果てしなきマニアへの旅立ち

デジバカ日誌8


長男は最近、ハッキリした目的を持ちすぎている。

道具選びが慎重すぎる・・・気がするが、旅の荷を減らしたい心がそうさせていた。

 

自称デジバカを名乗る、このシリーズは半年振りであるが

いよいよシリーズ8作目にして、マニアへの旅に出ることになったようだ。

 

だが目的がなくなったわけではない、もう少し遊び心があっても良いだろう

そう思い始めたのだ。

まあ、ひげもそらず、よれよれのカジュアルシャツをズボンに入れずにダランとさせ

チットモ洗ってない上に穴のあいた、何だか妙に湿気と重さと臭いを感じるジーンズ

そんなイデタチにはなれないものの、まあマニアになっても良かろうか、そう思う。

 

春先に大枚10万で買ったARCHOS(以後アルコス)AVプレーヤー

そして、もう一年以上使っている東芝製PDA(手のひらコンピュータ)、GENIOe、

168号にも掲載したが、この二つを何としてもくっつけたいと思っていた。

ただこれには、ちょっとした根性のマニア魂が必要となっていた。

PDAといわれる最近の手のひらコンピュータは、ハードディスクとつながらないのだ。

これは、マイクロソフト社、言わずと知れたビルゲイツの仕業だが

そりゃ気持ちもわからんでもない。

これにハードディスクを積んだら、起動の遅いWindowsXPの立場が無い。

チッコイのに、性能的には数年前のノートパソコン並のパワーが出始めている。

 

しかし、マニアには果てしない世界がある。

 

世界は広い。PDA用のOS、PocketPC2002にマスストレージクラスの

デバイスをマウントできるドライバーを作っている人が居てくれた。

 

4千円強もするGENIOeのUSBホストケーブルを買うと

普通はせいぜいキーボードやマスストレージでもシリコン系(CFカードなど)の

リーダーライターか、デジカメのメモリーがのぞけて、コピーできるくらいのもの。

ハードディスクといえばCFカードのふりをしたマイクロドライブなんかが関の山だった。

だが、どうしてもコレまで撮りためたデジカメ写真を全て持ち歩きたい!

いつ南関東地震と東海地震がいっしょにやってくるか分からない!!

データバックアップは三重にっ!!!いつも手元にその一つを!!!!

ということであるから、目的はなくはないが、このくらい壮大なきっかけなら

マニアのパスポートとして許してもらえそうである。

 

そして今回、ようやくアルコスとGENIOeがつながった。

 

デジバカというくらいだから、少々詳しめに書かねばなるまい。

マニアにならねばならぬのだから、詳しいに越したことはあるまい。

 

接続には、マニアの間では知られているこちらのドライバーを使用した。

このドライバーは、スでは動かぬところがマニアックである。

皆さんはご存知だろうか?Windowsにはレジストリというのがあって

そこが裸の設定部分というか危険な数値群が並んでいる。

そこの設定を変えると、プルダウンメニューの降りてくるスピードが

変えられたり次の階層を表示するまでの待ち時間が変えられたりと

気になっていた細かい部分が設定できたりするのだが

間違えると何が起こるか分からないヤヤコシイ設定類である。

 

パソコンの場合は復旧させるのに骨が折れる。

だがPocketPCの復旧は非常に楽チンで、メモリーカードにとってある

バックアップをリストア(書き戻し)するだけで、時刻以外は元に戻る手軽さ。

マニアックに語らねばならないため、話は長くなったが

このレジストリの一部を故意に書き換えてやる必要がある。

そんなこと、なんでこのドライバーの作者が知っているのか?

残念ながらマニアの海に漕ぎ出したばかりの長男には知る由もないが

まあ英語のマニュアルだが、とりあえずなんとなく設定内容は分かるぞ。

 

このドキドキするレジストリ書き換えを行わずして、ハードディスク類は

つながらないのであるから、マニアになれば、ドライバーインストール程度で

スリリングな毎日?を送る事ができる。

 

コレをインストールしアルコスを認識してくれた時の喜びといったら

「マニアも悪くないな・・・ムフフフッ」と心の底がくすぐったい独特のものだ。

残念ながら、他の人に自慢しても分かってもらえない悲しい喜びでもある。

 

他の人に分かってもらえない以上、時分だけで満喫しきってしまわねばならぬ、

だからその辺にあるハードディスクをアレコレつないでみてはムフフフッとしてみた。

ムフフフッとしたあとの、心に吹き抜ける物悲しさは、まだ悟りきれぬ

達観できていないゆえの、マニアにはふさわしからぬ心の弱さによるものだろう。

自己満足こそ、最大のマニアック魂・・・・む、難しいな・・・結構・・・かなり・・・

 

さて、つながりはしたが、肝心の画像の確認は?

 

・・・・・

 

標準で入っている新潟キヤノテックのEasyViewerはサムネール型の画像確認や

簡単なサイズ変更なんかも出来てしまう、オマケにしては大したソフトである。

が・・・・

ハードディスクを見に行くと固まってしまう・・・

ううっどうしよう・・・

このままではつながった意味が無いぞ。

ムフフフッはどこかへ吹き飛び、再び暗闇に逆戻りした感じだ。

 

初心者マニアの集うサイトのフリーウェアを探してみたが

それらしいものはない。

ふと、昔何のために調べたか忘れたが、その時に見た

変わったソフト屋さんの名前が名前がよぎった。

助かるソフト・・・・Tascalソフト・・・そうそう、レジストリをいじるソフトを

その昔、インストールした時にもお世話になったなぁ。

 

これが見事に正解!

俺ってマニアの素質十分だなあ・・・・・

 

TPE (Tascal Pocket Explorer)

まるで大嫌いなWindowsXPを使っている様な使い心地・・・び、微妙・・・・

だが秀逸なのは画像表示の速さと、ウィンドウの大きさを変えても

瞬時に画像の大きさを切り替再描画するビューワー機能、これには恐れ入る。

シェアウェアだけのことはある・・・といっても数百円でこの性能。

 

よい時代になったなあ・・・

ふと遠いまなざしになってしまった。

 

いかんいかん、思いにふける前に、コレが本当にハードディスク、アルコスを

接続した時に動くかは謎であったからだ。

しかし、シェアウエアというのは、お金を払わなくてもとりあえず動作確認できる!

 

とっても、よい時代になったなあ・・・・・・・

もっともっと遠いまなざしになってしまった。

 

かくして、アルコスの画像は手のひらコンピューターから

素早く確認できる環境が整った。

 

なんだか、夢のような時代になったなあ・・・・・・・・・・・・・

もぅ、無限遠の世界から二度と戻って来れないほど遠い遠いまなざしと

心持ちになった。

 

ううむ、大東神社のスイレンの写真も確認できるぞ。ムフフフッ。

 

じゃあ、SDカードならもっと素早く確認できるはずだ。

ん???お、遅いぞ

うっ何度やっても、再起動しても遅いぞ・・・

しかも2Mピクセルなのにアルコスの中の6Mピクセルの画像より遅いぞ・・・

消費電力を抑えるための策の仕業か分からぬが、外付けしたHDDの方が

はるかに早く画像を生成するのが微妙だが、当初の目的はこれにて

 

一件、らくちゃぁく(金さんこと遠山金四郎風)

 

であった。

 

マニアというものは、その世界では用心深く思慮深いから

転びもしないのだが、転ばぬ先の杖が好きである。

万が一、まちで迷った時や、欲しい商品のスペックが知りたくなった時

通信を使ってしまったら、今のバッテリー残量では辛そうだ、

などと考えてしまうものである。

九分九厘、街角で調べ物をすることなどないのだが、不安になることがある。

このバッテリーは、GENIOeを二回チャージできる外付けバッテリーだ。

出かけながら、歩いていても電車に乗っていても

モラル無視して電車で電話していてもチャージしてくれるオタスケ品。

 

なぜ、素質こそあれ、マニアではない長男がこのようなものを・・・・?

 

実は2年前、仕事で今のGENIOeの前世代を使っていたとき

音楽を聞いたりすると、スケジュールすら確認できなくなる憂き目に

つい手を伸ばしてしまった結果である。

当時はまだ、電池の消耗をそれほど抑えられず

週に何度もチャージしないと電池がもたなかった。

 

ならば、音楽をやめれば・・・

そんなのダメである。

音楽プレーヤーの何倍もするのだから、当然音楽くらいプレイできて当然。

更に音楽は本体の倍はする、例のデジカメで使えなくなった

1GBで12万円以上というメモリーにたっぷり入れてあった。

当時は携帯電話の将来を考えるような仕事をしていたから

モバイル生活も仕事のうちであったのだ。

ひょっとすると、このころ、マニア魂が醸成されたのかもしれない。

 

もう、遠いまなざしにはならないが

今は手のひらパソコンの世界は、ずいぶん電池寿命も延びて

楽になったなあ・・・・

 

それに1GBのメモリーカードも高速で安く手に入るようになったなあ・・・

 

この前の八丈島での撮影は、実はこの1GBメモリカードのテストも兼ねていた。

でんでんむし

ぴ、ピンぼけ・・・

 

今度のメモリーは高速40倍速!というが、一秒間に何メガ書き込むのか

そういう表現にしてもらわないとチットモ分からんですたい。

連射しても気持ちよくバッファーメモリー

(デジカメの中の画像処理後の一時保管メモリー)が開放されていく。

遅いメモリーだと、これがなかなか次の撮影までモタついてしまう。

 

その上、同じアドレスに毎回書き込まないようにアチコチ使用したり

ダメになったアドレスを避けて書き込んだりする優れものは

多分まだコレしかない。

大容量のメモリーは一部しか使わないことが多いので

メモリーエラーが出るとエラーの発生する一定容量以上には

使えなかったり、同じアドレスばかり使って早々と寿命を縮めることもない、

このコントローラー回路(TDK製)のお陰で、貴重なショットを失わずに

快適に使いつづけることができるのだ!

どーだ、スゲーだろーっ!デジカメ研究家である長男だからこその

物選びが息づいているお買い物ではなかろうか。

 

で・・・・

安定しているし、信頼性も高いことが分かったので

二枚目も買い足した・・・・

 

一枚目は一眼レフ用、二枚目はキヤノンの300万画素機の

動画撮影用となった。

これで、ビデオと同じ画質で、10分の動画が撮影できるので

あるいはウグイスも撮影できるはずであった。

 

じゃあ、これまで使っていた

2枚の512MBやエラー連発の例の1GBのメモリーはどうすんだ???

い、いや、そこまでは考えてなかった・・・

ま、まあ予備ということで・・・

 

さて

月末にはまた、八丈に行く予定を入れている。

だが、休日出勤までするこのごろ、本当に休みは取れるのか?

不況の波に、長男はモマれ、溺れ、ついには沈没するのか?

とりあえず、道具はそろった。

そのためにマニアにもなった。

秘密にしていたが、先週新たに竿を買ってしまった。

健康を取り戻すために、平日の晩酌もやめた。

 

いろいろな思いはあるが

とりあえず人生は前進するためにある。

もうプチうつなどに逆戻りしたくはないから、

何があっても、あっけらかんと生活だ。


ではまた