卓にある

ウンメイ

 


最近、我が家の食事が美ん味い・・・てなダジャレは置いておく。

 

このごろ三日に二日は魚・・・というかカツオだ。

とにかく、カツオだ。

とにかく、安い生カツオだ。

カツオなのだ、タイムサービスのソレしかないのだ

安くて栄養豊か、それ以上は無いが、それでいいのだ!

と、リキみたくなるくらい、カツオな日々であった。

おかずおかずおかづおかつおかつかつおカツオ・・・と唱えるくらい。

さく、190円なり、つまはゴーヤとミョウガ

 

無論、それだけのカツオパワーにタギる長男パワーは

実は裏技?の「南大東トンガラシ」にある。

 

大東そばの宗家、M和氏から賜った

数百キロを旅した大東トンガラシが我が家には存在した!と

この事態は、必ず力まねばなるまい。

 

このトンガラシ(唐辛子)は、普通と全く違う味がする。

 

ふつう、唐辛子は食べると直球で辛い。

が・・・大東トンガラシは、食べた後でクワッと痺れる(しびれる)辛さだ。

最初は、効かないなぁ、なんて思って継ぎ足してはイケない。

だんだん・・・クワッと痺れ辛い!

 

単に燃える辛さで辛いのなら長男は気に入らない。

正直、長男は辛いのは好きだが、弱いのだ。

しかし、この痺れる辛さは爽やかで困る。

 

最初は来ない、が、来るときは来る。

じわじわ来始めたら、ぐっと来る。

その手前の量で留めるのが長男流。

 

直球の辛さが欲しいときは普通の唐辛子を使うが

痺れたいときは、迷わず大東トンガラシなのである。

 

これまで、カツオに飽きると、漁師の知恵である

マヨカツオ、つまりしょうゆマヨにつけて食べていたが

大東トンガラシ以降は飽きなくなり、出番がなくなってしまった。

何が違うのか良くわからないが、爽やかでカツオがすすむ。

 

カツオを刺身に引く前に

ローストガーリックと大東トンガラシを丈夫な杯(さかずき)に入れ

すりこ木でつぶし、泡盛や日本酒で割っておく。

大東トンガラシは

天日で乾燥させて石うすでひいてあるので

なかなか細かくひけないのだが、粗引きのローストガーリックと一緒なら

自然に細かくひけるのが不思議だ。

荒いガーリックがひかれる寸前に、下にあるトンガラシと触れ

薄く締まったトンガラシと共に砕けるのだろう。

 

そうして、泡盛、日本酒にトンガラシがなじむのを見ながら

カツオや、つまになる野菜をこさえていくのが、また嬉しい。

 

こんな嬉しさは、今の生活ならではである。

再就職して、早く帰られる生活。

長男は、職場に長居して自分だけが何かを背負っている錯覚から

脱出することができた幸いな人間ではないだろうか。 

 

カツオばかりでもつまらぬので、魚を卸す修行もかねて

マアジも求める。

やはり繊維が細かい魚は繊細にウンメイ。

よく、自分の食べているものはけして大味ではない!と断言しながら

マグロや鮭を食べて居いる人を見かけるが、文字通り噴飯である。

いわば、俺はラーメンなんか食べないといいつつ

チャーシュー麺を食べているようなものである。

繊維が大きいと舌触りが粗くなり、味わいも大きくなってしまうのは

仕方が無い。

科学的な言い回しをすれば、筋繊維の密度や

血管、血合いがまばらでなく、租借されながら違った魚の体組織を

ひと口で味わうことの出来る状態、それが繊細な味なのだ。

 

それが、クセの無い味で、更に部品が大きく

その部分のどこを食べても同じ味の物をほおばってしまえば

おのずと大味となる。

味の変化が口内で一つの味になってこそ繊細な味なのである。

 

しかし、その大味も、ひと口サイズに切り、竜田揚げなどにすれば

外側の舌触りと香ばしさ、中のふんわり感が独立し

味の変化が生まれることで、大味をある程度回避できるわけだ。

 

しかし大味を否定してはいけない。

大味は美味しくないと思うのは、おおいに間違いである。

大味は、大きなものゆえのことであり

口にしたときに変化こそ乏しいが、その味をこよなく愛する人には

美味しいところだけを食べ続けられる、究極の幸せ食品なのだ。

 

おっと閑話休題。

 

ともあれ、美味しい大味系のカツオから、時々マアジであった。

しょうゆ味でも飽きてしまうので、大東トンガラシ入り酢味噌がイカス!

長男は麦味噌が大好きなので九州味噌である。

大東トンガラシを本の数滴の泡盛や焼酎に浸して

満を持し、九州味噌に一味とマイルドなリンゴ酢を加えて

練り上げれば出来上がり。

一味は、食べた瞬間の辛さのパンチが必要だから。

しょうゆと違い、味噌は辛さをはばむので一味を加勢させるのだ。

 

他方

全く違う逸品を発見した。

長崎のモズク天。

麺にもなかなかですな

 

舌触りのぬるりとした感触と、かまぼこのシコッとした食感が

みょ〜に心地よい。

ポケモン系ヤオチュースーパー恐るべし!

手を掛けすぎた人工的な味「このごろの練り物」を

美味いと言わぬ長男をうならせた食感・・・天晴れである。

コンロの直火で焼き暖め、ホコホコのところへ

一味をさっと振っていただくと、ビールが何杯あっても足りない。

 

この美味さを分かって作られているのだろうか

それとも、ヘルシー志向とやらで気まぐれに?

いずれにせよ、こういう美味しくて体に良いものは長続きしてほしい。

が、毎日たくさん食べると、うまみ調味料が多いため

舌が壊れるのでご用心。

 

つくづく、このごろの食べ物は、毒はないが

食べ続けると害のあるものが多くて困る。

 

かといって、足りない栄養分を、究極偏り食品「サプリメント」で

摂り続けるは更に最悪だから、少なくとも生物一次加工?食材で

毎日美味しく過ごすのがよろしかろうか。

もともと人間の体は、成分だけ摂取して成り立つほど

薬生活に進化した生き物ではないことだし。

単一成分を連続して摂取しすぎると、吸収率が下がっていく

厄介な体をだましだましコントロールするのが

現代人のたしなみというものだ。

サプリメントを飲んだら、明日は自然食材である。

カツオを食べたら明日はアジが良いだろう。

摂るもの全ての効き目がぐんと違ってくる。

  

さてさて

明日のカツオはどんなアジだろう?

 


ではまた