内地の暮れ

 


 

なんだか、久々にのんびりな帰省のような気がする。

 

思いのほか寒波の影響があって、徳之島の出発もディレイ、

そして鹿児島から伊丹へもディレイ。

凍結防止剤をぶっかけるところなど、初めて見た。

 

ディレイと、リムジンバスも渋滞に巻き込まれたお陰で、

上本町駅着が遅くなった挙句、みどりの窓口のような発券窓口が

時間帯限定になって閉まっていたので愕然とする・・

 

んだが、そのわきにしょぼくれた相談窓口のようなのがあって、

そこでアナログ感あふれる発券を味わうことができた。

 

昼飯は食べそびれたが、モバイルルーターを試して遊んでみる。

近鉄特急の車内でも、節約スイッチの限界スピードが出ているから、

内地のネットワーク環境なら、この程度は誤差の範囲内かもね。

 

車窓には、いつのまにか雪景色が広がってた。

島との気温差がありすぎて、なんだか不思議な気分になる。

車窓がまるで、モニターでも眺めているよう。

 


 

オヤジ殿が死んで1年、おふくろ様は一段と足が悪くなっている。

昔話と、もうだめだ いつ死ぬかね〜ばかり謂う。

飯の時も謂うから、美味いはずがないんだが、ま゛〜仕方あるまい。

謂うなとゆ〜たところで、他に話すネタもないから、せんなかろう。

 

脳梗塞の後遺症らしい味覚異常と、放置していたヒザが悪化して、

生活の希望を失っているのである。

 

私も、酒が不味くなったら、生きる希望の半分を失うだろうしなぁ・・

 

さっそく、散歩に出かけてみる。

寒くて、だだっ広いなぁ。

 

意外にも、ヒバリが逃げにくくなっているらしい。

近い距離で採餌してくれるのは、実は初めてだ。

 

長いこと観察していると、いつか実現するだろうと思うことがある。

それが、また一つ減った。

 

そういえば、ツグミが1羽もおらんなぁ・・

 

田んぼだけでなく、外城田川のほとりも一気に歩いてみる。

セグロセキレイが、目を白黒させてアオカメムシをほおばっている。

 

のみ込もうとしては、臭さのあまり吐き出し・・

しばし空を見上げて気を取り直し、また口にするループ。

 

久しく口にしていない、大きな獲物だったに違いない。

 

上空から ツィー ツィー と細い声がするが、飛び回るばかりで

なかなか撮影できないでいると、ようやく枝へ。

予想どおり、シメだった。

10年以上も観察を続けているから、なんとなくわかる。

 

二日後、今度は東にある牛尾崎池へ赴いた。

 

多くのヒドリガモ、オナガガモのなかに見慣れぬ小柄なのが・・

そろそろ見かけるだろうと思っていた、トモエガモが数羽・・

初見である。

 

野鳥は、あまり好調とは謂えぬが、そこそこ面白そうである。

 

それにしても

雪が降ったり、氷点下になったりしたのに、まだチョウが飛ぶ。

モンキチョウは例年、なかなかしぶとい。

とは謂え、越冬はできないんだが・・

 


 

おふくろ様が、あまり料理をこさえなくなったから、店屋物に親しむ。

 

濃ゆい伊勢うどんのタレを汁にして、フツーのうどん風に。

かき揚げもスーパーのものだが、この油が濃い汁とよく合う♪

スキヤキっぽい風味になって、まさかの天ぷらとの愛称が抜群だ。

 

いかにも色は濃いが、コクと甘味が深くて、塩っぱくはない。

 

世の奥様方は、万能だしが好きだが、伊勢うどんのタレは別格で、

どうやら返しを出荷前に出汁で割っているようで、風味が好い。

 

 

とまあ

パッとしないものの、わりと落ち着いた年末を迎えている。

寒波の影響で、弟が帰って来ないのが残念だが・・


ではまた