地元釣り三昧ってのもイイもんだ


暑い、例年になく暑いのだが、例年になく空も青い!

こんな夏は釣りに限る!しかも本土だ、地元だ!、伊勢志摩だ!

ということで、意気揚々と帰省した。

まずは、犬牧場たる横浜の我家の

惨憺たる環境に打ちひしがれた体には、睡眠である。

次は当然、釣りである。

地元伊勢は、ズイブン遠浅で、普通の釣りはし辛いが

ちょっとゴムボートを出せば、キスの宝庫である。

ちょっと走って鳥羽の向こう側へ行けば、静かな磯場と

ひなびた漁港があちこちにある。

海水浴客もほとんどいないような海岸など

極普通であり、プライベートビーチなどという語彙は

まったく必要ない世界だ。

観光地伊勢にあっても、こういった状況であるのだが

これが正しい日本の海である。

 

まずはキス釣りである。

オヤジ殿にお願いするのが大切だ。

ゴムボートなど持っていないのだから、お願いするしかないのだ。

もちろん、投げキスというのも悪くないが

暑苦しくない季節ならまだしも、今回はユッタリと風の渡る

涼しい水面(みなも)にゴムボートというのが正しい。

もちろん、由緒正しい、荒物屋で売っているようなムギワラ帽子も

かなり大切だ。

 

夏場の伊勢は、結構夕立と言うかスコールが来る。

日本最多雨地、大台ケ原を有する三重県であるから当然だ。

今回は雷がどんどん落ちてくるので、ちょっと待つ。

隙を見て沖へ出たが・・・夕方またやってきて

かなりヤバイ、雷オヤジにどやされるような大音響で

頭の上にやってきたので、こりゃカナワンわい・・・と退散。

ふたりで2時間ばかり粘って26匹、まあまあだ。

つれたのはキスだけではない。

最初は伊勢では珍しい、マダイの稚魚。小さすぎて風になびく。

それに常連のヒイラギ。あわせてメキシカンな長男も珍しい。

透明感のある刺身と、アコガレのキス天にありつくことができた。

関東のと違い、泥臭さなどまったく無い!

純度100%キスフレーバーの天ぷらに、家族一同感動である。

伊勢でも実は珍しい。

 

次は当然アイゴ釣りである。

アイゴの日干しは大好物なのだ。

だが、ルアーでは釣れない。

どうしても伊勢に帰って釣る必要があるのだ。

それも道具を揃えないで釣ることが大切で、道具など揃えれば

関東における少ない釣行チャンスを

むりやり餌釣りに費やす努力をしてしまうだろう・・・ことは

想像がつく。

そりゃ人生にとって我家計にとって無駄が多すぎるのだ。

アイゴとは、毒のあるヒレを持つ、うろこの無い南国系の魚で

臭う魚だが、なぜか長男を虜にした悩ましい魚だ。

釣ったとき、ひときわ引きが強く、淡白で上品な白身

意に反して臭う内臓、皮・・・

ミネラル豊富な伊勢湾の海水にさっとくぐらせて

夏の天日に干すこと半日、猫に狙われないことを祈りつつ・・・。

焼いて食べると、まるで魚には見えない!

オフクロ様は決して食べないのだが、コウモリだからだと言う。

確かにコウモリみたいだが、コウモリを塩焼きにでも

したことがあるのだろうか・・・謎である。

 

今回は苦しかった。

魚はコマセに寄るのだが、ちっとも食わない。

常連である木っ端グレ(メジナ)も食わないで

マメアジ(10センチに足りないアジ)やら

6センチくらいのクサフグ好きのする長男となっていた。

オヤジ殿にはゼンゼンあたらないのだが

なぜか長男にはやたらにヒットする困った連中である

てゆ〜か、リリースするのを知っていて遊んでいるようでもある。

小さなアタリながら、絶妙なタイミングで針ガカリさせるので

糸も切られず、針も折られず、ズイブン釣ってしまった。

クサフグなど、プクプクにふくれるのだが

水に離す前の空中でしぼむのだ。

昔、クサフグを釣って遊んでいた幼少の頃

空気で膨らんだフグが川面にしばらく浮いているのを笑っていた。

だが最近のフグはリリースされなれているのか

それがDNAに焼きこまれたのか、空中でしぼむのである。

もちろん、アジもフグも食卓に上ることは無かったのであった・・・。

 

国崎(くざき)漁港には、スコールは幸い来なかったが

遠い空には、立派過ぎる積乱雲が屹立している。

まあノンビリできて良かった良かった。

 

食卓に上ると、確かに魚とは思えない・・・

でも白身はジューシーである。

日本酒もひときわ美味しい。

次はいつ食べられるか分からないが、今回は3匹・・・

まあまあだ。

さーて、夏休み後半、リールは壊れたが

今度は何を釣りに行こ〜かな・・・


ではまた