秋の準備はじまる

 


最近めっきり涼しくなった。

いきなりセミも鳴かなくなったし、キンモクセイも咲き出した。

 

今秋の太平洋はどうだろうか。

水総研の一都三県海況速報を見ると、相模湾内まで軒並み

25度ラインがやってきている。

沖縄並の水温だし、25度ともなると内地の魚は食わなさそう。

海は一月遅れだから地上の8月と同じで真夏、仕方ないが。

とはいうものの、少し沖には27度ラインもありスゴイ高温だ。

そこまで高い水温だと、小笠原でも沖縄でもく食いが落ちてくる。

 

何年も前の秋、紀伊半島は本土最南端の漁港へ行ったときに

南洋の悪役バラクーダ(オニカマス)の幼魚が食ってきたが

今年は伊豆諸島で釣れてもおかしくない。

ただし、肝心の温帯域の魚たち、この時期からの

ワラサ(ブリの一歩手前)やショゴ(カンパチの当歳魚)などは

どうやら温水をさけて避暑にでかけているようだ。

ワラサなどは水温の低い東京湾になだれ込んだり

川で水温が下がっている湾岸までやってきているみたい。

 

釣りの方は夏休みに徳之島でちょっと竿をだして以来だから

体もずいぶんなまっている。

一方では使いもしないのにルアーはたっぷり買いだめしてある。

 

先日、HMS氏から○まかつの猫族の名の付いた竿をすすめられて

ちょっとグラッときたが、あぶないあぶない。

道具ばかり増えても、釣りできなければしようがない。

 

もう、何本の竿があるやら、ルアーがあるやら分からない。

 

仕掛けはずいぶん前から作ってあって、初夏に伊勢へ帰ったとき

新しい道具を使って作ったものが使わぬままになっている。

(下のが新たな買置き)

変わった色あいのルアーだが、関西では流行の色らしい。

魚の世界で、色が流行るというのは妙な話で

魚の好みが変わるはずはなくて、人間の好みが関わっている。

こういった、怪しげな情報を元に選んだものは

信用できるようになるまで、ずいぶん釣れずに困るものが多い。

 

どうしようもなく釣れない時に使うと、不思議と釣れたりして

信用絶大になることも在ったりするから、すぐさま売りはらったり

してはいけない。

ルアーを使うとき、魚にとって目先をかえるというのも

大切なことだからだ。

 

色だけではない。形も違うと泳ぎも変わるので

色だけで釣れないと判断してもいけないし

そのもので釣れなくても、食い気が変わって

その後使ったルアーで釣れる事もあるから

ローテーション自体にも気を使う必要もある。

つまり、そのルアーだけで釣ろうとするのではなくて

自分の持っているルアーのチームワークで食わせるようなものだ。

 

だから、僕は長男のわりに割りきりが悪くルアーはたっぷり持つ。

昔から少ないほうがカッコイイと思いながらも、そうはいかぬ。

あれやこれやと持っていく上に、テスト用と称して

未知のルアーを必ず持ってでかけることが多い。

 

たいがい、テストのルアーは釣れないのだが、持って行く。

使い慣れてくると、ずいぶんルアーの水中の表情も変わるから

釣れるようになる事もあるあるのだ。

もちろん、いっぱつ失格ルアーも少なくないが。

 

しばらく太平洋を見ていないと、人間が縮こまっているから

買ってくるルアーもヘナチョコで小さくてモロイものが多くなる。

(下の2本が新たなヘナチョコ)

分かっていても多くなるもので、買ったからには

テスト用に持っていく。

テストモードに突入して釣れたためしはないが・・・。

 

今回は、かなり縮こまっているようで細くて弱いのや小さいのが主流。

なんだか知らんが、かなりイカンな・・・

こういうときは生活もかなり縮こまっていて、小さなことで悩む。

水温が高すぎてオフシーズンも長いし

自分が行きたいと思っても、絶好の海にもめぐり逢えなくなっている。

 

むろん、休みが取れない人が多いのだなあと、今の会社では

思い知らさせる。

それほど景気の悪い会社でもないのだが

事実上、僕はそうでもないが、周囲の人たちは週休二日でないから

勤勉といいつつ、日本人は働く効率が悪すぎるのか・・・・・?

 

今の日本社会は不自由もしないが案外と自由も少ない。

同じ日本なのに、小笠原へも行けないし、沖縄へは安いのに

徳之島へは高い。

休みを取れば社会人として軽率ともとられかねない。

その上、航空運賃は「先進国」と肩を並べ、オゴッた時代の列国より

ずっと高いまんま、更に原油高を理由に値上がりする体たらく。

 

日本の豊かさとか、びじっとじゃぱんだとか、あまつさえ

美しい国だとか、本当に国民のことを分かって言ってんだろうか?

と思ったりもしてしまう。

 

いかんいかん、最近どうも歳のせいかヘリクツが多いな。

 

釣りに行くというのは口実で、自然に接するのは間違いないが

人間の大きさを感じるには、地球の上の生物でありつづけるには

やっぱり外へ出て、都会を出て、時計でなく地球の時間が流れる

海や大地に身をおいて、ようやく感覚がリセットされて生きられる。

 

リセットされながら、おいしい刺身が釣れるなら

これに勝る機会は、長男的には他に見当たらない。

なかなか釣れないから、多少しこりは残るのだが・・・

 

9月末〜10月あたまじゃ、まだずいぶん早いかもしれない。

逆に、沖縄系や夏の魚が釣れる可能性があるわけだが。

 

とりあえず、台風が来ないことを祈りつつ、水温を用心深く

チェックしよっと。


ではまた