パッソに乗って探鳥へ行こう

 


今の時期、八丈島へいきたくても梅雨

徳之島へ行きたくても休みとれず

大島へ行きたくても横浜から船がでず

といった具合で、ヤキモキ、モンモンとする時節である。

 

パッソは、買ってからまだ一度も高速にのったことがない。

慣らしもかねて、遠征したいが行きたい川も近くにはない

だから遠征する必要がないから、安全運転用パッソに替えたのだ。

 

となると・・・

 

前から行ってみたかった、渡良瀬遊水地というところがあった。

NHKの番組で見てから、断然いきたくなった場所だ。

広大なヨシ原があって、とにかく鳥が多いようで

番組でも様々な水辺の鳥が紹介されていた。

更には、ヨシはネズミの餌になるのでネズミも多くて

それを狙う猛禽類も多いという。

 

ナビソフトで調べたら2時間もあれば十分に到着できる近距離。

これは、これは行かねばなるまい・・・

そう心に決めていたのであった。

 

満を持して、パッソがオーディオだの内装だので

フル装備になるのを機会に赴いてみる事にした。

 

ビーム砲レンズと、南大東で活躍した小型デジカメPro1を

小さ目のリュックにつめ、ついでに地図とGPSを装備したPDAも

もって出かけた。

 

首都高で渋谷あたりにさしかかったころ、パイオニアのカーナビが

どうも混乱してしまい、一般道を走っている事になっていて

右折専用レーンがあるとか次を右に曲がって首都高入り口を目指せとか

むちゃくちゃである。

込み入った道で使えぬとは、全く意味のないカーナビである。

田舎に行けば迂回する道はない、都会では間違える、何のために

30万も出して着けたんかようわからんぞ。

幸い、一箇所のジャンクションは勘で通り抜け事なきを得た。

まったく首都高といい、都心といい車の使えない困った土地柄である。

 

東北道に乗るのも初めてである。

大宮からが東北なのか、浦和なのか川口なのか良く分からんが

田舎嫌いで見栄っ張りな北関東の人たちのコメントなど聞き飽きているので

東北はこのさい何処からでもよい。

 

さて、栃木県に入る頃、空が青くなってきた。

おおっ!もう夜明けなのか?時計は早朝3時38分。

関東の朝は早い。

日の出が4時21分あたりだから、もうとっくに白み始めているのだ。

日の出1時間前くらいから少しづつ明るくなる、これは釣り人の常識。

 

釣り人の宿命として、夜明け前に現地に到着しなければイケナイ!と

心が騒いで仕方がない。

ただ、今回は撮影である。

感度が良くなったとはいえ、お日様の力なくして撮影は無理である。

 

カーナビがまたしても複雑な田舎道を間違やすく指示。

交差点が近くに二つある場合、非常に微妙な指示を出してくるから厄介だ。

連続した小さな辻と複雑な角度を持った道筋をうまく指示してくれない。

すこしだけ到着が遅れて、それでも日の出時刻である。

 

渡良瀬遊水地の東側にある小さな駐車場である。

 

堤防の柵が開いているが、車で入ったものか悩ましいしが

とりあえず端から歩いてみる事にした。

堤防に上がってみると、番組どおりに朝霧が美しい。

ヨシは成長がものすごく速く、その栄養を水で押し運ぶ

運んだ水は葉から出してしまうから、水滴になりそれが霧になるという。

確かにこんだけ広がっていれば無理もなかとです・・・

 

見渡す限り、ヨシ原。

 

もうギョギョシっ!とかイッピツケイジョウ!と言った声が響いてくる。

夫婦でごっつい三脚を持って望遠レンズで湿原を見つめる姿もあり

コレは撮影隊ばかり多くてやり辛いか???と思ったが

とりあえず出発。

 

目の前に久しぶりのピーチクパーチクっ!が聞こえるので

どのくらいのシャッター速度が出るかお試しである。

ヒバリさんである。

もちろん「あ〜あ〜〜川の流れのよぉ〜にぃぃぃぃぃ〜っ♪」とは歌わぬ。

 

望遠端約900mm相当、ISO1600で1/15秒・・・撮れんな・・・

霧のせいで周囲一面に明るくなるのはよいのだが、全般には暗い。

ISO3200にしても1/40秒、

今回はテレコンバーター(レンズに付け足して更に望遠にする)をつけていて

マニュアルフォーカスなのも手伝って、暗くてピントまで合わせ辛い。

 

しばらく、明るくなるまで、慣らし撮りをすることにし

遊水地にあるハート型の池目指して、ゆっくり歩き出した。

 

まあしかし、騒がしい。

あちこちから声が聞こえ、鳥が飛び回る。

 

そしてイッピツケイジョウ系のホオジロさん。

これも河原やヨシ原の常連である。

だが、被写体ブレなのかピンぼけなのか手ブレなのか全く分からぬ状態。

困ったものである。

目のところにある黒い縞の先に上くちばしがあるのだが見えぬ。

 

ポプラ並木が見え、なにやら公園らしきが見えてくる。

鳥のさえずりも一段と激しくなってくる。

普通ならカエルの声くらい聞こえてもよさそうだが

鳥の声しか聞こえぬのが不思議。

 

一段と霧が深くなってきている。

(黒い点々は鳥)

 

まだ開園していないが、ずいぶん広い駐車場もあって

親水公園みたいな感じなのだろうか。

 

公園に入ると、かなり整備されている。

足元は完全にタイルというかカラーレンガみたいなので彩られ

点在する池にはキチンと木道が設けられている。

GPSで方角を確かめながら、ハート型池を目指すのだが

その方向には太い道が伸びていて、植木も整然としている。

なんだか周りのさえずりとは裏腹に

非常に人の居ない都会の公園風だ。

人が鳥になってしまったんじゃないか、と思うくらい鳥がさえずり

飛び回っている。

 

ほんの時折、公園を犬の散歩とかジョギングとか

超早朝サイクリングとか変な歩きとか?で横切る人以外は見ぬ。

撮影者はいないみたいだ。

 

だが、まだ5時前、この時間に起きてこのあたりにいるのは

多分、御高齢の方だけだ。

 

遠く近く、カッコウ、カッコウと聞こえてくる。

この声もずいぶん久しぶりである。

これまであまり姿を見た事がなかったが、見えるだろうか。

 

目の前のポプラにとまったかと思って近寄ると、既に後ろのポプラで

鳴いている。かなり素早く動き回っているようだ。

 

ポプラは、弱い風でフヨフヨと葉が奇妙になびく。

なびくというよりは横にプランプランするから動きで鳥が見えないし

更にまずいことに、ジャージャーっ、ゲゲゲッとオナガも邪魔をする。

とりあえず先をめざすことに。

 

モズもたくさんいるが、腕が悪いのかボケボケである。

逃げ足も逸品で遠いせいもあるのだが。

 

木道をたどって小さな池に行ってみたが、警戒心の強い鳥が多いので

コツコツと足音がしたら全然だめである。

案の定、何も居ない。

ふと東の空に顔が向いたとき、うっすらと日の出が見えた。

 

また広い公園の道へ戻ると、目の前を青い鳥が横切る。

カワセミである。

こいつも一段と逃げ足が速いから、追ってもムダ。

とくに濃いヨシ原では到底見つからない。

ヨシ原のヨシはなんと3m近くに成長しており

人間の視界は全く通りが悪い世界なのだ。

 

遠くにカッコウを発見!

生まれて初めてのカッコウイイショットとは行かぬし

イマイチ切れの悪いオヤジギャグ系であるが、嬉しい事は嬉しい。

羽根を下げているところが独特だ。

鳴く時はもっと下げる。

ここには繁殖と託卵をたくらんでやってきている・・・

うっ・・・またしても切れワルっ・・・

 

彼らは自分達では子育てしない連中である。

 

池に出てみると、そこは完全護岸のハート池。

水辺に鳥の姿はない・・・・

怪しげなオッサン達が船を出していた。

池といっても、さすがは3河川の水を飲み込む中心の貯水池、

広大である。広大な護岸と、広大なヨシ原・・・不思議なところである。

 

近くに探鳥台があるので上ってみたが、ここから見えるような鳥は

でっかい鳥だけである。しかもクモの巣だらけで閉口だ。

登ってみると、水の音がする。かなり勢いよく流れ落ちる音がするが

どこかヨシ原のなかで分からない。

ヨシ原の中に屋根が見え、太めの木道も見えるので行ってみる事に。

 

ふと空を横切る影が

あれは・・・言っては・・・イケナイ・・・しかし言いたい・・・

「あれは・・・カルガモ・・・かも・・・」

言うとすっきりする。

こんなことでストレスを貯めてはいけないが

同行者が居る場合は、士気が下がるので要注意。

スキを突いて小声でサラっと言い切ろう。

 

さて

ヨシ原を進むと、気づかぬうちにズボンがズブヌレだ。

そうだ、ヨシが水滴を吐いているではないか。

その水滴が更に朝露になって、草むらを濡らしている。

 

鳥は見えないから、この霧の正体でも撮影することに。

撮った後は必ず言わねばなるまい・・・ヨシっ・・・と

ここは広い広い湿原なんだ、失言も言い放題さっ♪

心がかなり軽くなったせいか、ぐっと切れも良くなった。

 

いいぞぉ、ヨシ原、好きになったっ!

 

何をしに来たのか見失いそうになったが

その時、またしても影が空を・・・

 

とにかく今日は写ろうと写るまいとシャッターを切ることにしている。

マニュアルフォーカスだから、なお難しいがデジカメだから

カズ撃ちゃ当たるである。

 

結局このヨシゴイはすぐにヨシの茂みに入ってしまう・・・

さすがヨシゴイ・・・ヨシ原が住み家だけのことはある。

 

池の周りは既にしんとして、何も居ないので広い場所へ戻る事に。

ふと帰りの水路を見ると、視野の上のほうになにか黄色っぽい部分がある。

よく見ると鳥みたいだ。

おっ!ヨシゴイじゃん!!!

ヨシゴイは警戒すると真っ芯にこちらを見つめるから、くちばしが分からない。

30m以内で結構近く、緊張感キンキン状態のようだ。

 

思ったとおり、すぐに飛び去るしぐさ・・・でも、今回は飛んでも撮るのだ!

 

すると・・・

 

写ってんジャン!

カズ撃てば当たるのだ。

 

歩きながら空を横切る鳥を見ると

ウ、カルガモ、アオサギ、ササゴイ、ヨシゴイが多い。

結構ヨシゴイは飛び回っていた。

大東以来、ヨシゴイは何だか好きな鳥になっているようだ。

 

おなじみバンもいた。

バーンっ!星よ゛ぉーっ!と暑苦しいシーンばかり思い出させる

困った名の鳥だが、居るとホッとする。

 

足元にヨタヨタと水滴で重いのか、トンボがだるそうに飛びだした。

見た事も無いトンボである。

調べてみたところ、コシアキトンボのメスであった。

おそらく霧で羽根が濡れて飛びにくいのでトンボはこの時間

飛んでいないのだろう。

 

ぶらぶらしていると、遠く近く、またカッコウが鳴いている。

カッ、カッコウ、カッ、カッ、カカッとなにやらオス同士でもめているようだ。

すぐ近くの木で鳴いたかと思えば

すぐに飛び移って向こうの木の上といった具合に活発に飛び回る。

さっきよりは多少マシな画像だが、相変わらず写真ではなくて

写った・・・というだけの画である。

でも、カッコウの羽根を下げたポーズが良く分かる。

 

とにかくこの湿原に多いのは

ギョギョシっとなくオオヨシキリと

このジュジュジュッとなくコヨシキリである。

 

コヨシキリはかなり警戒心が強めで、テリトリーからは離れられないので

必ず人目からは直接見えないところで鳴いている。

でもすごく近くでも鳴くのだ。

 

オオヨシキリは撮れはしたが、ほとんど写りが悪かったので

またの機会に。

鳴き声以外は非常に地味で、コヨシキリみたいに

ハッキリした眉もない、撮りガイのない困った被写体でもあるのだが。

 

ともあれ、ちっともボケた画像が改善しないままとなった探鳥三昧であった。

う〜む、レンズを換えると変わるのか・・・カメラの宿命か・・・

それとも明るさ自体が限界なのか・・・

最初に細い上くちばしが見えなかったホオジロ。

イッピツケイジョウ中でございます。

 

ボーナスも近く、レンズはそのボーナスも一のみにする金額である。

滅多に撮影しない鳥のために、長男はいかなる判断を下すのか?

しかし、緑を背景に撮影する鳥達、断然気に入った。

ヨシ原の空気は長男に合うのかもしれない。


ではまた