ようやく

 秋らしくなってきた

 


 

秋雲のゆくえ

 

生活していて、これほど足元のハシゴを外される感じがするのは初めてである。

たぶん、町営住宅のわが家は、来年度には建て替えになるだろうが、まだ通知もない。

一方で、町内には不動産屋がないから、家探しは絶望的であった。

はたまた、やたら野菜やガソリンをはじめ、物価が上がっている。

アベノミクスとやらは、やたら輸出産業とインバウンド思いだから円安は治らない。

 

知らなかったのだが、人口が我が国の7割くらいのトルコでは、ドバイの観光客が

ポン国内すべての数を超える・・・のだとか。

格式や品格を重んじるヨーロッパ人が訪れることからして、史跡や産品、食べ物などが

どれも歴史や品位に裏打ちされているのだろうし、他方でどこでもWi-Fiが使えるとか、

ハリーファの塔など、一見して無謀な投資の反面、外資ベースの自動車や家電などが

力強い将来性を示していたりするから、なかなか大胆かつ根強い動きを見せている。

おそらく、自国の技術の進歩は遅いものの、交易の要衝だっただけに、

商売、取引を転がす能力によって、様々な産業を活性化させるのが得意なのだろう。

 


 

ところで

週末、いきなりサクラが満開になっていた。

春まがいの風景だが心地好い。 晴天、半袖に乾いた涼しい風がそよぐ。

ただ、リュウキュウアブラゼミの金属音が玉にキズだろうか。

山中にある集落、当部(とうべ)にある「茶所あがりまた」のあたりだ。

ここらに植わっているのはカワヅザクラだから、ヒカンザクラよりも敏感に狂った?のだろうか。

存知だと思うが、ヒカンザクラとオオシマザクラの交配種だ。

 

気候は穏やかになっているが、フィリピンを襲っている台風があるために、

海にはウネリが入りっぱなしである。

 

 

さて、ようやく渡りが本格化してきた。

来月は、小学生の子らを案内することになっているから、野鳥が少ないのは気が気でない。

 

この秋というか、夏以降の渡りはとても貧弱である。

年々渡り鳥の様子が変化するが、この数年は減少の一途である。

ロシアの北方でナニかあったのか・・・あるいは列島ルートでなく大陸ルートを辿るのか、

とにかく減って減って、いつもは8月から群れで渡ってくるメダイチドリなど、皆無に近い。

本来? メダイチドリと謂えば、地場で繁殖するシロチドリよりも頻りなのだが・・・

 

唯一、多かったのはセキレイの仲間、ツメナガセキレイたちだった。

8月の終わりごろから、ひっきりなしに飛来していて、キッチンの窓からも、上空を渡る声が

聞こえていたほどである。

このごろは落ち着いて、内地でも馴染の、ハクセキレイやキセキレイが飛来しはじめた。

 

同じセキレイ科でも、窮極的に地味なムネアカタヒバリも堅調。

夏羽はムネアカらしいのだが、冬羽ではほとんど判らなくなる個体が多い。

近縁のビンズイと、ほとんど見分けがつかない。

タヒバリと謂うくらいだから、ひらけた草地にいる・・・のが違いと謂えば違い。

ビンズイは、必ず避難できる木立を背負う場所に飛来する。

 

そして

島ではカラスが駆除されたこともあって、とても少ないのだが、

冬場になるとカラスより目に付くのがサシバ。 猛禽である。

ネズミや大型のバッタを食べ、あまり積極的に野鳥を襲うことはない。

上海ガニの近縁種で、人気のあるモクズガニは、島でも人気だ。

島口でターガン、ター≒タカ/サシバが渡るころ、海に下りはじめ美味しうなるから。

鷹も高いもター。 高い松のことをターマチと呼んだりする。

矢羽に用いるから、サシバなのだとか。

 

同じころ

チョウゲンボウなど、ハヤブサの類いが入ってくる。

飛んでいたチョウゲンボウに鳴きマネしたら、旋回して庁舎に下り・・・

コチラをジロリ視ていた。 効いたか? 偶然か?

 

ものすごい羽音で通り過ぎるハヤブサ。

とかく、急降下して狩る伝説があるが、実はそうでもなく・・・チーターのように

高速で相手を追いつめて狩るほうが、普通なんじゃないか・・・と思う。

ちんたら上空を旋回していたら、そこらの鳥は警戒の声をだして散り散りに逃げ去ってしまうし。

 

おとといのこと。

いきなり大型のアジサシ、オニアジサシが飛来して驚かされる。

遺憾ながら・・・これまで、渡り鳥から予定をもらったことはないんだが。(笑)

横浜など東京湾では馴染みで、新交通の名にもなっている、ユリカモメより大きい。

新交通って、いつまで謂うんだろうなぁ・・・電車とバスとモノレールのあいのこのようなヤツで、

鉄路でなくコンクリの道、電気で走る車だから電車でもあり・・・

実は、同時に飛来していたから比較は楽だった。

ユリカモメは、島では珍鳥に値する。

 

さっきのオニアジサシかと思ったら、更に同時にソリハシセイタカシギが飛来していた。

プカプカと泳がれるシギは珍しい。 細長い足の先に、イイワケ程度ながら水かきがある。

 

オニアジサシほどのレアモノでもないらしいが、ここらではではいづれも稀にしか飛来しない。

ひょっとすると・・・湿地などでのんびり採餌するソリハシセイタカシギに対して、

オニアジサシは、飛んでいる時間が長いのと、休む時は人気のない岩場などでジッとしているから

大きさの割に目立たないのかもしれないなぁ。

 

ラッキーなことに、風向きと潮加減のお陰で、トリトリデッキのまわりをオニアジサシが飛ぶ。

なんと!?

口にしているのは、おなじオニ族?のオニヒラアジ。(笑) 

 

オニヒラアジは、オニというほど大きくはならず、ロウニンアジやカスミアジよりも小さい。

今年は東海岸がずっと時化つづきなのと、その影響で遠浅になってしまったことから、

まったく釣果がないのが寂しい限りだ。

前回の台風以来、トリトリデッキ周辺のイノーには入ってこなくなった、とゆ〜か・・・

ボラなども、回遊が極端に減ってしまった。 

 

地味なのだが、これまでの9年半で最も多いクロツラヘラサギが定着しはじめた。

これまでは、ヘラサギとの混成の記録だった。

うち2羽が成鳥で、そのうち1羽が翼が折れて、長距離を飛べないヤツのはずである。

飛んで帰ってくれれば、謂うことはないが・・・

 

山手にあるかんがい用の貯水池が、無意味にアシが伐採され、しゅんせつされず放置された。

ナニが奏功するかわからんもので、エセ干潟?が登場してしまって、小さな珍鳥が飛来している。

スズメほどのシギ、オジロトウネン。

私にとってはずいぶん久しい鳥で、先のどの種よりも珍しい。

ただ、世間的には違うようだから、おそらく内水面にコダワリがあるのかもしれない。

いづれの鳥たちも、ほとんどが内水面か河口域の湿地を好むから、

塩分濃度の濃い、トリトリデッキ周辺は苦手なはずなのだが・・・背に腹は代えられぬらしい。

 

きょう、たまたま運動公園に、ムクドリの群れが来ていた。

もしや・・・と感じたので、レンズを向ける。

数十羽の群れのなかに10羽くらいホシムクドリが混じっていた。

国内では、かなりのレアモノだが・・・わが家の周辺限定で、なぜか冬場に飛来する。

ウンブキアナゴにしろ、島に定着しているムクドリにしろ、なぜかわが家の周辺だ。

内地で不人気のムクドリたちが住み着いたから、毎年ホシムクドリたちもやってくる。

偶然が重なるコトはあるのだろうが・・・自然の奇遇が、あまりに不自然な感じがする。(笑)

 

このごろ、内地の秋らしい晴れの日が増えた。

しかも大気は濁っているから、適度に?夕陽が赤くなる。

どこだ? ココは。

 

とても庁舎には見えんなぁ・・・私はココを、バクヤチマと呼ぶことにしている。

なかなかエキゾチックな語感で、いい名だと思うんだが。(笑)

 


 

そういえば

クルーズ船の旅客のために、港にWi-Fiを整備するというウワサを耳にした。

いや、そんなことは誰も望まんのだが・・・ それに乗ってくるお客はパケ代は問題ではないが、

貧しい島の役人にとっては、大切だと思ったのだろう。

毎月のように、家族でパケットの奪い合い・・・とか。(笑)

 

ワシだって、小笠原に行ったころは、FOMAカードでジャブジャブにパケット使ってたし。

旅行中のパケ代なら、2〜3万くらいナンテコタない。 今はムリじゃが・・・(涙)

 

お客さんは、むしろハードなんぞど〜でもよく、島らしい文化やコンテンツを望んでいるのに、

シマンチュは、旅の概念が都会のハコモノ見物に限られるから・・・

クルーズ船のカネモチが島に来る気持ちなど、想像の至らない彼方にあるらしいのだ。

 

仕方ないコトではあるのだが、なんぼハコモノやインフラ、港を整備しても、

魅力のない地域には人は来んのよなぁ゛〜。

マーライオンみたいなの、なんぼこさえてもなぁ・・・

 

特に徳之島は、いかなる面からも中途半端な離島である。

奄美大島でも沖縄本島でもない。 長寿子宝といっても、健康食の文化など廃れて久しい。

離島のくせに、まともな魚料理も供されることなく、豚ばかり食らう民族。

外食産業も絶望的に不味い。

闘牛といえば勇ましいが、戦後にメタボ牛を喧嘩させて狂気し、賭博に勤しむ習慣が定着した。

もとは農閑期の祭りのときに、農耕牛を争わせ、勝負の決着はさせなった。

 

くれぐれも、安易で短絡な民俗に満ち満ちており、ソコが逆に魅力?なのである。(笑)

 

集落ごとに、内内で開催される昔ながらの祭りは、色濃く伝統が残るものの、

対外的に派手に見せるようなものではなく、身内で祝う系統のものである。

子らの成長を祝ったり、男女がオトナの唄を交わしながら、相手をさがす場・・・

だったりした名残である。

薩摩藩の砂糖地獄時代に、派手な祭りなどできなかった・・・名残でもある。

 

先日

元町議の翁が、自慢げに、誇らしげに語っていた。

喧嘩賭博させるためのウシを散歩させるのが、島の風物詩?なのだが、このごろは感心なことに、

スコップを持ってウシのあとを歩く子らがいる・・・と謂う。

これまでは、道路に放置だったクソを、子らがスコップで道路外へ投棄するのが立派だ・・・と。

年功序列だから、子らは先輩のようになるまでは、先輩に従うしかなく、クソを隠蔽して回るのだ。

高速鉄道が脱線したら埋める・・・ ほどでないにしろ、シマンチュはそ〜ゆ〜民族性なのである。

もちろん、条例で家畜の落とし物を放置することは禁止されているのだが、解釈はこのとおりだ。

 

こ〜ゆ〜シマンチュらしさが、天然反面教師の、愉快なコンテンツになっているなぁと日々思う。

極めて情けは篤く、モラルは最低、このギャップが旅人の心を刺激すること間違いなし!!!

とゆ〜か、私もその一人であり、移住してシマッタわけで・・・(笑)

 

やはり

問題は、心地よさが感じられにくいから、リピーターが少ないコトだろう。

一方で、ハマってしまって、毎年おとずれるお客も、わずかながら居るのも事実である。

なんと謂っても、日本語こそ通じるものの、中身はまったく日本らしくないところがスゴい!

 

秋、それは、島にとってナンの意味もない季節だ。 9、10月は、体育祭が目白押しの季節だが。

ナイトツアーをやっても、ほとんどスカばかり、美味しい魚介もない、祭りもない。

これほど清々しい季節ながら、シマンチュは風邪ひきが増えるばかりで、ただ沈黙の時節である。

 

鳥たちの渡りは、別として・・・

 

個人的には、私の身の丈で、なんとか当地を野鳥で名を知られたいと念じている。

ホントは釣りなんだが・・・そちらはハードルが高そうだし。(汗)

 


ではまた