反則の冬鳥 カラムクドリ

 


 

世間の 流され

 

神奈川新町のトラック侵入事故・・・ 高架じゃなかったんだなぁ。

亡くなった運転手は67歳、わりと高齢なのに驚いた。

素直にルート変更できない、意地というか、意固地になるには充分な年齢である。

そもそも、なんでまた細い一方通行の道を、大型トラックで走ったんだろうか。

人生に関わる判断まで、一方通行になってしまったのは、間違いなさそうだ。

 

関東への台風の直撃。 もともと住んでいたこともあって、ライブで注視していた。

内地にしては、強烈な台風が上陸したことで、大きく深い爪跡を残したようだ。

水が出ない、情報がないと騒がれているようだが、店に食べ物があるだけだいぶ楽だ。 

高層難民となっている方々は、ただただお気の毒だが、これを機に、

災害に強い・・・ とは、どういう意味なのかを、行政任せにしないで自ら考えて欲しい。

ちなみに、千葉をはじめ関東の電柱は、島の電柱より弱い仕様だそうだ。

そもそも南国では、960hPaだと標準的な勢力で、ナニやってんの? である。

風速何十メートル吹こうが、水道も電気が通じなかろうが、島では波浪が収まらなければ

食糧も物資も、支援も届かない。

島も、島国も変わらない・・・ 平等な環境に近づいただけ、かもしれないよ。

 


 

9月上旬、ただ暑いだけの退屈な夏は終わり、渡り鳥が順ぐりにやってくる夏になった。

といっても、干潟に戻ってくるシギやチドリたちは、8月中にずいぶん増えていたんだが・・・

数だけで、種類の変化が乏しかった。

 

先月下旬から、ツメナガセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイの声が上空から聞こえていたから、

天城町総合運動公園の、陸上トラックの芝生をチェックすることにしていた。

今年になって、トラック外周のみならず、内側まで芝生が整備されたので、ポイントが拡大。

 

すかさずムナグロが飛来し、そこへ他の鳥たちが加わるイメージになるワケだが、

毛色なのか経路なのか・・・これまでと異なるシギが、連日飛来するようになっている。

当初はデカく見えたので、オバシギ幼鳥と勘違いしたが、アメリカウズラシギだった。

残念ながら、経験不足で成鳥なのか幼鳥なのかも判らない。

ユーラシア大陸の極北西部と、北米大陸の極北西部からハドソン湾西部にかけて繁殖し、

秋になればオーストラリアやニュージーランド、南米大陸南部へと渡っていく。

わりと、一年で地球一周するくらい飛ぶ、超渡り鳥の類いだが、ムナグロもそんなもんだ。

 

いつになくセイタカシギも。 オスもメスも貴婦人だが、幸い2羽ともメスで、本物だ。(笑)

台風のあとにウロつくことはあったが、炎天下に通う個体は初めてである。

外来種メヒルギが繁茂し、狭くなった干潟では、そろそろ採餌し辛くなったのかもしれない。

 

心ないシマンチュらが、マングローブに憧れて、河川もないのに植えた結果のようで、

塩分の濃いところでも生息できる株だけが、選択的に繁茂しているようだから、

文字通り、問題は根深いのかもしれない。

 

おとといの夕、この秋はじめてのカラムクドリを見つけた。

< 左の2羽はムクドリ幼鳥

時期的に、ムクドリの群れに交じってやしないかチェックしたら・・・ まんまと。

 

運動公園の北側入口にあるトイレわき、きわどいロケーションながら、定番のポイントである。

ヒタキやツグミ、ジシギの類いも、この周辺へ飛来する。

芝生があるのに、いつもほどんど日陰になっていているから、炎天も猛禽も防ぎやすそうだ。

 

ここ数年、ジワジワ越冬数が増えているカラムクドリは、実のところ反則的な連中である。

越冬とは、温かい土地で冬を越すことは存知だろうと思う。

一般的に、北半球の鳥たちは、夏に北上/高地で繁殖し、冬は南下/暖地へ移動するものだ。

けれども、近所に飛来するようになったカラムクドリたちは、この常識? が通じない。

< GoogleMap利用

中国南部やベトナム北部などで繁殖したのち、毎冬北上するようになった個体群である。

 

例外的な北上自体は、特に珍しいことでない。

鳥にも、保守的でなく、仲間たちと異なる行動パターンのグループが、少しずつ出現するものだ。

インドシナ半島中南部へ下ることなく、毎年のように冒険好き? が様々な地域へ旅をする。 

快適な越冬地や繁殖地を見つけ、分布を広げるために。

 

冒険者の一部は、大陸西側の島々へ進出し、フィリピン、台湾、はたまた内地などへ飛ぶ。

内地まで北上しても、冬場の食糧は乏しい。 特に昆虫など、タンパク源が。

 

そこへ来ると、沖縄や奄美はソコソコ寒いが、昆虫は見つかるし、草や木の実も多い。

さらに、大陸よりも、はるかに天敵が少ない快適性がある。

常緑の地域にしては、タカやハヤブサなどの猛禽類のみならず、ヘビ、トカゲ、キツネ、イタチ、

ヤマネコなどの捕食者が、圧倒的に少ない地域である。

 

とはいえ・・・ である。

国内では、石垣島以外で冬鳥の定番となっている地域は、わが家の周辺くらいなものだ。

奄美大島でも沖縄島でも、毎冬越冬する個体群がいるハズながら、移動範囲は広いからか、

なかなか見つからない珍鳥扱いになってしまっている。

 

 

わが家周辺に限定される理由は、2つ。

 

1つめ

ここら地元に定着している、内地ではフン害でお馴染みのムクドリがいること。

内地や東アジアで繁殖し、台湾あたりで越冬した個体群が、島で北上をやめて繁殖、

そのまま移動しなくなってしまった・・・ のだろうか。

伊仙町や徳之島町へ移動しないのは、空港周辺には、最も平地が多いからに違いない。

 

加えて

越冬数が増え続けている、ホシムクドリがいること。

餌場など島を熟知している地元ムクドリに合流し、学習することで越冬数を増やしている。

 

さらに

ムクドリ・ホシムクドリ連合に釣られて、通過していたはずの、渡りムクドリたちが合流し、

300羽越えの大所帯になることで、臆病なカラムクドリたちにとっても、安心材料が増えた。

 

2つめ

強い季節風にも安定したねぐらがあること。

火力発電所の煙突は高く、また敷地内の地上の天敵は、ニンゲンによって払われ、

構成している鉄骨は、頑丈で動揺することなく、風よけにもなる。

もともとは、スズメたちが利用しはじめたようだ。

冬の夕暮れ、煙突にはキュルキュル、チュンチュンと、数百羽の鳥たちで騒がしくなる。

いかなる丈夫な木であっても、コの字になった鉄骨内側の揺れなさ、風よけ具合は、

自然物では代えがたい。

 

なにしろ

鳥たちにとって、安全かつ体が揺れない・・・ 煙突ほど完全な睡眠が得られる場はない。

繁殖で利用する家屋や倉庫などでは、揺れこそないが、ヘビやネズミなどに狙われる。

それに、夜の鉄骨はさぞかし冷えるが、煙突からの熱がほんのり伝わっているだろうし。

 

 

けさ早く、カラムクドリの群れを見つけた。

ムクドリの群れと、とんとんの群れで、総勢で100羽を軽く越えていたように感じた。

いったん、ガジュマルを離れた10羽単位の群れが、しばらく経つと次々戻ってくる。

 

ムクドリたちの目当ては、ちょうど実りのシーズンを迎えたガジュマル。

下手をすると、喉を閉塞してしまうよで、デカすぎるとポイ捨てして、次を探す。

つついて崩す・・・ 発想はないらしい。

ひょっとすると、絶妙に不味いから、渋みを感じずに丸のみするのが正解なのかもしれない。

 

思い出した。

流人の島、八丈島では江戸時代、ヘンゴといって、シマテンナンショウの根をよく煮て、

つぶして餅のようにし、一口サイズに丸めた団子を丸のみしていた。

舌に触れると、シュウ酸でひどくエグイが、飢えをしのぐには多少の毒もガマンしたらしい。

テンナンショウはウラシマソウなどとも呼ばれる種で、サトイモ科だから、それなりに

デンプンが含まれているのだろう。

 

そういう意味で、植物は、あんまり美味しすぎる実をつけないのが望ましいと謂う。

ソコソコ食べたら嫌気がさし、次の植物を目指してくれれば、離れたとろに糞と種が落ちる。

一見、派手で小さなイチジクっぽいが、落ちたままになっているところを見ると・・・

たぶん、かなり不味いんだろうね、ネズミも食らわぬくらい。(笑)

都会だからと安心しているかもしれぬが、内地にはとてつもない数のドブネズミなどのネズミが、

都会から田舎まで網羅している。 民家に入り込まなくてもエサがあるから、気付かないだけだ。

島は人口もエサも少ないから、ネズミたちにとっては自然のエサも生命線なのだ。

 

とはいえ

渡ってきてすぐだから、よほど腹が減っているのかもしれないが、地元ムクドリも居続ける。

夜がすっかり明け、日差しが強くなったこともあり、茂みからほとんど出てきてくれなかったが、

まったく離れる感じがしなかったから・・・ ここで昼を過ごすのだろう。

 

ホンマのところは

ガジュマルの実は、不味さ以上に効率のいい食べ物かもしれない。

炎天下で、うろうろ昆虫を探しても、体力が失われるばかりだし、

これから繁殖するワケでも、渡るわけでもなく、ウダウダ過ごすだけだである。

とりあえず、渡り鳥たちにとっての、秋休みのようなものかもしれない。

 

昼も夜もしのげる、エサも日陰も、天敵の少ない枝もある、運動公園わきのガジュマル。

運動公園のまわり/空港のまわりは、うっそうとした茂みもなく、ほとんどハブなどのヘビが

途絶えてしまった地の利があるのだ。

 

 

さて

そろそろ天城町への渡りも安定してきたのも判ったし、ほどほど情報も集まってきたから、

天城町文化遺産データベースへ載せるタイミングかもしれない。

こんなにカワイイ鳥が飛来しているのに、知らないシマンチュばかりなのも気の毒ながら、

かと謂って、ネットに載せようが、広報誌に載せようが・・・ 金にも食用にもならない

野鳥を愛でようと思うシマンチュがどんだけいてくれるのかは、ご想像に期待する。

  

新聞に載せてもらうほどでもないが、町民や物好きにとって、放置しておくのも勿体ないネタ・・・

そういうのがイロイロ結構あるから、島での生活はオモシロくなってきている。

 

住んでいなければ気づかないネタ、島以外では役立たないネタ、島へ旅する人には面白いネタ、

そ〜ゆ〜ネタは、「シマの実家」 的な旅先を好むシマ好きにとっては、そそるネタかもしれぬ。 

移住するまえの、私がそうだったように・・・ ね。(笑)

 

誰が見つけたか・・・ なんて問題じゃなく、シマは愉しんだモン勝ちよ。


ではまた