小ぶり な初物

 


 

世相のみぎひだり

 

60歳台で、アクセルの踏み違い事件が相次いでいる。

単なる踏み違いとは信じがたい事態にも・・・感じられて仕方ない。

ひょっとして・・・介護過労で、ヤッチマウようになったのではなかろうか。

あるいは、年金支給の減り具合によって、過労が積もったのではないか。

問題の根底は、若手期待変調社会が限界を超えているのに、そのまんま

ダラダラと社会が停滞しているためだ・・・ということは明らかである。

だからといって、急に変われるか! と誰に憤慨するか知らぬが、未来が消えている。

今を生かすより、将来を生かすことの方がはるかに重要である。 生物にとって。

役に立たぬ長生き生物が増加する将来、しかもAIにより仕事は減る。

 

近所に新築の家が建ち始めた。

基礎のコンクリを打ったあと、いきなり柱を立て始めた。 やっぱりか・・・

そこはフツー、配管を配してからだと思うが、島は今もって建ててから穴を開けてる。

あまつさえ、水道の屋外配管は塩ビだったり。(笑)

島にはまだまだ、品位とか品質という概念が薄い。

それは、おもてなしにおいても同様だ。 もてなす気はマンマンながら品がない。

 

ポン人の大半が理解に苦しむ、崇拝と妄信・・・

ようやく原因がわかってきた。

家族すら裏切る、あるいは家族全てを失ってもなお、

生きる希望と反抗心を失わない高まいな目的意識と、もの謂わぬ存在による

意思の画一化が必須だった過去があったのだ。

ウカツな二代目三代目であっても集団を率いるにリーダーは、架空の王が不可欠だ。

ダメな王であっても、王も民もみなカミに尽くすよう誘導すれば、バカでも従いやすい。

すなわち、カミはニンゲンどうしの殺し合いが産みだした歪の結晶、エア皇帝である。

 


 

きのう、ようやく平均風速が5mを切ったうえ、穏やかに晴れた。

きょうは外来種の駆除があるから、きのう釣るしかない・・・と決断するほかなかった。(笑)

すなわち

釣り魂はノリ気でなく、うだうだ状態ながら、チャンスはソコに収束していた。

私のノリ気よりも、チヌの正しい機会を捉えるのに相応しい時節らしかったのである。

 

なにしろ

チヌたちは大胆に移動できる魚種でなく、正月以来の時化でヤキモキしていた。

イノーは外洋に比べ極端にエサが多いが、深場でチマチマ採餌してきたに違いない。

そこへ久しぶりに凪が訪れたのだから、卵を持つ、待ったなしの母チヌにとって、

明日の方が、もっと穏やかだ・・・などという余裕はないのである。

  

この機会を逃さぬため? なぜかまたヒロセマンの動画を眺めて予習しておいた。

内地のチニング・・・口にするのも恥ずかしい貧相な名だが、

和歌山の釣行を眺めて2種の釣りを頭に入れた。

連続したシャクリ、リアクションで食わせるスタイルと、ズルズル引くだけの地味なスタイル。

大胆に技を二分しているあたり、実に釣り業界的に合理的だと思う。

 

細分化しても、初心者がついてこないし、達者でも迷いが多くなるほど不利だ。 

選ぶ余裕と、迷わぬ選択肢は、確実な判断材料に乏しく/証明し辛い事象において大切だ。

あとは経験だけがモノを謂う。

 

とはいえ

目の前iにいる魚を眺めるだけの釣り人は、間抜け以外の何者でもない。

本来なら釣るか帰るか、何れかに至るべきである。

ただ・・・私はジロジロ観察したり、小石を投げたりしている。

 

島では、どうせ仕事しても美味い魚は購入不能だから、釣るのも仕事だ。(笑)

 

ところで

人類は、合理的に経済活動をしはじめたときから、宿命的な思考をせねばならない。

お客の立場で考える・・・ことだ。

釣りにおいても同様で、ルアーやエサを食らう魚の立場で考えることが愉しい。

釣り伝説でもっともメジャーなのが、朝夕の満潮一歩手前が食う伝説だが、万能ではない。

だいいち、仕事もしない魚が、朝夕二食と決めているはずがない。(笑)

 

徳之島において、2月いっぱいが産卵期のようだから、荒食いの限界は、あと半月ほど。

ここ2ヵ月、ほとんどが強風で荒れ模様、豊かなイノーで採餌できなかったチヌのメスたち。

私はオスだから、子を腹に宿した状態の空腹度合いなど・・・想像を絶する。

 

きのうの午前は、チヌが1、2匹ずつ泳ぐ姿がチラホラ。

こりゃイケソウなのと、前述のように、きょうはムリという事情から、仕掛けをセット。

いつもと違うのは、ハリスが細く、フロロカーボン2号。 それにヤル気もだーだーだ。

 

だーだーついでに考えていることがあった。

ヒロセマン動画にあったような、ソフトルアー用の適度に軽いジグヘッド?みたいのは

もちろん保有していないが、似て非なるズルびきコーンはある。

ならコレに、サッパリ信用ならぬ夜光グレーのソフトルアーをセットしてみては? と。

 

図に当たりすぎた。(笑)

私の姿に気付いてピヤっと移動したチヌを見送るうち、心が落ち着きを取り戻したころ・・・

たぶん、無駄に移動していないだろうと、キャストした結果である。

 

これまでやったことのない  チョン 沈め  チョン 沈め といった

リアクションバイトを誘う釣りに、まんまと追尾し、見ている先で食らいついた。

北風に吹かれ、トリトリデッキ下の日陰に仕掛けが入り込んだのも奏功か。

 

細ハリスなので、ドラグはユルめ。

遠ざかりざまドラグを鳴らしつつ、トリトリデッキの角を曲がろうとする。

魚類には長年培った「何かに掛かると障害物の向こうを曲がるロジック」があるらしい。

体にからまった何かを、取り去るためだろうか。

 

ここは柵が巡らされており、柵の基礎のコンクリに足をかけ、その上から乗り出すように釣る。

慌てて、柵の根元にかけた足でカニ歩きしながら竿を立て、追尾する。

 

んが ・・・ パツン!  あ゛ ・・・

 

仕方なく、トリトリデッキの角まで進み、さっきのチヌがいないか眺めたら、

案の定ルアーをくわえたチヌが、スイスイ泳いでく・・・    あ゛〜あ゛

 

落胆は、ひとしお。

 

何が悪かったのか暴走的に脳を回転させ反省しながら、視線はチヌを追ってしまう

 

あれ゛?

 

ルアーにつながった糸の行方が・・・空に向かって伸びている?!

パツンは切断でなく、柵にのどこかに絡んだ糸が解放された感触だったらしい。

リールを巻き取ると、チヌの泳ぎが伝わってきた。

 

落胆のどん底から、幸運のさなかへ飛び上がった心持ちは、興奮の頂点であった!

さして大きくないが、細めのハリスでスリル満点。 チヌはコレが愉しいのか・・・と覚った。

たかが1キロ程度と思っていたが、見た目よりもズッシリ重い。

どうやら右目が不自由らしく、目つきが変である。 左目は正常だ。

左しか見えないから、トリトリデッキの角を左折しようとしたとか?

 

こりゃいけそうだ・・・

それに、お世話になっているF本さんとこに届けたい気持ちもマンマンだ。

それはおそらく、100%言い訳でしかなく、たった一度のキャストで釣られ・・・一発必中。

幸運に酔いしれつつも、物足りなかったのだ。(笑)

釣り開始後から、5分後だったし。

 

キッチリとシメてからスーパーの袋に納め、再びイノーを見渡して、じきチヌへキャスト。

しかし、確認に来て、ピヤっと嫌がられた。 やや小さかったから、神経質だったか?

 

なぜだ? まるでフックを見つけたかのよう。

あるいは、ソフトルアーのニオイが嫌がられたか?

 

先ほどのように日陰でないからか、個体による性格差や体調差か、斜め糸の見え方か、

チョン、チョンがキツいアクションすぎたか? 反省が脳内を錯綜する。

 

今度はよう壁沿いにチヌがやってきたから、やや沖へキャストし、速巻きして追い付き

よう壁とチヌに並行して引いてみる。

慎重に チョン 沈め チョン 沈め ・・・ かなり興味を示し、今しも食いつきそうだったが、

しまいに見切り、ピヤっと去っていった。

 

直後

いささか閃いたので、去ったチヌの5m先へキャストし、2mまで接近させて着底。

じっくり待ってルアーもハリスも心もしずめ・・・つかみは成功。 チヌはルアーを見つけた。

イノーの透明度は高く、先の手本2種にないリアクション誘因が、この手法である。

 

サイトフィッシングなりの攻め方だ。

ハリスをじっくり沈めるのは、斜め糸を嫌うから。

そのために通常なら1mくらいまで近づけて着底させるが、間をとってみた。

 

さて・・・チヌは気付いて、まんまと寄ってきてくれた。

今度は落ち着いて、思い切りスローで ズル ズルルル ズル ・・・ ゴリゴリ?!

 

ルアーかフックをガリガリかじるシーンと共に、手ごたえが伝わり、

さらには、糸電話のように伝わった振動が、薄い手元のブランクスを鳴らしていたようで、

本当にガリガリという音が聞こえていたのは驚きだ。

 

多少迷いはあったものの、口にふくんだところで竿を立ててみると・・・ フッキング。

 

ラッキ〜♪ 引く引く〜!

 

一度見切られても、やり様によっては食らいつくんだなぁ。

先ほどもそうだったが、以前釣った大型のよりも引きが強く感じられる。

正確には、引き自体は相応だが、ダッシュ力が強かで、粘り強く泳ぎ続ける。

スタミナがあって、パワーの自足時間が長いイメージ。

 

40センチ・・・ニンゲンの16〜25歳前後に相当し、

体力の頂点にあたる、充実した歳ごろかもしれない。

もちろん、水温が高い地域では成長が早いから、より大き目が頂点になろう。

 

腹の膨れ具合は、食べすぎ?のためだが、魚体が一際キラキラした雰囲気だ。

この体高とデップリ感が、ノッコミ・シーズンらしいチヌの風格である。

鼻先と尾びれの下が青いのが身上で、地味に美しい。

 

先の個体が40センチ、後のが41センチ、ともに1.3キロほどだった。

キロ程度と想ったら、3割も重いのだから、ズッシリなはずである。

タモ網片手に記念撮影も楽じゃない。(笑)

 

今回はこれで、お土産もバッチリそろった。

釣り開始が9:39で、2尾目水揚げが10:03。 平日の正しい遊び時間である。(笑)

 

キジの海岸で、真子を丁寧に残してシゴ(下ごしらえ)し、F本さんへ届けた。

真子は下手に摘出しないほうが、漏れたりふやけたりせず、いただける。

 

はらわたを占めていたのは、ほとんどアオサ(おそらく養殖のヒトエグサ)だった。

卵を成長させるにはタンパク源が必要で、もっとエビカニ類を摂りたかったに違いない。

上(北)にある松原漁港のところだけが、海水の入り口。

下の円内がトリトリデッキのある角地。 その左の空母の様なのが空港。

イノーの北ほど砂地でアオサ養殖が盛ん、南のどん着きほど泥底となる。

南ほどエビカニが多いから、ルアーの食いもいい・・・ハズなのだ。

けれど、昨年から入ってくるチヌの数は激減している。

昨年は、一尾も口にできなかった。

 

久しぶりに、ヤッキリにしてみた。 二日目に。

カツオのたたきの、皮だけ焼いたバージョンのような調理法だ。

しっかり焼いたはずが、思ったほど焼けてなく・・・皮がコリコリ硬めで、なかなか美味い。

二日目だけに、身の旨味は増したものの張りは和らいで、モッチリに。

思いのほか、モッチリとコリコリの相性は抜群であった。 恐るべし、ヤッキリ・・・

 

ちなみに

刺身ではニオイは薄かったが、あら汁ではアオサ臭が漂っていた。

まるで旬のアオサを加えたような風味で、いささかトクした気分である。(笑)

脂のノリは、それほどでもなかった。 寒さが厳しく、エサが乏しいせいだろう。

 

ともあれ

そんなこんなで今回は4回投げて終了してしまった。

釣りに長ずると、つまらんなぁ・・・(笑)

いやいや、もともとサイトフィッシングとは、そういうもんである。


ではまた