夏きたりなば

 


7月から、職場が近くなったので南日吉商店街にも

夕刻のまだ開いている時間に寄れるようになった。

ビール好きの長男にとって、まず買わなければならない

必須品目、それは「枝豆」である。

この季節、もうほとんど心配ないが、6月中だと

高価な割に、まだ痩せたものが出荷されがちだ。

丸々とした枝豆を見られるようになったこの季節

枝についたままの豆こそ、枝豆の醍醐味である。

 

夕方、風呂に入る前に、チョキチョキと枝豆を切り落とし

風呂に入るときに、湯を沸かし始め、行水を終えたら

ちょうど枝豆をゆでられるという寸法である。

茹で上がるまでしばし、ビールは冷凍庫に入れて

キーンと冷やしてみるのも一興だ。

最近、発泡酒とビールが見分けにくくなったが

どうも発泡酒は泡立ちが豊かではないようで

冷やすと余計に泡が立たなくなり、柔らかな泡が

口の周りにまとわりつく、マッタリとした感覚と

キーンと冷えて、シャキッとしたキレを同時に味わえない

残念な現象が多くなったように思う。

 

ともあれ、枝豆のゆで具合が毎回楽しい難しさだ。

ビールはキレの良いものを選んで、ゆで上がりを待つ

数分間がたまらなく良い。

夕暮れの薄暗い空を見上げながら、ゆったりと一日を

終える心持ちは、幸せのひとときと言えるだろう。

ゆでたての枝豆に多めの塩をまぶして

キーンと冷えたビールといっしょにいただく瞬間

「夏だなあ」と限りない旬を感じるので

「旬感」とも言ってよいだろう。

 

夏はサラダの季節でもある。

日本の料理の心である、素材を生かし、調和も生かす

技前の見せ所である。

このところ、どうもビタミンCが不足しているように思ったので

本当はコマメに摂らないと意味はないのだが

大量摂取してみようと思いついたのが、このサラダだ。

 

キーウィとゴーヤの取り合わせがとっっっっっっっても新しい

と、思うのだが・・・・いかがかな。

 

でも今回は黒酢とは無関係である。

久々に使ってなかったマヨネーズを利用した。

苦味と酸味と甘味をまとめるのはマヨの力を借りるしか

方法を思いつかなかったというのが正直なところ。

けれど、思った以上に味は上々である。

 

夕暮れの商店街のお買い物といい

夏の食といい、これが味わえなくて何の人生ぞ・・・?

旬こそ地球上生物の生きがいではないか!

と思うのだが、これは長男の思い過ごしだろうか。

 

そう思いつつも、すでに秋はどうしようか

セリカもあるし、でもあの一月の幻の巨大ヒラスズキ事件も

昨年のブリ系回遊魚逃がし事件もあったなあ・・・などなど

この先の季節、気がかり至極であること山積みである。

 

この歳になるとシーズンは、一陣の風のように過ぎ去る。

今やっておかなければならないことが、せっぱ詰まってきて

そりゃもう、あれこれ楽しい心配ばかりの長男でもあった。

ところで、いい歳なんだから、嫁さんも釣らにゃいかんのでは?

という最大課題はどこへ吹き飛んでしまっているのだろうか

人生の肝心な時節は案外短いもんだなあ

と、感じるこのごろである。


ではまた