40の無理

 


本格的夏風邪をひいてしまった。

30歳のゆるい延長上に40歳があるだろうと思ったら

確実に少しづつ、体が変わってきている。

ひたひたとやってくる老いとは恐るべき影響である。

使わないと、頭もすぐに固くなり、発想に柔軟性が無くなる。

最近、記事によく出てくる言葉、アポトーシスが自分の体のアチコチで

様々な影響を出し始めているためである。

 

ちょっと人生の寄り道をして、再びサラリーマンになってみたので

そちらの瞬間的ストレスも、多少来ているのかもしれない。

覚えの悪い頭、腹も出て思うようにならない体、おまけに風ひき・・・

今更ながら自分がダンダン情けなく思えてくるが、情けなく思っても

別段何も変わらぬので、やめとく。

 

人生は、あんまり直線的でないほうが良いと思う。

旅と同じである。

計画しても計画どおりではつまらぬ旅だ。

ハプニングこそ楽しみ。

あんまり寄り道ばかりして、結局ゴールは見えずじまいになるのは

多少いただけないかもしれぬが、それはそれで楽しければ問題ない。

 

さて、ガス屋での修行は面白い。

電気メーカーにはない、いろんな技が身に付くし、いろんな人に会える。

都会の人がどんな生活をしているのか丸裸にできるほど、人に会える。

電気メーカーでは死ぬほど予測不能なユーザーの姿が簡単に見えてくる。

それを意図して入社させてもらったのではないが、人間何らかの楽しみを

仕事に見出してくるものである。

 

当面、田町にある研修センターで詰め込み(集中?)教育を受けて

目下、一日も早く戦力に加わるための修行中。

門の横にはなぜか警視庁のピーポ君が描かれており

気持ちはテロ警戒中だろうか?

これまでは「ガスタンク」と呼んでいたが「ガスホルダー」って言う。

どうだ、専門家っぽいだろう・・・?

ん?ここには圧力何パスカルのガスが貯めてあるんだっけ・・・・

右にある建物が見た目よりずっと年代物の研修センターのビル。

様々なガス機器や施設が作られていて、そこで特訓を受ける場所だ。

 

トレーニングが一通り終わったら、晴れて本格的にフィールドへ出られるが

研修もなかなかにコクがある。

周囲は、既にフィールドへ出ている新人メンバーがほとんどで

資格取得のために来ている。

長男は2日だけフィールドへ付いて行っただけで、メーターガス栓の

開け方すら知らぬ。

(マイコンメーターの起動と、開栓作業という)

今更感じないが、多分こっぱずかしい基本的な質問を連発して

周囲から変に思われたことだろう。

内容は多岐にわたっていて、いろんなガス機器の勉強や

ガス管のガス漏れを調べる方法や、ガス機器に必要な空気の量を

計算する方法を身につけるのだ。

案外?と言ってはなんだが、ガス栓開けるだけでも結構学習量が必要。

ニッポンの火を守る仕事というのはコウイウことかとちょっと誇らしい。

まだ入り口に立っただけなんだが・・・

チャパツの生意気そうなニーチャンでも、居眠りと闘いながら

しっかり勉強している姿は、なかなか感動ものである。

社会人になって間もない、見た目はヤンチャだが、ガスに関しては

実に頼れる奴等が確実に育っていく感じだ。

開栓するだけでも資格取得が必要なのだが、研修はまだ入り口。

更にフィールドで30軒程度の実務と、その後実務可能かどうかの

認可を行う本職が同行して作業し、OKなら3ヵ月後に資格が取れる・・・

 

皆さんは引っ越したときの都市ガスの開栓を覚えているだろうか?

案外段取りは多いのよ。

お客さんから見たら、ざっとこんな感じ。

@今から開栓に行きますの電話

A場所を考え慎重に駐車し、訪問〜家の確認〜開栓可能か確認

Bお邪魔して、家の中の全てのガス栓が閉まっていることを確認

Cメーター周辺チェックと、開栓〜マイコンメーターの起動

D地震などでメーターが止まった時の取り扱い説明

Eガス漏れチェック(方法はいろいろ)

F全てのガス使用機器を安全を調べて点火チェック

G使える全てのガス機器の使い方説明(機種が多彩で覚え難い)

H暗号のような伝票を記入し、サインをもらう

といった感じになっている。見えるところは多分こんなものだが

実はもっといろんなチェックを、あの時間でやっている。

一通り学びはしたが、本当にこれができるのかカナリ不安。

横浜方面へ引越しの方、横浜から転出の方

万一長男がガスの開栓に行ったら温かい目で見て欲しい・・・

これがマスターできれば晴れて長男もガス屋のスタートラインに

立った事になる。

 

出きれば皆さん

ちょっと高いけれどガス・CO・火災報知器を付けてちょうだい。

ガスは電気と違って、家庭内の事故をユーザーやメーカーのせいにして

野放しにはしておかない。事故は最大限未然に防ぐようになっている。

万一の時のタメに、こういう機器を付けていただくわけ。

しかしこの報知器、放置器的でちょっと悩ましい。鳴るだけ・・・なのだ。

ガスを止める機能くらい付けられんものか・・・

けれどLPGと違って、火災とCOは上、ガス漏れは下・・・

といった風にセンサーをアチコチつける必要はないのがオススメポイント。

ガスも一酸化炭素も火も全部上で検出できるのが都市ガスの良い所。

 

うんちく

空気を1とした場合の比重は

●都市ガス(13A)は0.64

●一酸化炭素(CO)は0.97

●LPGは1.52

なので、センサーをつける場合、都市ガスだと全部上で検出できるわけ。

しかしながら、火力はLPGが圧倒的で、同じ量のガスを燃やした場合

都市ガス(13A) VS LPGは45:99であり、圧倒的熱量を誇るLPG。

だから中華料理店などにはLPGがうってつけ。

けど、ボンベ輸送代がかかるので、ちょっとお高い。

都市ガスには13Aだけでなく、ほかに12種類も規格があって

ややこしいんだな、これが。

みなさんもガス機器を持って引っ越すときは、機器にあるシールに

ガス種が書いてあるので、よくチェックしよう。

   

さあ、お次の修行は修理が待っている。

実は、修理は憧れの職業である。

小学校の頃から自分ちや近所の家電や釣具、オモチャを修理し

今じゃパソコンにデジカメも修理してしまうが、これにガス機器が加わる。

しかもプロだ。

ガス機器を修理に行ったついでにパソコン修理・・・などはないと思うが

デスクワークでデザインをやっていたら出来ない芸当だぞ。

 

さてさて

矢継ぎ早のガス屋修行もさることながら

引っ越してから3ヶ月以上たつが、家の中の混乱が未だ治まっていない。

ほとんど家に居なかったという言い訳を誰にしたものか・・・

様々なものが見つからない、不便なまま・・・引越し難民・・・?

みたいな生活だ。

押入れが大量にあるから、収納は困らないだろう・・・そう思ったが

家具を置かないので、収納してしまっては使いづらくなる一方。

どうしてもそれを考えると収納をチュウチョしてしまうのだが

それではダンボールがあふれたままである。

イカン、何とかせねば・・・と思ううちに夏休みになるのだろうなぁ・・・

ガス屋修行が忙しいとか何とか、誰ともなく言い訳しながら・・・

我が家のエントロピーは、ますます増大中である。

 

めずらしく、今のところ夏休みの計画はない。

ちょっとした出来事があって、実家に帰るのは気が向かないし

南国は暑くて台風もきつそうだ。

だからといって、横浜でウダウダ休日を過ごすと病気になりそうだ。

どうせ夏は釣れないのだから、パソコンとカメラを持って

どこか鳥のいるところへでも、出かけられないものだろうか・・・

 

こんなときこそ、山を目指せないだろうか?

いつも海ばっかりに行っているので、たまには涼しい山で撮影三昧

というのもココロ豊かなものである。

せっかく島旅で鍛えた撮影技を、みすみす鈍らせるわけにもいかぬし。

とは言いつつも釣りもしたいなぁ・・・

友人のリール2個を改造したのだが、そのリールは遠投用。

お陰で、海で思い切りジギングしたくなった・・・

(穴が空いた円板が改造部品)

夏はルアーを休止して、投げキスも楽しそうだ。

どうせ竿も投げ竿を改造したので、投げにそのまま使える・・・と

考えると、ますます行きたくなるなぁ・・・

来週、心に余裕があったら、静岡あたりへ投げ釣りしにいってみようかな。

 

などと考えているとOちゃんからウナ電が入った。

徳之島で未だ撮影できずにいたトゲネズミが、

なんと徳之島固有亜種となった。

さ、撮影に行かねば・・・しかし、航空運賃はめっぽう値上がりした感じで

往復12万くらいかかってしまうようで、とんでもない。

黄金週間の大東よりも高くなった・・・どげんしょ・・・

 

40になって、こんなにいろいろ新しくなった生活。

ついていけるのだろうか・・・やってけるのだろうか・・・

その前に、風邪なおさにゃ。


ではまた