商店街のともしび 

 


我が家は、都市ガスでも、LPガスでもない。

カセットボンベのブタンガスである。

何週間かに一度、近くの商店街にある

小さなホームセンターに買いに行くのだ。

 

南日吉商店街は、もう何年かすれば

横浜市営地下鉄、元石川〜日吉線の日吉本町駅の

城下町的商店街になるはずである。

 

この数年、近くで二件の夜逃げがあり

ぽつりぽつりとお店が閉店となっている。

いつも洗濯をお願いするホワイト急便のお店も

対抗店が出現し、今まさに経営体力を懸けた

ワイシャツ100円戦争を繰り広げている。

もちろん、魚をお酒と物々交換してくれる

コトブキ酒店も大型ディスカウントチェーンの

OKディスカウントストアの安酒と対抗して

安さという薄っぺらな価値観だけではない

心の栄養となるべき価値あるお酒をそろえ

果敢に戦いつづけている。

 

そんななか先月末、何かと便利であった

ホームセンターカネコさんが閉店となった。

8年半暮らしてきた日吉本町の商店街から

少しづつ光が消えているようで、帰りの道行きが

ちょっと心細い。

どうも、ディスカウント店で買う野菜や酒は心もとなく

しかも、本来とても大切なハズのものを値切っているようで

人生が空しく感じるので、そういうものは安心して買物できる

地元に根付いている八百屋改めポケモン系スーパー?の

ヤオチューさんや、コトブキ酒店で購入するようにしている。

ヤオチューさんと、そのハス向かいにあったカネコさんは

きちんと売り分けをしていて、スーパーには雑貨や

洗剤、ティッシュといったものは置いてなかった。

昔ながらの商店街らしいすみわけである。

でもOKディスカウントは力任せに何でもありだから

南日吉商店街とダブって無いのは本くらいだ。

 

しかし、何でもあるようでいて、実は穴も多い。

例えば、僕が好きな缶詰めといえば、サルボウガイを使った

赤貝の煮付けや、適度に脂の乗ったサケの中骨

(OKのモノはバサバサ)などが置いてなかったり

酒とても実は見た目はそっくりだがB級品とか

大手のブランドばかりで、すぐ飽きが来る。

東北産の山菜や、地場の港北産のブロッコリーなども

置いてないので、賑わいはあるが、季節感や信頼は薄い。

 

一方

商店街にはどういうわけか

お茶屋と、洋品店、本屋、豆腐屋は

わりあいシッカリ生きつづけているのを見ると心休まる。

味わい深い帽子屋とか、カバン屋が無いのが残念だ。

魚屋はあるのだが、今一歩人情味が欠けるし

店先に鮮魚ではなく、干物や塩焼きを置く様では

先が知れている様にも思う。

だが、秋の割安な自家製イクラはありがたいのだが。

 

ところで

地元の商店街の延長とは言いがたいが、駅の反対側

同じ日吉だが川崎方面で見つけた、昔ながらのお店。

 

大変リーズナブルな賃貸不動産を遥かに超え

バラックや、橋の下までラインナップしていそうなイメージだ。

入りやすそうでいて、微妙な心持ち。

戸を開けた瞬間、昭和40年代にタイムスリップし

戻ってこられそうにない。

が、なぜか一生一度は入ってみたくなる・・・

心くすぐるヤカタであった。

 

ここ横浜でも、午後8時をすぎると、めっきり車が減る。

しかし、昔は商店街といえば7時半には閉店していたが

今は8時ごろまで粘ってる。

サラリーマンは早帰りかと思いきや、サービス残業。

皆イロイロあれこれと頑張っている。

 

頑張る姿、時代の姿は、なぜかモノクロ写真が良く似合う

なぜかそんな風に思う長男であった。


ではまた