きびしま、いやしま ω号

安らぎの島、美味し島

 

きびしま、いやしま、おめが号

 

いたってヒンヤリとした始まりであった。

 

釣れないことから、最低気温が21度と快適なこと

おかしい、こりゃまた水温が低いに違いない・・・

予想はハズレはしない。

 

長男の島センサーは、最近めっぽう当たるようになった。

理屈は簡単。

前にも書いたように思うが海を渡る風が弱い時

海水面の温度がイコール最低気温になる。

そしてまれに、全く風が吹かず、晴れ渡った時

南大東だけは島の中央が低いため冷気がたまり

放射冷却で水温より低くなる、ヒンヤリした空気に包まれる

非常に南国でも珍しい現象に見舞われる。

 

こんな時、ハグ(島の周囲の高いところ)の内側に霧がたまり

さながら雲海のようになるのだ。これがまた美しい。

 

ただ、今回は適度に涼風が吹いており

こんな光景はお目にかかれずじまいである。

コレは美しいが、この後風が無いので磯では大変。

磯に下りたら気温はすでに高いわけだし

さらに太陽の日差しとともに更に気温が上昇し

風も無い・・・

眼の下から知らず知らずのうちに汗が玉となって落ちるという

そんな磯になるから大変だ。

 

さて

水温が低いということは、すなわち釣れない。

 

だけど海が好きである。

釣れないのなら浸かってしまえい!と

冷水をおして入ってしまうこともままある。

去年は惨敗し、わずか10秒で上がってきた気がするが

今年は耐えてみた。

するとどうだ、小笠原の海でもそうであったが

慣れてしまえば何とかなる。

今回、無理して海に浸かるのは他でもない

特に特〜に塩分の濃い海水に漬かってしまえば

しつこい乾き系、湿り系双方の水虫を治療できうるだろう・・・

いやいや

今年の夏も天候不順だの雷雨続きだので泳げんかもしれん

今のうちに絶対泳いでおかねば海の男の風上にも置いてもらえん・・・

じゃなくて

決戦の夏を前に、ミネラル豊富な大東の湧昇深層水で

引き締まったバディになっておかねば・・・

でも無かったような気が・・・

そうそう

昨年の5月に使うべと思って買っておいたデジカメ&水中パックを

ぜひ今回使って、チットモ興味の無い水中の写真は撮らずに

爽やかこの上ない大東の透明度を活かして水面直下の写真を撮ろう

そう思っていたような、いないような・・・

いや、そう思ってもぐったに違いないのだ。

 

サラリーマンのカサついた心を癒すデスクトップや

仕事場の写真にはコレ!という心の癒しサプリメントとして

長男オススメの写真を撮るために冷水に耐える覚悟

・・・なのであったハズであった。

 

なにはともあれ長男自身が欲しいから、撮ってみたい

というのが事の発端。

 

けれども

その心の奥底にあったのは別の心。

水の表情は、小さなころから飽きないで

いつまでもいつまでもいつまでもいつまでもいつまでも

見ていて時間の流れを忘れてしまう存在。

どうしてなのか知りたい、いつまでも見ていたい

その姿をとらえたい

どんな映像が心を時から解き放つのか知りたい

撮りたい気持ちは

人間の僕の心の底からわきあがるものであった。

 

ただ、水面近くで、水平より少し下を向けて

漠然と太平洋の沖を撮影すると、青と光だけが写る。

最近、ちょっと濁りが強いので濁っているのが微妙。

 

水面下から、そっと水面を撮影すると・・・

水面の表情や泡、波の裏側に映る海底

青空や太陽の光、風と波のユニゾン

様々な表情が写っていた。

 

しかし、手が足が動かぬ・・・

い、いかん、低体温でカラダがフウラフラだ・・・

あわてて日差しを浴びて、海水浴のはずが

日光浴であった。

 

気持ちいい、暖かい、暑いはずの日差しが心地よい。

なんというか、死んだことはないが、心も体も照らす太陽の光

あたたかさ・・・天子の浴びている天国の光はこんな感じかなぁ・・・

と思わせる澄んで温かな日の光が体中にふりそそぐ。

 

カメラの液晶はちっとも役に立たないし、小さな液晶は

大東の太陽に照らされてほとんど見えない。

さして気にもならなかったが、水面撮影はこれにて終了。

 

遠征中は、昼食はほとんど摂らない。

 

夕釣りのあとの食事は、何しろ至高の味わいである。

宿の食道、南大東で文字通り最高地点で

まずはオリオンの生ビールをいただく・・・

くぅ〜っ! 毎夕うなる極まりし美味さ、幸せを超えて言葉が出ぬ。

旅の夕食は、この・・・何ものにも換えがたい味わいに言葉を失う。

そして、空腹という、宿の料理人には申し訳ないが

この上ない調味料に加味された夕食によって

至極の味を楽しむことができるのであった。

 

長男って・・・・・・生き方がマゾ的・・・・・・・?

 

でしょうか・・・・・・・・・・?

 

2004年、黄金週間の大東では、ヘッポコな腕も災いし

ほとんど釣れなかったけれど、それでも美味しい魚たち。

まずはがーら・・・(って二匹ともがーらだろっ!自らつっこみっ!!)

カスミアジである。

刺身も美味いっ!

煮付けは久々

(緑色のカワがならでは)

基本的にはアジなのだが

肉食なのと大型なので繊維が大ぶりだから

カンパチと普通のアジを足して2で割ったような味わいなのである。

 

具体的に言うと、カンパチのコクと

アジの旨みがフュージョン(融合)してるのだ!!!

って言われてわかるんかいっ!?という突っ込みも

かなたより聞こえてくるように思うが・・・・そんな味ですたい・・・。

 

次に釣れてくれたのも、がーら。

といってもこちらはロウニンアジ。

ちょっとだけ大き目の3キロあったせいか

コックさんが腕を振るってくれたおかげで

塩焼き、刺身、ウシオ汁にありつけた。

 

ウシオ汁は出汁が強化されていたが、とにかく美味い!!!

もちろん、島唐辛子の泡盛漬け(一般的にはコーレーグースー)を

一垂らしすれば・・・もうたまらんっ!!!

 

刺身も久々で美味い、脂が少なめなのが余計にスッキリ美味くしている。

 

とどめが塩焼き。

ジューシーでシコシコしていて、塩焼きってやつは

本当に魚の味が伝わるなあ・・・。

 

カラダじゅうの筋肉が緩んで、幸せにひたる瞬間。

こうして、何ものにも替えがたい瞬間を味わう大東。

 

魚の味わい、そして島情(しまなさき)・・・

限りなく安らぎ、この上なく癒される。

一生、行きつづけなければいられない島

なくてはならない島、南大東。

 

だが、本当に行きつづけられるか微妙だなあ・・・

 

などなど思いをめぐらせながら、那覇空港でマッタリする。

 

おっ、そういえば、毎度食べてたアイスって

ブルーシールっていうんか・・・え?有名?

関係なかですたい、美味けりゃ何でもよかよ。

旅のスタイルと同じく、くれぐれもミーハーではない、長男であった。

 

ではまた