ガセネタ、充実

 


 

自分の思い込み

 

エゲレスがEU離脱・・・そんなの、不況のままの離島生活には、ど〜でもいい。

ポン政府が、間の抜けた政党交付金をやめれば、カバーできそうなものだ。

戦後の世、そろそろほころびが大きくなって、ひと騒動ありそうな雲行きである。

北はミサイルモドキを発射し、チャンはロケットを開発した。

ロシアは水面下で何をしているやら。

メリケンはそろそろ、虎の子のUFO技術を応用してくる頃である。

 

問題は、ごく身近にある。

社会人としてまともに労働できない友人の保管計画を始めて、かれこれ4ヶ月。

きょうもヒマそうに伸びをしている。

なまなかでは、保管どころか矯正できそうもない・・・

大学を出て20年、南国をブラブラしていただけなので、多少の知識はあっても、

生活そのものは夏休みの小学生と同じで、まったくヤル気も働く気もない。

店屋物を買って食うばかりで、今や顔は土色である。

世の中のプレッシャーというものを受けたことがなく、精神力がゼロなのだ。

いかんせん、役場はタイムカード押せば給料が出るから、

モチベーションとかノルマとか関係ない風な職場。 それがどうも悪いらしい。

どうしたものか・・・このまま老人になったら、ただの穀ツブシでしかないが。

 

トライアスロンが迫っている週半ば、急に永ちゃんの立て札や垂れ幕が並んだ。

シマンチュがそれほど永六輔氏が好きだったとは・・・いや、そっちでなく矢沢氏の方だった。

運動公園の野球場でコンサートをやったらしい。

なぜ、役場職員が準備を手伝うのか・・・私には理解できない。 これが公共の利益か???

 

週末、買出しにホームセンターを訪れたら、想像以上の車の多さ・・・

なんと、ヨシギューの移動販売が人気らしく、それで車が多かったのだ。

島は人口が少ないので、定番メニューのみでは飽きられてしまうから、移動販売は有効らしい。

 


 

人工物は、時として特殊な環境を実現していることがある。

トリトリデッキ周辺は泥が深くたまった、だらしないイノーだが・・・生物は豊かである。

しかも、ズボズボはまる泥に降りなくても、いろいろアプローチできる。

 

通常、マングローブに生息する生物を身近に眺めることは難しいが、

私は近所でいつも眺めている。

眺める時間帯や潮位によって、まだまだ知らないシーンに出逢うこともある。

ブロガーというのは哀しいもので、ネタ集めが習慣になってしまう。

んまぁ゛〜 それが観察のチャンスを増やすのだから、動物写真家には悪習ではない。

 

このごろ

さまざまなシーンに慣れ、飽きてきた感があるが・・・それでもネタは欲しいから、

とりあえず空き時間に海辺をウロウロすることが多い。

山の方が、島らしいネタになるはずだが、山には美味い食い物がないからだ。(笑)

 

気になっていたのが、夕にガセ=ノコギリガザミのオスが甲羅干し?するシーンだ。

日中に甲羅干ししている場合もあるが、夕にはあちこちで見られる。

 

右には大型のオスで、左には別の個体の呼吸で、湧き水のような波紋がある。

穴の中に潜むのが、ライバルなのか、はたまたメスなのかは判らない。

 

甲幅16センチはゆうにあるオスが2匹、穴のわきで呆然としている。

手前のオスの左ハサミが失われているから、争いの後なのかもしれない。

 

中途半端な位置で、よく穴に沈まぬものだな・・・と思ったら、メスを抱いている。

このタイミングで、メスを抱いていたのを観たのは、初めてのこと。

水中を歩いているところを、一網打尽に捕まえたことがある。

 

ちなみに、観察しているタイミングは、午前中に満潮が来たあと干潟が続いた夕、

しかもこのあと、2〜4時間は満ち潮が来ない状況での出来事だ。

 

イノーには歩いた跡もついていないので、ブラついているわけでもない。

総合するに・・・満潮のうちにメスの巣穴にオスが押しかけて、交尾を迫る。

しかし穴の中の水はさほど多くなく、代謝の多いオスは酸欠に耐えかねて外へ・・・

という顛末だろうか。 あるいはメスがヒステリーで追い出してしまう・・・とか?

 

トライアスロンが近づくと、カニを好む珍しいアジサシ、ハシブトアジサシが飛来するから、

ガセを眺めながらハシブトアジサシの飛来を待っている。

 

金曜の就業後も出がよかったのだが・・・ゴミかと思ったらまさかのオス。

巣穴もなく、全く逃げ場がない状況・・・ど〜ゆ〜こと?

よほど恐ろしいものから、おっとり刀で逃げてきたとでも!?

 

足跡をたどると、よう壁にへばりつくようにメス。

どうやらオスがタジタジとなったのは、メスが恐ろしいチカラを持っているからのようだ。

しつこいオスにぶち切れたメスが甲羅で発勁し、オスが背後にビタン!と叩きつけられた・・・

という顛末のようだ。 しっかりオスのカタチがついている。 恐るべし!!!(笑)

 

あるいは、オスがメスを押さえ込んで交尾した跡・・・だろうか?

カニの交尾は腹合わせになる必要がある。

発勁だったら厄介だな・・・調理のとき触っただけで指や歯ブラシをへし折られそう。

にしても・・・いつからこうしていたのやら。

 

考察はさておき、タモ入れに勤しむ・・・

潜る穴もなく楽勝に思われたが、さにあらず。

 

オスはむき出しに見えるが、ヒレ足を泥に食い込ませていて、根が生えたように動かない。

幸い網に絡めて引っこ抜く策を思いつき、揺さぶりをかけて足を浮かせた。

ひときわ強く網の枠を挟んだときに、エイやっとぶらさげて陸揚げした。

6m先にぶら下がると、1キロなくてもかなり重い。

玉の柄は、母島で日本記録のヒレナガカンパチを水揚げした・・・アレである。

長いが腰が強く、チカラが入れやすい。

バブル時代の流れを汲む、無駄に丈夫で高価な玉の柄だが、本当に役立つ。

 

メスはさらに楽勝だと思われたが、想像以上に根が生えていて、びくともしない。

しかも大雑把なオスの攻撃と異なり、的確かつ俊敏にハサミを繰り出してくる。

チャキッ!と音がするのだ。

まるで、ハブの攻撃並みの俊敏さである。

ハブはタメがあるが、このメスはモーションなしに攻撃してくる感じである。

幸いハサミに網が絡んでくれたので、斜め方向に移動して絡みを活かし、引き抜き成功。

泥に枠をめり込ませるようにしてジワジワ揺らし、なんとかすくい取って、タモに収めた。

 

あんまり泥だらけなので、運動公園出口にある、誰も利用しない水飲み場で洗う。

手前がメスで、ハサミが小さい。

泥は流れたが、保護色だから泥色である。(笑) アミメノコギリガザミだ。

オスは甲幅14.5センチ、830グラム。

メスは13cm、400グラム弱・・・オスのハサミの偉大さ?がわかる。

金額にして市価の六千円あまり。

 

さて

この度わざわざメスまで捕獲したのは、純粋に食べてみたかったから。

それにオスは、以前お世話になった人妻に献ぐと約束してあった。

 

最初にオスを下茹で・・・メスの発勁がよほどこたえたのか、弱っていたので楽だった。

しかし、メスはとても元気で、攻撃が俊敏なので手ごわい。

イケス?のタライのなかで、シャカシャカ逃げ回り、ボウルに入りづらかった。

とはいえ、真水で弱っているようで、そこそこキレイに歯ブラッシングできた。

鍋に移し、湯を注ぐぶんだけ蓋をずらして置き、お湯を注ぐ。

その瞬間、ガチンと蓋をたたいて、ほとんどの足を自切してしまった。

元気なガセは、そういうものである。

付け根から旨みが出てしまうが・・・考えようで、足がなくなればこっちのもの。

これまでなら引き続き茹で続けていたが、汁が白濁する前でやめ、さっそく割ってみた。

オスは下半分が白い筋肉なのだが、メスはミソ?が詰まっていて期待がふくらむ。

茶色のところが背中側で、次の甲羅のベースとなる、脱皮に備える皮である。

 

早速、味噌汁に炊いてみた。 アクのように見えるのが、体液の旨み成分。

残念ながら、数時間置いたほうが、旨みがなじんで汁は美味くなる。

 

だが、すっかり時間を食ったが、晩飯は食ってないので、すぐさま食べてみる。(笑)

フンドシの内側にあたる部分の内臓だから、内子かな? あるいは内子のもととなる器官。

濃厚なミソ・・・でなく、ミソと玉子の黄身を足したようで、ほっこり優しい味わい。

メスは甲羅の裏側にもミソがついていて、これまた美味い。 オスは薄皮だけなのに。

肉の量は圧倒的に少ないものの、味は勝っているよう。 (少なくともこのメスについては)

メスは捕らないようにしてきたが、たまには捕ろうと思うようになってしまった。(笑)

 

あくる朝、食べガラの味噌汁でうどんをこさえた。

いつものようにニンニクパウダー、チューブショウガ、コショウ、それと生の島唐辛子。

ネギとゴマをトッピングただけのシンプルなうどん。

すっきりした辛さが、ややあっさりなカニの出汁とよく合っている。

 

なぜか都合よく、平たい島原うどんの在庫があった。(笑)

我が家には何種類の乾麺が眠っているのだろう。

思い起こせば・・・うどん4種、素麺3種、冷麦1種、そば3種、パスタ3種・・・

あらためて勘定してみると、えらい多いなぁ。

稲庭うどんとか、ペンネリガーテとか、それぞれ捨てがたいのだ。

 

カニ飯は炊き損ねたが、メスはそのまま食べるのがいいようだ。

オスは肉がどっさりあるから、カニ飯もいいだろう。

 

またひとつ、観察で実益が見つかった。

 


 

ところで

人妻に貢いだところ・・・お茶請けをいただいた。

クージマの油味噌。 塩っぱいからか、炒り玉子も入っている。

茶請けのみならずオカズにもなるわけだが・・・贅沢すぎるお茶請けである。

油味噌は、奄美独特の茶請け味噌に、油で揚げた落花生のほか、貝類のこともある。

こうした脂質が多く、ハイカロリーで濃い味の食生活が、島の長寿を変えてしまっている。

 

クージマは、磯にへばりついているゾウリのような貝、ヒザラガイのことだ。

丁寧に処理すると、トコブシより味がある上、数を得やすいし

オニヒザラガイはトコブシに匹敵するほど大きい。

 

お土産には、たっぷりとラッキョの塩漬けをいただいた。 これまた塩っぱい・・・

甘酢漬けもすすめられたが、我が家はご飯よりオカズの量が勝る食生活なので、

漬物類が出る幕がない。 なので、日持ちするから、また次の機会とさせていただいた。

 

農作業がきつかったころの風習だろうが、そうでなくなった今も残っている食文化。

あまり健康的ではないが、食文化が失われるのも歯がゆい。

 

内地の食文化も狂いきって、もはや和食が何なのか危うい。 島も例外ではない。

島の食材は魚類以外はいろいろ豊富だが・・・健康と結びつかぬところに難がある。

ほうれん草代わりの、ハンダマ(スイゼンジソウ)などもあるが、若手には食べられてない。

 

沖縄も含め、もはやゴーヤも嫌われ者。

もとより、下ごしらえが難関のガセも調理できるシマンチュはほとんどいない。

仕事が忙しいから・・・肉と玉子とキャベツと油と糖分の生活・・・では、

ますます子らが育ちづらいし、アレルギー体質が加速してしまう。

スーパーの食材には、大なり小なり薬剤が含まれるからだ。

 

得やすい栽培や養殖食材とともに、得難い野性の食材が手に入る島は、

より健康に近いところに位置しているのだが・・・ニンゲンの偏った好みは、直りにくい。

 

栄養価を味と感じられる感覚を得られぬ限り・・・無駄に長生きする老人が続出する。

不健康な食事で弱体化し続け、無駄に資源を費やし、医学と医療保険で無駄に延命される。

若手が生きづらい社会・・・それは、摂理の働きであるにしろ、苛烈な未来でもある。

 

お気楽なこのログも、なかなかハッピーエンドは難しい世である。

エゲレスの若手も、無駄に長生きする多数のジジババの暴走に負けた・・・ということだろう。

 

にしても

ひときわカニフレーバーの強いガセのカニ飯・・・いかなるものか、愉しみである。

とゆ〜か、ど〜やってこさえるのかすら、まだ未定である。 なにしろ、硬すぎるハサミだし。

 


ではまた