帰郷して、ひといき

 


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南西諸島の梅雨入りを見通して、帰郷した長男の読みはハズレ。

むしろ、本土のほうが連日降り続いていいて、伊勢に帰っても一日晴れたくらい。

せっかく、田植えしたばかりの田に、水鳥が居ることが分かったのに

見に行けない、撮りに行けない日々である。

もちろん、釣りにも行けぬ日々でもあった。

 

最近、自分を野放しにしている長男だが

やることといったら、釣りか撮影・・・雨ではどちらもできぬ・・・

 

帰郷した次の日、早速実家の周りの広大な田んぼに散歩しに行ったところ

ご当地名物?ケリの猛襲にあい、あちこちで警戒の声をあびせられ

空ではトンビも追われていた。まったく気の荒いチドリもあったものである。

(餌を探し、歩きながら警戒の声を出す)

(トンビに蹴りを入れたケリ?)

 

そんななか、静かな鳥がたたずんでいる・・・ファインダーをのぞくと

南大東でようやく覚えた、最も見分けやすい部類のシギ、チュウシャクシギが居る!

おおっ!チュウシャクがおとなしくしている。ちょっと警戒しているが、逃げない。

飛ぶときは不思議とその辺に居た仲間と合流するようで、河口でも田んぼでも

3羽くらいで飛んでいる事が多かった。南大東のようにドバッとは見ないが

本来、三重県の広大な干潟ではドバッと1000羽単位で見られるらしい・・・

 

ハマシギも居るのだが、居るところが皆目見当がつかぬ・・・

小さくて地味で動かず、いよいよ接近したらパッと飛び去る難しい鳥である。

 

ほか、初めてタシギを覚えたのだが、どうも4兄弟(近縁種)いるようで

じっとしていると、ほとんど見分け方がないらしい。

(突然草むらから飛び立つので撮れない・・・)

背中の筋模様で、タシギ4兄弟まではたどり着いたが、なかなかにシギらしく地味で

見分けにくい醍醐味が味わえそうであった。

くつろいで尾羽を広げると見分けられるようで、枚数や、ほとんど羽軸しかない

外側尾羽で見分けるのだそうだ。

そっと近寄り、緊張がほぐれて、伸びをした瞬間を撮影するしかないのだが。

チャンスは巡ってこぬ。

 

このところ、やけに増えた気がするのが、カルガモ。

冬鳥としてやってくるカモと違い、居続けするタイプだ。

被写体が大きいので飛ぶところを撮影する練習には良いのだが

今一歩、なんというか、撮った感動が薄い。

翼鏡(よくきょう)の青紫はきれいだが・・・雌雄ほぼ同色、見た目には夏冬兼用の羽毛・・・

特段遠くへ旅するわけでもなし・・・というのが

なんとも感動を薄くしているのかもしれない。

※翼鏡=カモ類独特の次列風切(翼の内側後方にあるの風切)の光沢のある羽根のこと

  う〜むマニアック・・・また生活には役立たぬ専門用語を覚えてしまった・・・

 

一方、横浜にも居るのだが、どうも違和感を感じていたカワラヒワ。

伊勢で聞くカワラヒワの鳴き方は、ピピピピッ、ビーン↑と尻上がりに鳴く。

しかし横浜ではピピピピッとは鳴くがあまり組み合わせず、ビーユ↓と尻下がりに

時折鳴く程度である。季節的なものだけではない気がするのだが・・・

伊勢ではビーユという声は聞いたことがない。

物の本によれば、国内にはオオカワラヒワが冬鳥として、コカワラヒワが留鳥として

住んで居るらしい・・・とすると、ただのカワラヒワ、いわば「マ」カワラヒワは居ないという。

横浜のがオオカワラヒワ、伊勢のがコカワラヒワとも言えなくもない。

横浜で夏にカワラヒワを見ることはほとんどなかった気がする。

また、物の本によれば、オスのみがチュイーンと鳴くという。

これがビーン↑なのではないだろうか。

おふくろ様にはチュイーン↑と聞こえるというし、長男にはビーン↑と聞こえる。

おふくろ様は極端に耳が良いから、長男には聞こえない音声成分を聞き取り

チュイーン↑と聞こえるのかも知れぬ。

微妙だ・・・・図鑑の写真で見ると、夏も居るためか、コカワラヒワは痩せ型に

オオカワラヒワは冬羽ばかりなので太めに見える。

写真は断然痩せ型のコカワラヒワと解釈してもおかしくないフォルムである。

更に、まだらなのは夏羽に変わりかけているよう見え、留鳥である可能性が高い。

ま、自分では判断つかないので、これ以上は考えるのを止めることに。

二種のカワラヒワはカワラヒワで一からげにしておいて、人生に影響なしだ。

 

同じように、シラサギのたぐいもそうである。

ダイサギかチュウダイサギかチュウサギかも、さしたる問題はないので

これらはシラサギでよい。しいて言えば、コサギとクロサギの白色型は

クチバシや足の色で見分けがつく。素人の長男にはコレで十分である。

(多分・・・チュウダイサギ・・・)

長男は決して「バーダー」とも呼ばれるマニアになることはない。

モズ博士Tと研究者軍団たちに鍛えてもらったおかげで、かなりコアな

知識も身につけつつあるが、あくまで自分が生活し

釣りをする自然をとらえるのに必要なバロメーターとして

生物相を見られるだけの知識でよいのだから。

コサギが冬に居ても問題ないが、チュウサギ以上のデカイのが居たら

温暖化傾向があり、更にヨシゴイまでもが越冬するならば、亜熱帯化を

懸念せねばなるまい。

温暖化によって、潮位が変わり、磯での釣りのタイミングが変わるから

温暖化はかなり深刻なのである。

前にも書いたが、そのためか八丈の好ポイント、ナカッチョの磯は

先端まで出られなくなってしまっていた・・・

 

おやじ殿とは、二度ほど釣りに行った。

さすが地元で知り尽くした釣り場、二日とも魚を見るが

長男は小物のアタリがあっただけで、ハリにはかからなかった。

ただ、スズキ釣りの仕掛け、10フィートの竿と小さなリールが物足りず

ヤケにチョンチョン、ブンブン振り回してアクションつけすぎたと

反省している。

南大東の磯でやってきた過激な釣りに体が慣れてしまい

道具が軽すぎて体が満足しないのだから仕方ないのだが

困った症状である。

ましかし、おかげで「ゴミ切り」という、新たな技を生み出せた。

河口は漂流する生活ゴミや、増水で流れた枯れ木など

漂流物の宝庫だから、ルアーには魚よりゴミがたくさん掛かる。

そんな時モワッと重くなり、ルアーの動きが無くなるので

すばやく手首を返し、竿を上または斜め上にビシッ!と激しくあおることで

ハリにまとわりつく漂流物を水中で切って捨てるのだ。

これは結構イケた。

8割がたゴミが付いてこないで済んだ実感がある。

 

はたまた探鳥・・・

少し天気が良くなった週明け。

釣りしながら気になっていたシギ類やアジサシを撮影に宮川河口へ。

遠い中州にはたくさんの水鳥、シギ、サギ、アジサシ、ミサゴ・・・

しかし遠すぎて撮影しても豆つぶのよう・・・

ダイゼン(白黒のと褐色の双方同種)、ハマシギ(小型で茶色、腹が黒いの)が

チョロチョロしているようだ。奥の一羽はちょっと大きいのでキアシシギ

 

ならばと、時折近くまでやってくるコアジサシを撮影することに。

アジサシには青空がよく似合う。

案外動きがゆったりしているようで居て、実は早く、更に上下に動いているから

なかなかに難しく、構図どころか、ファインダーから出てしまうこともしばしば。

オートフォーカスを甘んじて使い、やっと撮影できた。

 

カルガモは海にも来るんだ・・・チュウシャクシギとのツーショット。

なんだか妙な感じだが、カルガモが沿岸海域に現れるのは

普通なのだそうである。これまで見た記憶はないが・・・

伊勢も徐々に生物相が変わってきていると思うのだが。

このカルガモが居るあたりで、数年前からダツが釣れだした。

外洋性のダツが、淡水の強い浅い海にやってくるのは

かなり不自然な自然だが、事実、メッキ(ヒラアジの稚魚)も

わりあい良く釣れるようになったという。

大阪近海では、昨年マグロまで釣れたというから、かなりの変貌振りである。

この後訪れる予定の徳之島や母島がどうなっているのかちょっと心配だ。

 

さあ、撮影のトレーニングは南大東を含めて

そこそこやってきたので今度は本番だ。

 

来週は、いよいよ徳之島である。

長男野放しの旅も後半にさしかかってきた。

ただ・・・本州の雨とともに南下し、本来の梅雨を持ち込むような予感がする。

その時は、台風男(夏秋)兼雨男(冬春)の長男に

晴れは付いて回らないという事実を、真摯に受け止め

宿でゆっくりしながら、小笠原に思いを馳せるしかないだろう。

だが、少なくともクロウサギ撮影に、何らかの筋道をつけておきたいものだ。

せっかくビーム砲レンズで、ダイトウコノハズクを撮影し

万端の準備を整えているのだから。

 

10日あまりの滞在の間、一日二日は晴れてほしい

そう願わずには居られぬ、くれぐれも雨好きのする長男であった。


ではまた