友人のデジカメで、怪しげなスカイフィッシュならぬ

スカイアメーバのようなものが出現した。

 

むむっ

こっ、これはぁぁぁぁっ、新種ですなっ!

スカイフィッシュのブームが去ったので次はアメーバっ!

 

大きい

見覚えはあったが、ここまで大きなものは初めて見る。

我が家のファインピクス40iでも

放っておいたらいつしか団体さんが来ていたことはあったが

ここまで巨大なものはない。

(40iの画像、見やすく処理したもの)

 

友人のカメラはオプティオ。

長男もさすがにサービス対応の悪いアサペン製品は買わぬ事にしたが

世の中には、まだまだアサペン派はいるものだ。

今回のスカイアメーバも、やっぱりコンパクトデジカメが好きなようである。

この手のスカイなんとか系は、非常に律儀で、長男以上に律儀で

毎回写真の同じ場所に出現するのが特徴だ。

 

ということは、やはり、すばやく空に先回りするのではなく

CCD方面に居ると思うのが自然であった。

沈胴式ズームレンズが伸びるとき、容積が増えるわけだが

この時レンズ周囲から空気とスカイ何とか系を吸い込んでしまうのだ。

大物なのは、大きいからではない、CCDが小さくなったから

大物に見えるのではなかろうか、と長男は仮説を立てた。

オプティオは40iよりずっと小さいCCDだからだ。

 

さて、問題は超薄型コンパクト、最新鋭スライディング機構内臓の

レンズシステムを長男はバラせるのか・・・?

 

このレンズは、沈胴式ズームレンズを更に薄型化するために

途中のレンズが列よりヒョイと離脱、上にスライドし

何枚ものレンズの重なりが、薄型化の邪魔にならぬようにする。

画期的ではあるが、チョット無理のある機構だ。

レンズ材質を改善し屈折率を上げれば使わずに済むような気も・・・

 

スカイ何とかを、退治するには、この最新鋭機構を制して

小型CCDに迫らねばならぬ。

 

まずは、静電気対策のため、金属ボディのパワーブックへ

アース代わりに電源をつなぎ、その上でデジカメのケースを開けてみる。

コンパクトにするために、色々工夫されているが、最も気になるのは

アチコチ張り巡らされたフレキことフレキシブルケーブルである。

飴色の超薄切りスライスの奈良漬のような色をしたあれである。

上品な言い方をすれば、中に極細きしめん(配線)を取り込んだような

アンバー(琥珀)とでも言おうか。

現像したネガフィルムみたい、とか、生ワカメみたい、でも

或いは分かりやすかろうか。

さぁて、結構面倒な生ワカメ君である。

基板に実装しきれなかった回路類を、フレキ上にも実装してあり

更に小型ボディなので、コネクターがどこにあるのか分からないほど

引き回され、ボディの奥の方へ引き込まれている。

ふにゃふにゃのフレキを固定するため黒いテープがべたべたと

張り巡らされているのを見ると、多少設計に無理を感じる。

 

う〜む

(しばらく、二日酔い気味の脳をフル回転、

 構造を分析して、ちょっとづつアチコチ手をつけてみる)

 

小学生の時に小さなラジコン、アイロンなどを修理してから

会社に入ってからは仕事柄ノートパソコンや周辺機器は数知れず

趣味のデジカメは二度ほど分解している。

 

だが、この実装密度、アッセンブリ密度はすさまじい。

もはや、昭和の長男にはバラせそうにない。

 

とりあえず、レンズシステムの真裏にある液晶を外してみて

いきなりCCDに迫れるか見てみる事にした。

 

例のレンズシステムを採用しているという事は、厚みを考えると

液晶のすぐ裏がレンズシステムのはずである。

 

案の定、レンズシステムはすぐ下にあり、CCDを固定している

ビス3本も、すぐに見つかった。

 

CCDからは、やはりフレキが出ており、画像処理エンジンのある

メイン基盤へ必ず導かれている。

特に小型のデジカメではこのフレキにCCDが実装してあり

そのフレキごと固定してあることが多い。

富士のファインピックスシリーズでは、別部品を用いて

かなり強固に固定されていたが、厚みに余裕の無い本機では

CCDはフレキにたよりなく固定されていて、その頼りないフレキを

ビスだけでサクっと固定してあった。

 

こんなんで、あの超高精度のレンズにキチンと対向できるのだろうか???

 

写るという事は大丈夫なんだろうが、なにやら不安な固定方法だ。

だが、液晶から伸びるフレキ、液晶とCCDの間に横たわる不明のフレキ。

行き先はボディ深部で、そこまでの分解は不能だ。

液晶も外せず、更にCCDとの間には、もう一本フレキが横たわって

邪魔しているのだ。

 

もう無理か・・・昭和生まれでは駄目なんだろうか・・・

冬晴れを見上げて、しばらく考えていた。

 

だが、CCDを固定しているビスは見えていた。

「そうだ、隙間からだが、CCDだけでも拝んでみるか」

 

フレキは非常に切れやすい。

ぶらついた液晶を慎重に本体から放し、指で支えながら

CCDを固定しているビスを外していく。

たった3本だが、神経が削れる。

むむっ、こんな事やっているからハゲルのではなかろうか?

要らぬ雑念が脳裏を右往左往する。

「いかんいかん・・・しかしこれ以上髪がなくなっては

 ヨメサン探しにも差し支えるぞ・・・・いや、イカンイカン・・・」

 

ビスを外してしばらく、手元に謎の超小型ワッシャが転がっていた。

「し、しまった!」

どこに入っていたものか分からぬ。

よく見ると、もう一個、組んだ足のトレパンの上にもあった。

「おかしい・・・ビス3本にワッシャが二個」

探してみたが見当たらぬ。

CCD付近を良く見ると、一本のビスの周りだけワッシャの跡がない。

むう、多分二個でよかったのだろう・・・

厚さ数十ミクロンの銅ワッシャであった。

 

ビスをピンセットで全て取り除き、そっとフレキをめくってみる。

 

やはり・・・

 

CCDとその上に固定されたローパスフィルターが見えた。

「ここに居るはずだ・・・スカイ何とか・・・」

しかし隙間から側面が見えるだけで、手が出せそうに無い。

ここまで見えて、何ともならぬのか。

 

そうだ!

 

駄目もとで、隙間から大型ブロワーで高圧空気を吹き込んでみては???

片手で、フレキを切らないように液晶を支え、更にCCDをめくる動作は

思ったより難しい。

(親指の爪でCCDを起こしている)

そして、そこへシュコン!シュコン!シュコシュコっ!と

レンズの鏡胴へ向かって勢いよく空気を送り込む。

 

「ま、こんなもんかな」

 

あとは運を天に任せて組上げ、結果を撮影してみるしかない。

いつもなら、ローパスフィルターとCCDを手にとり

しっかりとブロワーで吹き飛ばしてやるので安心だが

今回は隙間からキチンと吹き飛ばせたのか分からぬ。

吹き飛ばしてもう一度付いていても不思議はない。

 

慎重に組上げ、部品が余ってアラ得しちゃった!現象がないように

最新の注意をしながらビスを締めこんでいく。

ま、またしても雑念が・・・

「こんなのを一回やると、髪の毛何本くらい抜けるのかな・・・

  いきなり抜けるんじゃなくて、細くなって行ってんのかな・・・

   はたまた毛根がダメージを受けちゃうのかな・・・い、イカンイカン」

 

なんとか組上げ、早速撮影である。

青空は青空のままであり、スカイアメーバは不在になっていた。

ほっとした。(田〇トモロヲ風)

 

何カット写してみても、大丈夫だ、やった、やったぞ。

皆喜びの涙を浮かべながら成功をたたえあった・・・

独身長男にはそういうことは出来ぬが

青空がとても美しく映えていた。

むろん、涙ぐむ事もなく、むしろムフフ笑いをうかべ

青空に向かって、満足顔をしていた。

 

それにしても、修理代節約のためとはいえ

勇気ある友人の決断に感謝である。

器用な長男に育ててくれて、オヤジ殿おふくろ様ありがとう。

また、デジカメを学んだぞ。

スカイなんとか系の撃退はデジカメと付き合う以上

避けて通れぬ必要な技。

いつぞやの、割れ行くベンザと闘ったのより

ずっと身となり骨となる事なのだ。

 

ともあれ

小型デジカメのホコリ、何とかならぬものか・・・

フィルムカメラならフィルムについて出て行ってしまうホコリだが

デジカメではたまる一方だ。

どげんしたもんやら・・・

 

年末まで、こげんコツして、なんばしょっとか・・・

デジカメはさておき、長男の人生ば、どげんしたもんやら・・・


例年なら、10大ニュースなどを考えるところですが

今年は年頭の思いからか、アチコチあれこれありすぎて

もはや昨年の事やら、今年の事やら分からぬほど。

過去のことは置いとく事にしました。

でも今年一年のことは、確実に次へつながっているはず。

 

実は年末、結構大きな決断をした長男ですが

それはまた、来年の「週間〜ている」のなかで

少しづつ伝わっていく事なのかも知れませんが

しばらくは、多分今の感じのまま。

今度は、壊れかけている給湯器を愛しながらも闘うぞ!とか

そんなイメージの決断じゃないですよ。

 

それにしても、釣りの目標がないなぁ・・・

美味しい中物だけじゃ、駄目なのかいな?

そういえば、まだヒラマサ釣ってないんだった。

八丈の磯が難しい今、本当に陸から釣れるのだろうか?

冬休みにジックリ考えるとしよう。

 

今年もお世話になりました

皆様、良い年をお迎えください。


ではまた