ツランコー と アゴナシ

 


 

変わり果てていく世

 

そういえば、テレビを視なくなったからか、フォーミュラ・ワンが脳裏から消え去っていた。

このごろのマシンは、規制だなんだと、形状が変に複雑になり、デザイン的な魅力が

失せてしまったから・・・もある。

で・・・気付くとハロという部品が、コックピットの斜め上にぐるり装着され、妙な風采に。

先号で闘牛について記したが、世の人はスリルを求めて止まず、危険こそその原点だ。

リュージュやスケルトンといった競技もあるくらいで、道具はさておき、人類が命がけで

演じるスポーツのひとつが、エフワンだった。 のに・・・今や、デカいミニ四駆のよう。

追い越すエリアまで限定されているというから、もはや見どころすら限定されてしまい、

安心安全で安定したスポーツ?として進化したらしい。

エンジンはターボに戻ったのに、音は静かになったというから、優しさも加わった。

チームの維持費は増大し、観戦料はアップしているが、観戦といっても

高速で移動するスポンサー広告を、淡い期待を抱いて眺める感がある。

人類は文化文明を謳歌し満悦し、スリルなどという野蛮な感覚を捨てようと謂うのか?

さておき、視界の悪そうなハロ、旧ザクを思い出してしまった・・・

闘牛は勝敗にこだわらない、オリンピックもメダルを狙わない時代が到来するのも

時間の問題なのかもしれないなぁ。

人生とは、棒読みのように、穏やかに滑らかに過ぎゆく時代へ。(笑)

 

 


 

ところで

 

窮めてイライラするCMが、GYAOで流布され、ほとほと困惑した。

見苦しい上、キャンセルするまでの時間が、極めて長いのだ。

ポン人の世の中は、コレを許容できるのか・・・と、愕然。

あまりにも、ゴリゴリ押し押しな長いCMは、不快を助長することこの上ない。

そもそも、CHAIと称する女子たちの表情が痛ましい。

どこのプロパガンダだ???

コレを放映する意図が、まったく理解できないし、そもそも宣伝とは思えない悪印象。

 

花月爆笑劇場の合間のCMなら、もっと好意的でいられたかもしれぬが・・・

  

 

さてさて

島は関税でもかかっているかのように、物価が高い。

それでなくても、アベノミッキスとやらで、輸入品は高いのに。

 

鹿児島産の豚は、ブランドにコダワリがあるため、全般に高いのだ。

だからといって、いつも特売玉子と鶏ムネで過ごすわけにもいかない。

 

遂に手を出してしまった・・・ツランコー。 あえて漢字表記すると、面皮(豚)である。

Aコープの精肉コーナーに、フツーにパックで販売されている。

沖縄のように、もっと原型をとどめているのかと思ったが、そうでもない。

 

沖縄風に調理するなら、塩ゆでして柔らかめにしてから、野菜炒めに加えるのが

ソレっぽいが、旨味がないから味気ない炒め物になる。

他方で、ミミガーよりもボリューム感があるし、コラーゲンも大量摂取できそう。

人類の脳は、コラーゲンの大量摂取によって発達したから、大事な成分である。

 

ウチナーンチュに、どのようにして食べるのかたずねてみたところ・・・

ほとんど食べないそうだ。 やっぱり、見た目が気色悪いのかもしれない。

儀式的に、食べなきゃならん風習は残っている・・・のだそうだ。

のんびりというのはワガママでもあるらしく、どこのシマンチュも存外好き嫌いが多い。

 

なぜミミガーというのか、長年の疑問だったが、沖縄ではツランコーでなくチラガーで、

ガーは皮のことだったらしい。 ウチナーグチは、こちらの島口が、さらに変化したのが

わりとあるので、こうして少しずつだが語彙が増える。

魚で謂うところの、ガーラやミーバイなど、まったく意味が想像できなかった。

 

しかしまぁ、ミミガーは耳皮だろうから、耳全体が売られているのは違和感がある。

細かいことをウチナーンチュに求めるのは、間違いだが。(笑)

 

ツランコーは、やはりコラーゲン目的であるが、ミミガーよりはるかに利用しやすい。

ただ、疑念がなくもない。

ぱっと見は、とても不健康なトンボーローだが、逆に健康なハズなのだ。

皮の下にある、この分厚く白いところは、脂肪のカタマリじゃないのか???

しかしながら、炊いた汁には、あまり油は浮いてこない。

むしろ、少なくて拍子抜けなくらいだ。

 

実は

ハマっている理由は、皮を食べる事よりも、炊いた汁のコラーゲン量に・・・であった。

どうやら、柔らかく炊く間に、凄まじい量のゼラチン質が溶け出しているらしく、

煮こごりの硬さはかなりしっかりして、魚のソレとは次元が違う硬さなのだ。

ミミガーからも出るものの、さほどではなかったのを覚えている。

すき鍋や、味噌汁に加えると、ふくよかな風味になるので、絶賛研究中だ。

コラーゲンたっぷりのトロみ感が、止められなくなった・・・ようなのだ。(笑)

 


 

いつものようにゴロゴロしたあと、日曜の午後に、うろろ〜んとした気分で出かけた。

Oちゃんから教わった、大陸から飛来したらしい、スナアカネを記録しておくためだ。

偶然にも、現場を徘徊していたOちゃんと邂逅し、まんまと見分け方を教わったから

もうショウジョウトンボやベニトンボと間違えることはなくなった。

実にマニヤックな、常人の生活には不要だし、モテとは遠い情報だ・・・(笑)

でも、アカネというわりに目の下の青が鮮やかで、思ったより美しいから、気に入った。

Oちゃんはよほど気に入ったらしく、根こそぎ捕獲しようとしていたワケだが・・・

やはりイイ歳して昆虫好きなどという向きは、子どものまま大人風になった人物が多い。

 

そのあと、うっかり道なりに山へ走ってしまった。

ほんの少しだが、まだサクラが咲いているなぁ・・・とウカウカ撮影していた時、ふと気づく。

 

ありゃ゛!? じき、満潮じゃぁや!!! 標準語に変換していられない。(笑)

慌てて、浜へ向かう。 といっても毎度、時化でダメかもしれない・・・ と、期待半分だ。

 

開始は15:40、若潮の満潮。

マズメとは関係なく、浅い浜だから潮位の高さのみで釣るタイミングを決めている。

想像した通りのりウネリが入って、波打ち際は濁っている。

サーフィンには物足りず、釣りには面倒なウネリ。

這い上がる波が厳しく、波打ち際は20メートルくらい広がってしまうこともある。

満潮を過ぎているはずなのに、一向に波の這い上がりが収まる様子がない・・・

 

だたまぁ、ツバメコノシロが、少々の濁りで死に絶えるような連中でないことは

この数年の付き合いで、判ってきた。

大きく発達した目、そのまわりを保護するボラよりゴッツイ脂瞼(しけん)、ホウボウよろしく

センサーのように発達したムナビレなどなど、濁った砂浜に合わせて進化した感が満載だし。

 

南北に弓なりの浜は、900メートルあまり。 その真ん中あたりが、いつもの釣り場。

ポイントは、シンプルに濁りの少ないところと診て、竿を出す。

そんなとこじゃ、誰も釣りなんぞせんわ! というところが好ポイント。(笑)

 

ものの数分で、一匹掛かった。

30センチ台後半、このくらいのサイズが、もっとも元気がいい。

カンパチで謂うところの、シオ、ショゴのようなものか・・・やたらダッシュが鋭い。

シーバスタックルかそれ以上だと、ココでブチ切れるか、針が伸びるか、身切れする。

 

涼しい時期になると、水温が低いからか、ダッシュの回数も格段に減るから扱いやすい。

4インチのソフトルアーを、貪欲に食らってい、活性が低いとは謂えなさそうだ。

 

これまで、無駄にアレコレ試して、ほぼ釣り方の結論は出ているから、無駄はしない。

回遊するタイミングと、波による都度濁りの晴れ具合、ルアーの通過が一致すると掛かる。

ひたすら、波打ち際をじっくりじっくり丁寧に探るのみ。

 

実は、のんびり夕食で刺身を愉しめるタイミングに間に合わせるには、あまり余裕がなく、

実験などをからめている余裕がないのであった。(汗)

 

にしても来んなぁ・・・

 

目が良い魚種ながら、やはり暗くなるとルアーが見えづらくなるだろうし、

夕暮れが早まったこの時期、16時台にはずいぶん日が傾いて暗くなるから、心配になる。

他方、視力以外でも感知している気配もあるから、明るさを気にし過ぎるのもナンだ。

ナゾ多き生態だから、既成概念は不利になる。

 

忘れちゃならないのは、針研ぎ。

波でゴシャゴシャ舞う砂は想像以上にヤスリと化してい、マメにチェック+鈍ったらすぐ研ぐ。

ロスとせずとも、使用時間によってもジグヘッドはジワジワ消耗していく。

 

半時間くらい、チョコチョコとしたアタリがあるだけで、そろそろ切り上げるか・・・と

想いはじめた矢先、引き波で滞留させていたルアーを、強烈なひったくり!!!

手ごたえに一瞬遅れてドラグが派手に鳴り始めるが、数メートルで止まる、また走る。

常識的?セッティングだと、最初のダッシュでブチ切られるから、ドラグはユルめにしてある。

かなり重々しいが、引きやダッシュ自体はやや鈍め。 妙な魚がかかったかも知れん・・・

 

ヒラアジのように沖へ逃走しようとすることがなく、逆巻く波の中をぐいぐい逃げるから、

ラインテンションに気をつかうし、ずいぶんスリリングだ。

沖へ行かない習性なのか、体力がないから逃げられないのか、判断に苦しむ引き具合。

 

何べんも、ハンパに寄せ波に打ち上げられては、引き波で返す・・・を繰り返し、ヒヤヒヤだ。

ウネリが上がれば、魚も自動的に数メートル寄るし、引き波ではグィーと遠ざかり、

そこへ不意のダッシュが加わる。

柔らかいロッドだから、強いダッシュによるラインブレイクは防げるが、寄せるにはパワー不足。

不意の寄りでは、短さが仇となり、さっと立ててもラインテンションを保てず、

すっぽ抜けてきた日々も脳裏に湧いてくる始末。

ヤタラ糸を出されてはグレ釣りよろしく素早く巻く、の繰り返しに、

竿のタメが利けばなぁ・・・と口惜しさをかみしめながら、せわしなく魚に引かれ歩む。

いつものように、コンデジでロッドワークを撮っている余裕など、全くなかったのであった。

ようよう水揚げしてみれば・・・何のことはない、いつものツバメコノシロ。

大型ほど、結果的に念入りに弱らせたことになってしまい、暴れず記念撮影はキレイだ。(笑)

 

なんと謂うか・・・今もってフォルムに違和感満載て、エキゾチックな魚・・・だよなぁ。

一見して、中身が常識的な魚とは信じがたい。 けれど、分類ではスズキ目の一員である。

 

54.5センチ、1.4キロ。 太ってはいないが、地味に記録更新である。

コンディションが好い大型では背っぱりになるが、小さいときと変わらぬフォルム。

ヒレがやや小さめなだけで、まるでフォトショプで拡大処理したような感じだわい。(笑)

 

これまた貪欲にガッチリ食らっており、暴れるうちにソフトルアーが四散したようだ。

ナマズやシーバスのように細かな歯が並んでいて、ゆるいフリーノットのダブルラインが奏幸?

チヌの時もだが、意図的にダブルライン部分を長めにする。 糸だけに! イトだけに!?

ガボッと伸びる柔らかい皮に掛かることが多いので、やりとりが長いほど穴は広がり、

テンションを緩めるとフックアウトしやすくなる。

 

タックルは見ての通り、いつものソリッド穂先のシーバスロッドに、96バイオマスター4000XT、

ゼロハチPE、3号フロロの組み合わせ。

 

ソフトルアーは、テキトーにジグヘッドをセットしてあったヤツを用いた。

ウネリで波打ち際が長いから、3/16でなく、1/4オンスでないと飛距離が出ない。

派手な3インチと、リアルで地味な4インチの選択は、実に悩ましい。

 

磯でシゴ(したごしらえ)するときに胃の腑をのぞいたが、大きい方は何もなく、

小さい方はおそらく、もとは10センチはあるボラの幼魚らしきが半消化だった。

イワシ(ミズン)、メアジやムロアジが、ほとんど内湾に入ってこないから、

波打ち際を回遊するのは濁りに強いボラの類いか、ボーンフィッシュくらいだろうか・・・・?

 

内臓を出したりしていると、ミナミウツボが魚を直接食らおうとやってくる。

そうならないように、あらかじめエラなどを先にまいてあるのだが・・・

メーターオーバーで、急に視線に入ってくるとドキッとする。

連中は、魚だろうが私の指だろうが関係なく食ってくるだろうから、油断大敵。

しかも、何匹もうろついている。

 

せっかくなので、科学しとこう。

ツバメコノシロ名物? ムナビレにある5本の遊離軟条は、なにやら櫛状の構造で、

感覚器官っぽさが、観てとれる。

触覚のみならず、味覚とか嗅覚・・・あるいは、サメのような電覚?があるとか。

 

とある論文には、別種だがツバメコノシロの遊離軟条の働きが考察されていた。

そこにはムナビレの遊離軟条に触れた生き餌は、高確率で捕食したとあった。

ただ、かなり前方へ展開させていても、口の前までは届かない。

 

前々から疑問だったんだが、バックしないまでも、超急速にUターンして捕食・・・

という感じなのだろうか???

捕食は、透明度が低いほど下手になり、ルアーを止めてやらないと食い込みが悪いから、

かなり変わった捕食方法じゃなかろうか・・・と想っていた。

 

臭いや微弱電流、水流を感じれば、直接触れる必要はなく、エサと思った瞬間に

ガバッと開口して吸い込むスタイル・・・と考えれば、ギリギリ通過前に捕食可能だろう。

下に向かって大きく開く、他にあまり見かけない、特徴的な口でもあることだし、

アゴナシとも呼ばれるように、口がだいぶ後ろの方についているのも、合点がいく。

今のところ、シゴした個体からは、小魚しか出てこなかったから、見えにくい環境だと

ゴカイとかでなく、水流のハッキリした魚類を好んで捕食すると考えるのが妥当か。

 

比較的高速で移動するオニヒラアジが、濁り水のなかでも群れを崩さないことからして、

視力だけでない感覚を用いていることは、容易に想像できる。

個性的な姿には、個性的な生態が関わっていることは間違いない。

 

そういえば

これまで持ち帰った個体には、ほとんど卵巣があったように思う。

雄性先熟なんだろうか?  チヌのように、小さいのがオス、大きいのがメスと謂った具合。

 

 

問題は味だ。

少なくとも刺身については、残念ながら35〜40センチくらいが最も美味いと思った。

大きくなると大味になるし、身が柔らかめになり、やや臭みも出てくる。

それでもまぁ、シーバスに比べたら、臭みも少なく締まった身は数段美味いと思うが・・・

今回も刺身のタレに悩む。 なにしろ、ワサビが合わないのだ。

トラフグよろしく、ぽん酢とか・・・シマ風に酢で・・・と謂うのも味気ない気がするし・・・

そろそろフルゥ(ニンニクの葉)のシーズンだから、軽めのニンニク醤油でもこさえとくか。

臭みがないわりに、旨味がやたら強いので、甘いタレにも負けないと思う。

 

非常なほど上品で、旨味が強い刺身は絶品ながら・・・

クセがないというのにも限度があるらしく、魚としての風味/個性が薄いと、なぜか飽きる。

タレを、幾種類もハシゴするスタイルが好いような。 あるいはマヨ醤油とか。(笑)

カルパッチョにすると、上品を通り越すと思うが・・・

加熱すると、硬くならずフワフワした感じになるので、フライや天ぷらには向くと思う。

 

 

ゲームフィッシュとして、食材としても悩ましい、どこか煮え切らない感が否めないが・・・

浜の情況が厳しくなったお陰で、釣り方はいよいよ確立できたと思う。

濁りがある場合、さしものオニヒラヒラアジも来ないし、ボーンフィッシュやバラクーダも

鳴りを潜めるから、ツバメコノシロに集中できる。

 

イイ歳にもなったことじゃし、いぶし銀のルアー釣りを目指してみようかと思うたり。

食べられる、へら釣りみたいな雰囲気で・・・?

 

つい、新しい竿をポチっとしてしもうた。

 


ではまた