春、花咲くデジカメをめぐって

 


ウララかな日差しが、時折ほんわかと心を照らす時

ふと考える。

デジカメ好きの長男としては、3月に入って、ちっとも休日が晴れない。

フォトエキスポのある3月以降、国内のデジカメは新機種で一杯だ。

なのに、撮影しようにも天気が悪いではないか!

 

カメラマンであるオヤジ殿いわく

天気のヨシアシは関係無いんじゃけどな・・・とのことだが

どんより寒いんだから

意欲減退する素人の身にもなって欲しい。

それに、やっとフィルムカメラより小さくなったのは良いけど

今の小型デジカメの大半が超小型CCDを使っていて低感度。

沖縄の日差しでも無い限り、曇りや雨だと手ブレし放題である。

 

一方、富士フィルム好きな僕としては朗報があって

初夏に発売されるコンパクトカメラには

ダイナミックレンジの高いSRタイプのCCDが搭載されるという。

高ダイナミックレンジというのは、ややこしく難しい話である。

人間の目だと明るい空の青と日陰の植物の緑はきちんと同居できる。

けれど、カメラの場合は空に合わせると日陰は真っ黒

日陰に合わせれば空は真っ白になってしまう。

でも限界はあって、トンネルの中から出口を見ると

人間の目でもやっぱり真っ白になってしまう。

 

こういった限界を克服し

どうにか明暗の差を写しこんでしまえ

というのが今回のSRタイプであるという。

この技術で銀塩フィルムに近いか、それを超える写真を

手軽に撮影できるかもしれない。

 

現在のデジカメはバカチョン風にみえて

CCDの感度の限界が低いので工夫も必要。

空と日陰を何とか同時に写す(自然な風景に写す)ために

フィルム以上に微妙な調整をしなきゃならないのだ。

(だからあれこれイッキに操作できる一眼レフが実は楽チンなのだ)

左がヒトムカシ前のデジタルカメラ、右が銀塩フィルムである。

明るさをまんべんなく感じることができないうえ

全体として黒い岩に明るさを合わせたため

ウロコが白く飛んで写っていないのがデジタル画像である。

銀塩写真にデジタルが勝てないわけはこのあたりにある。

(画素数ばかり問われるが・・・)

 

色や光の感度をシンプルに書くと

デジタル

□□□■■■■□□□

銀塩

□□■■■■■■□□

人間の目

■■■■■■■■■■

てな具合でまだまだ写真に歩がある。

けど、右の写真にしても何だかネムタイ色調である。

これが人間のすごいところ。

実際はもっとマダイは鮮やかで光り輝いて見えた。

(釣った手前、嬉しくてそう見えるかもしれないが・・・)

 

で、技術が進むと

デジタル

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

に対して、人間

□□□□□■■■■■■■■■■□□□□□

となって、人間の目に見える形に

情報をうまく押し込むことになるだろう。

赤外線とか紫外線にちかいところまで写すとか

人間でもまぶしくて見えない電球のフィラメントを

あっさり写しながら、背景の夜空にかがやく四等星まで写す・・・

なんてことができるようになるはずだ。


現在はまだ人間の見える領域がもちろん広いのだが

デジカメの感度と人間の感じる領域には差が多すぎる。

その眼球に挑戦するCCDが、富士のSRなのであった。

とりたてて富士フィルムファンである長男だが

今回のCCDは特にスゲー技術である気がするのであり

ひょっとすると銀塩を超える気がする。

人間の感覚に近づくメカが存在すること自体

ダレカレ関係無く人類にとってスゲーことであるのだが

ゆくゆくはロボットやモビルスーツの目にもなるんだろうか。

 

この春、いろいろデジカメが発売されるようだが

感度なら、富士フィルム。

でもコンパクトさならCanonIXYだの、MINOLTAディマージュ、

Casioエクシリム、Kyosera・・・

いろいろ花盛りだ。

画質はさておき、まずはブレないで撮影できるかどうかだろう。

残念ながら愛用のコニカはコンパクトで高速なのは優秀だが

ISO感度が100固定で、昔のフィルムカメラみたいに

よほど脇を閉めていないと手ブレしちゃう困った奴である。

(コニカで撮った、咲いたままで止まれっ!の図)

ともあれ、この春のデジカメはあれこれ素晴らしい!

コンパクト、高画質、一眼レフなのに低価格!などなど

もうひとシーズン待てばスゲー逸品に逢えそうだが

今でも十分スゲーモノぞろいである。

さあ、どれを持ってでかけようか・・・


ではまた