小さい夢 でも

 


 

もう、だめだろうと思っていたんだが・・ 来た!

卒然、ガツガツ食ってきた・・ のは、トリトリデッキ角へ移動して一投めだった。

サイズはさほどでないハズだが・・ なんじゃこの引きとスピードは!?

掛かったのは、まずもってオニヒラアジだろうが・・ スピードがすさまじ過ぎるのだ。

ゆるゆるのドラグ設定なのに、ロッドがのされている。

 

意外にデカいのか?と思ってみたりした。

 

あまりにドラグを出すスピードが速すぎ、スプールがガガガガガと振動し、止まりかける。

振動が止まると、またスムーズに出ては、また振動・・ こんなのは初めてだ。

これは、旧いリールの限界かもしれん・・ と感じた。

25年前の、バイオマスターである。

 

5分くらい経っても、寄ってくる感じがない。

徐々に弱っているのに、ダッシュを止めない。

なんかこう、中二的に・・ まったくアキラメルことを知らないド根性・・ のような?(笑)

 

ドラグがギーギーギーギーガガガガガ、ラインが出されビュウウウウ、糸鳴りヒィィィィン、

聴覚的にも鬼気迫るものがある。

撮影はコワゴワだ・・ でもナゼか・・ 撮影しちゃうのだ。

 

PE0.8とフロロ2号のチヌタックルなので、あまりのスピードと、巻いては出されるので、

一定のラインの範囲だけがガイドに擦って、摩耗しやしないか・・ などと不安になる。

 

ふと頭をよぎる。

トリトリデッキの角で、まさかこんな愉しいファイトをしている人間がいようとは・・・

誰も考えられんだろうな・・ ムフフフ・・・ とか。

ファイト時間が長いと、時折、我に返って変なことを考えてしまう。(笑)

 

しっかし寄ってこない。

だいぶスピードが落ちてきたから、おそるおそる、ドラグをワンクリックだけ重くした。

ほぼ効果がないことは、瞬時に判っていたものの、意外と達成感。

 

10分くらい経ったころだろうか・・ ようやっと、出より巻きの方が多くなってきた。

首を振って、フックを外そうとするのが、しばしば伝わってくる。

 

すると、今度はゆっくりと右や左に移動していこうとする。 右はいいが左はマズイ。

金属の四角いますのようなものがあり、いっぺん触れて、パツンと軽くなった!?

 

やられた! と思ったが、魚はついていた。

助かった ・ ・ ・ ・ ・   どえらい安堵した。  いつぞや、チヌでもあった現象。

 

さらに左にはメヒルギの林がある・・ なんちゅ〜無駄なスリル!?

 

正気を取り戻したのか? イノーの出口の方へ向き直ってくれたので、ほっとする。

 

20分くらい経ったと感じていたんだが、12分くらいしか経っていなかった。

ようやく、魚影が見えるようになった。

 

それにしても、サイズは大したことないのに、なんちゅ〜根性だろうか。

15分経ったころ、実感では30分くらいファイトしていた気になったころ・・・ 魚が寄る。

時間の感覚は、すっかりおかしくなっている。

 

なんじゃぁ これ・・

引きのパワーとスピードからすると、10センチ小さいじゃんかよ!!!

 

しっかし、よ゛〜もま゛〜引いた引いた、ヒヤヒヤ愉しまされたわ。(笑)

 

タモ入れし、引き揚げてみれば、横たわったまま動く様子がない・・・

尋常でないバカ力を絞り出し、疲労し尽くしているらしかった。

このサイズで、技前や道具の限界を感じ、手こずるとは想像できず、油断か???

 

思うに

逃げようとする本能は、深場を目指そうとするのだろうが・・ ここはイノーだ。

2キロ先まで、ほとんどフラットだから、どう逃げていいのか分からず、パニックになった

んじゃなかろうか? チヌも、掛かるとヒラアジ並みにダッシュし、驚かされる。

謂わば、リミッターが外れた、パニック状態のゾーン?≒火事場のバカ力、な感じか?

もしかして、海外で人気の浅場のボーンフィッシュ・ゲームは、コレが原動力なのか?

 

ま゛〜 なにはさておき、まずは

とったどおおおお゛〜!

 

実はやりとり中、タモに入るか心配になったりもしたんだが、杞憂すぎた。(笑)

 

オニヒラアジ、58センチ、2.1キロ。 イノーでは、レギュラーサイズってとこだ。

けど、何年越しだろう・・ 初めて掛けたのは、トリトリデッキがまだ無かったと思う。

あれこれ試したし、なんべん見切られたか知れなく、走馬灯のように脳裏によぎる。

感慨深さに、しみじみせざるを得ない情況であった。

昨夏、メーター近いのを眺めてい、この程度のサイズで感動するハズでは無かったが。

 

とはいえ

食べるに十分で、ずいぶん家計が助かりそうだ。

今月は、役場担当者のポカで、給金が極端に少なくなってしまったので・・・

シメて、感謝に手を合わせる。

 

頭では冷静に考えているつもりだったが、ヤタラめったらスリリングだったせいか・・

足がカクカクふるふるしてしまい、なんだか笑えた。

この程度のサイズで、体が興奮しきっているらしく、下半身が制御不能なのだ。(笑)

 

食らわせたルアーは、値札からフィッシング中原で求めたもので、20年くらい前か。

エコギア・パワーワーム・3インチ・グラブ、とっくに絶版だ。

ジグヘッドは、がまかつのラウンドなんちゃら、3.5グラム。 バス用とは知なかった。

 

結局、いろいろなルアーを投げたが、過去、2へんほど食ってきたこのルアーだった。

紫色に緑と銀のラメ・・ これを食ってくるとは、ど〜かしているぞ。

 

腹を開けると、大つぶの梅干し2コほどの卵巣が入ってい、養いたかったに違いない。

胃の腑には、釜揚げシラスみたいなのと、3センチほどのモエビ、テッポウエビのみ。

あらためて、命の糧に手を合わせる。

 

あるいは

沖縄のユーチューバー、フィッシングギャングあずさ氏のように、アジングタックルで・・

とも考えたが、トチ狂って突っ走るオニヒラアジを、アジングタックルでは無理そうだ。

 

島の子供たちに、なんとか中〜大物釣りを体験して欲しうて、続けてきた釣りだが、

想定外の厄介さである。 んま゛〜 あと2回釣れれば、釣り方としてはイケると判断

できそうだから、子らにオススメするのは、それからだ。

くれぐれも、浅はかなタヌ皮算用は、禁物禁物・・・ 厳に慎まにゃなるまい。

たかだか中型のオニヒラアジに、道具を引ったくるパワーがあるから、地味に危険だ。

 

 

ともあれ

久しぶりの刺身に舌鼓。 腹側のサクのやつを、まず。

昨夏以来、まともな刺身は食べていないからか・・ すこぶる美味く感じる。

 

スッキリした風味と、ほどよい脂の乗り、きめ細かくツルっとした舌触り。

カンパチの血生臭さを抜いた感じの、なかなかイケる刺身だ。

 

ヒラアジ定食として、刺身のほか赤だしをこさえてみた。 んだが・・・

これでも、だいぶ脂を除いたのに、こてこてギラギラ。 こんなのも、初めてだ。

漬けが漬からなくならないか、いささか心配になった。

 

次の朝もやってみたが、反応はするが見切られ、来たのは手のひらサイズのコトヒキ。

これはこれで、ずいぶん久しい。

このサイズでも、ちびっとだけドラグが出る、そのくらいの設定にしてあるのだ。

 

 

そして、防災センターで仕事中、外からガコッと嫌な音がした。

ご老体の運転されていた軽自動車が、バックしてパッソに打撃を加えてしまう・・・

こうならないよう、誰も近くに止めないところを、あえて選んで止めていたのだが。

私の予想を超えてくるとは、恐るべし島の高齢社会。

 

もしかすると

オニヒラアジの釣果は、知らぬうちに幸運を大量消費してしまった・・ のかもしれぬ。

 

釣果に恵まれたいときは、あらかじめグリーンフラッシュなどで、幸運をチャージしてから・・

と謂う啓示なのだろうか。 やれやれ


ではまた