本当に、まっかなウソ!


最近、更新が遅れがちで、今回も遅れてしまった。

遅れついでといってはなんだが、更新日より未来、

11/25、横浜の林の情報をお届けする。


嘘ではない、これは本当に真っ赤なウソである。

その証拠が、この写真。

 

横浜の森で、北海道に居るというアトリのような赤い鳥が!

何じゃこれ、と思っていたら、常連のオバサンが

場所変えのすれ違いざまに「ウソ見ましたか?」という

おおっこれがウソか・・・と思いつつ「見ました」とこたえる。

今年はいろいろ教わることが多い。

 

実は最初、赤くない、やや地味なメスを目撃しており

それはちょっと湿っぽかった、否、遠目に知らぬ鳥だったので

うっすらとした図鑑の記憶を頼りに

「う〜ん、なんだっけかぁ・・・イカルだっけ、ん〜シメかな?」

などと、木立の間で無駄に悩んでいた。

(シメよりイカルに似ている)

 

シメシメ・・・などと記事に書けるなとほくそえんでいたが

真っ赤なウソが現れ、オスの「アカウソ」だった。

 

ウソかホントか、思ったとおりアトリ科の鳥で、北方から

渡ってくる冬鳥だそうだ。

ウソ、アカウソ、それと珍しいベニバラウソというのが

日本で見られるらしい。

 

常連の方々には、やや遠いみたいだが

長男には気づきつつも、かなり近くまでやってきて

しつこくズボンにひっつく種を

ムッシャムシャ、バックバク食っている。

 

人の気配がすると、さっと飛び去ってしまうのに

長男の前にはやってくるのには、意味があるようだった。

 

長男は鳥好きのする生まれの男だったのだ。

 

というのは、言うまでもなく真っ赤な嘘である。

 

長男は、林に入るとしゃがむ。

足がしびれるが、それでも右に左に体重を移動しながら

ひたすら風に木に石になりながら待つのだ。

これは、自然に身についたのではなく、考え抜いた結果だ。

鳥はどうやら、人間を大きさと形で判断している。

人間からしてみたらアッタリ前だろ!と思うだろうが

体の大きさを考えると、10倍の高さ、つごう高さ17mの

ティラノザウルスよりもでかい相手を林で認識する事は

人間の感覚にはない。

 

それはさておき、頭、手足と胴体がつぶさに分かりやすい

つっ立った状態では、常に警戒されてしまっていた。

南大東でチャレンジしたのは、棒立ち。

両足をぴったりつけて、カメラを持った腕も

ぴったり脇を閉めて棒になる・・・といった実験をしてきた。

薄暗いときは、これでも多少効くことは分かった。

 

で、結局のところ

石に座る、しゃがむなどして、人間の大きさを

分からなくしてしまうのが一番さとられ難いようなのだ。

 

今回もひたすらしゃがんで石になっていた。

足もしびれた。

かいあって、ウソも嘘みたいに近寄ってくれたようであった。

 

そりゃもう嬉しくて、林の中でピンクレディのUFOの

「ユゥッフォ」というフレーズを、振り付けはそのままに

「ウゥッソっ」とやってしまいたい衝動にかられるほど嬉しかった。

 

長男は時折信じがたい光景に出会うと

人が見ていないところでは、やってしまう習性があった。

ピンクレディ世代としては当然の習性と言えるが

これは未婚の長男にとって重要機密だ。

 

誰も来ないと分かってる場所では更に次の振り付けへ

進んでしまうこともあった。

 

相変わらず、立って、群れて、にぎりめしまで食って

「これじゃあ出てきてくれんだろぉ、何ぼなんでもぉ」と

突っ込み倒したくなる人たちであふれる林でもあるので

うかつにやれない悔しさがある。

やれないと、やっぱりストレスたまる。

 

たまるが、鳥が居る間はやっぱりやれぬ。

し、しびれるっ、でも嬉しい、やりたい、でも我慢だ、

おおっシャッターチャンス、しびれるっ、嘘だろっ、

いやウソだぜっ(独り突っ込み)、気づいてるだろっ!

お前、絶対気づいてるよな、でもなして逃げんのだ???

今のうちにシャッターだっ!

 

そんな葛藤を、草陰で、チッ・・・チッ・・・と小声で鳴きながら

今年もやってきたカシラダカがコソっと見ていた。

 

ピンクレディを知らない、振り付けも踊れないであろう

カシラダカに見られているのは、全く仕方ないとして

どうみても、気づいてるよなお前、遠慮なく食ってるけど。

ウソは逃げず「石のまま撮影作戦」が成功しているのだが

シャッター音や、時たま動くのを、明らかに気にしている。

しばしばこちらを両目で確認しつつ

それでもなおも食い倒す神経の太いヤツを

ちょっと許せぬ長男でもあった。

 

ウゥッソっ!ができない腹いせかもしれない。

 

それはそうとこの秋の林には

クヌギやコナラのどんぐりも栗も全然ない。

栗は例年、ハイエナのような散歩客らに

根こそぎ持っていかれるのだが、今年は残されたイガも無い。

サラリーマン生活にはあまり関係ないことのように見えるが

こんなに身近なところで、確実に変化がおき始めている。

クマが、サルが里に都会に出てくるのは

きっとこういう現象があちこちで起きているからだろう。

雨が多いのも気にかかる。


ではまた