元気の薄い日本の電器屋を微妙に応援するデジバカ派生企画、第一弾!


S○カードを使う・・・チープな戦術のために

絶対にヒットできない商品がある。

風前のともし火、メ○リースティック・・・

今更交換もしないのに、どうして、媒体が必要なのだろう。

一転、宗旨がえしてHDDオーディオに手を出したり

形だけシンプルにして、ヒット商品に追着こうとしているが

 

追着くだけなんだ・・・

電気馬鹿食いの薄型テレビが売れれば

他は品揃えだけの意味で並んでればイイんだ・・・

 

消費者に見え見えになってから、久しい。

インチキな隣国の安物を見ても、我国の負け商品を見ても

結局、電気屋に行っても元気が出ない。

 

日本の電器は元気を出せないのだろうか。

 

なにか、何かが抜けているのだ。

 

先日

iPodから、パナソニックのD-snap・SD850Nに変えた。

ハードディスクプレーヤーはやや重く

ハードディスクが回っているという、ちょっとした恐怖がある。

でもチープなカラー液晶を持ったiPod nanoに買換えるよりは

もっと進化したものはないものか・・・と探していた。

 

ふと周囲の騒音を減少させるノイズキャンセラー付きの

オーディオプレーヤーが目に入った。

D-snapだ。

 

デザインが、妙に最近のそっけないケータイっぽい。

素材もチープな樹脂製だったが、それにもまして

ノイズキャンセラーは魅力だった。

 

ともあれ視聴・・・

 

ヨドバシカメラの騒音は突発的音が多いので

キャンセルできないが、期待して買うことに。

松下のモノづくりは、まず効果が無いということは絶対に無い。

信頼を大切にする松下はウソはつかない。

 

さてと

SDカードも付いてるんだ・・・

1GBなんて小さいのは要らないのだが仕方ない。

で、iPod nanoは8GBモデルがあるが

先ごろ規格が変わったSDHCカードまで使える事を

しっかりと店員さんに確認しておく。

 

すると・・・

 

「あ、はい、SDHCは使えます。でも4GBまでですね。」

な、なんじゃそりゃあぁぁぁぁぁっ!

ですね、って何だよ!!

ですね、じゃねえだろ!!!

コンパクトフラッシュは、フォーマットさえ変えれば

2GBの壁を越えて8GBでも16GBでも使い続けられるが

SDカードは違っていた。

 

おいおい、セキュアはいいけど

同じコントローラ回路入り構造なのに、なぜ使い続けられないんだよ!

しかも、Windowsのファイルシステムの2GBの壁とは関係ない

4GB止まりとは、まったく意味不明である。

こういうことをやってしまうから、そもそも人気がないのか・・・

 

ともあれ

他はモドキ商品とか、韓国製とかで

軽くて見た目も良さそうなプレーヤーが見当たらないので

仕方なく買って帰ることに。

 

とはいっても

帰りの電車の中で、久々に長男はウキウキしていた。

 

SDカード規格のヘッポコさ、将来の見通さなさは

まったく理解も承服もできない。

2GBであっさりとこれまでのユーザーを切って捨て去り

SDHCを平気で出せるところは、信頼への裏切りだが

まあしかし、オマケ?でついてきたSDを

とりあえず目一杯使おう。

所詮デジタル家電は短命ということだ。

この調子でいけば、やっぱりデジタルテレビを買っても

同じように、こういう憂き目を見るだろう。

 

それより

ノイズキャンセルをどう使おうか、いろいろ考えをめぐらす。

電車で静かに眠るために

無音モード・・・みたいのは付いてないだろうか

用も無いのに付いていたりする時計もアラームに使えるし。

無音モードが無いなら、想定時間の無音MP3を色々作り

最後に音楽か、アラーム音を入れておけば使える。

ファイル名に何分後になるかつけておけば使えるし

無音はファイルサイズも小さいから

わりと小刻みな無音時間ファイルが作れるな・・・

当面は沖縄までのフライトが最大だろう。

秋には東海汽船の一等客室でゆっくり寝られるよ、オイ!

などと、ウキウキ考え続けた。

 

さあ

夕食を食べながら、キッチンパソコンで準備だ。

ソフトをインストールし本体をUSBに接続して

SDジュークボックスを起動する。

ごていねいに、特殊形状のUSB端子を使うところまで

iPodゆずり?である。

 

いまだにSDジュークボックスかぁ・・・

こだわっているのか・・・気にしていないのか・・・

数年前と配色は違うが、ほとんど進歩していないように見える。

昔は、ソフトとかセキュア対応のSDカードリーダーライターが

変なことに別売りで・・・コストパフォーマンスが悪すぎるから!

だめだからこのプレーヤー!

と、売り子さんに絶対買わぬよう諭されたが、今のはどうだろう。

 

このSDオーディオを買ったころは

アレコレいろいろと七面倒であったが・・・今度はどうかいな・・・

 

見た目が変わっていないから根本的には前のままだが

細かな「不便さ」が解消されている。

たとえば

MP3の楽曲が、通常だと勝手にセキュアAACに変換されるとか、

そいういうのはなくなったようだ。

 

が・・・

 

1GB弱の楽曲を読み込むと、おもむろに変換を始めた。

何分掛かるんだろうか・・・わからぬまま進む。

ご飯を食べ終えたころ、ようやく終わりが見えてくる。

半端ではない時間だが、まだオーディオに書き込んではおらず

SDジュークボックスで著作権保護対策を施されているだけだ。

 

ようやく変換が終わったので、今度こそプレーヤーに書込みだ!

と思ったら・・・楽曲の容量が1.4GB?

著作権ってデータ大きいの???

それって、SDカードを1.4倍無駄食いさせるほど大切なわけ???

 

良くわからんが、4300曲あまりから、せっかく厳選したのに

また減らさねばならぬ。

 

減らしに減らして、結局4つあったジャンルを1つにしたら

ようやく入る容量になった・・・むむむ・・・前途多難だな。

 

おそるおそる書込み開始・・・

 

やっぱりな・・・

スゴイ時間が掛かる。

 

また待たされる。

 

たった1GBのシリコンオーディオプレーヤーで

これほど時間をとられたら、何のためのシリコンか

良くわからぬ。

楽曲とは異なったところに価値が置かれていることは

間違いない。

 

・・・・・・・・・こうして、ただ夜は更けていった。

 

明くる朝、これまでのウッセキは吹き飛んだ。

電車に乗込み、スイッチを入れてみると

ふわりと空気が変わったのだ。

静かというか、独特の人工の静寂だが

外してみるとなお驚かされる。

周りがヤカマシ過ぎるのだ・・・

こんなにヤカマシイ所に生きていたのか・・・僕は・・・

 

専用のヘッドフォンにはマイクが内蔵されていて

そのマイクが受けた騒音の幾らかの成分に対して

反対の位相の音波をイヤホンから出して消す。

 

静かな場所では、

少し「サー」という風の砂の様な音が聞こえる。

コレがあるために、無音モードがないのだろう。

 

でも充分静かだと思うし、このサーに合う

遠いサザナミの音や、風にそよぐ竹林の音、

森に降る雨音をエンドレスにし、内蔵メモリに入れておけば

癒しモードや快眠モードとして使えると思うのだが・・・

 

こういう風流な音は外人には感じられないらしく

雑音にしか聞こえないようである。

音としてでなく、言葉として左脳で聞く

日本人ならではの風流ゆえに

グローバル対応は無理であるが・・・

遠路、国際線を静かに過ごせるのだからそれだけでも

2万円弱を出費する値打ちがあると思う。

しかも三日三晩聞けるくらい長時間再生できるのだから

軽くて小さいから、往復の快適なフライトだけのために

かばんの隙間に入れて持ち運べるサイズだ。

 

ふと、ちゅ〜と半端なPanasonicの位置が気になった。

こいつはオカシイ。

不安定でとても変な位置関係だ。

多分、デザイナーは裏側に入れたかったのではなかろうか?

 

あくまで想像だが

アップルマークだって裏に入ってるし・・・

他の愛称D-snapとか型番も裏側だ。

このオカシナ位置関係は

デザイナーの小さな抵抗かもしれない。

 

まだまだ、ユーザーとは関係ない事で

仕事のための仕事のために

悩んでいる会社なのだろうか。

もともと良く出来た機械を認識できないで居るのは

モノづくりをする人間として、不幸なことである。

 

さてと

無音MP3でも作るとするか。

ついでに近くの竹林の音も録音しに行こう。

 

おっと、最大の弱点を忘れていた。

耳に突っ込むカナル型のヘッドフォンは歩くと

ゴンゴン、モボモボッと自分の筋肉や、足の裏が地面に着く音が

耳について使えない。

これは、密閉して騒音を断ち切る機能の代償であるが

以前、会社で

このタイプのヘッドフォンをして歩き回っていた先輩が居たが

自分の音を消すほど大音量にしたら、娯楽難聴になってしまう。

 

しかも、この季節

汗ばむ陽気の日には鼓膜がふやけて

外した後で少々耳に違和感が残る。

 

かといって普通のオープンエアの

小型ヘッドフォンを付け替えて歩くのも面倒。

我が家の音楽プレーヤーは

あくまでも、乗り物で快適に過ごすための道具に化けた。

苦労して使うような家電ではない。

 

更に言えば、騒音カットによって生まれた静寂の中で

ギリギリの小さい音で聞くのが長男流。

しかし音量の調整段階が粗く、ちょうど良い音量にできぬ。

レベル3から5の間を、せめて5段階くらいに区切って欲しかった。

デジタルの使いにくさが、もろに出ている。

これは前のSDオーディオから進化しておらず

せっかくの静寂だが、なかなか上手く活かしきれないものである。

  

本家BOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンもあるが

ごっついヘッドフォンでは、船便で寝るときに

寝返りも打てない。

やれやれ、ハイテクもまだまだママならぬ。

 

ま、安眠用MP3をアレコレ作って

使いこなしてみせるが。

そのあたりは、また別の機会に。

 

日本の家電は、きめ細かな行き届いた心配りこそ身上。

グローバル対応とやらで、つまらぬ商品になっては居まいか?


ではまた