万能バサミ、今も僕は好きだ・・・


万能バサミ

正に万が一しか切れないものが見つからない

無敵のハサミとして、長男は憧れていた。

多分、小学生の頃。

しかも一目惚れしても不思議はないほど

確かにハサミとしては無敵の異形をしている。

「切る道具」というよりは「切る工具」であるが

これほど工具的なハサミは今だかつてこれくらいだ。

バネ、グリップ、グリップを折りたたむためのストッパー

そのストッパーが使用中に誤って掛かってしまうので

ストッパーをストップするストッパーがあるなど

正真正銘男の道具である。

小学生の知識から想像すれば

ハサミ界の斬鉄剣といっても過言ではなかった。

 

当時、無敵のスカートめくりと給食大食い王であったが

長男とはいえども万能とは縁遠いお子様だった。

ソコへ行くと、ドッジボール、リレー、野球、

ポートボール(網ではなく人が受け取るバスケ)の選手

学級委員も100点満点だって必ずそいつナシは語れない・・・

といったやつが居た、カワモトナオキというやつだった・・・

しかも、しかもだ、カッコイイんだわ、これが。

でもってもてるんだわ、これが。

だれが言ったのか、天はニブツを与えず

というのは真っ赤なウソだ。

世の中の不公平と言うのは

絶対的にどうすることもできないのだと、おかげで悟った。

 

一方、スポーツ万能!などというヤツも居るわけだが

しかし、ボブスレー、サーフィン、卓球、砲丸投げ、カバディ

ターゲットバードゴルフ、カーリング、フリークライミング

合気道、寒中水泳、相撲・・・をこなせるようなやつは

見たことも聞いたこともない。

 

万能・・・と言う言葉をウンヌンしても面白くも何ともないのだが

万能というのは全能ではないわけである。

 

天はニブツを与えなかったのではない、全能を与えなかったのだ。

このことは100%正しいだろう。

 

得た物があれば、得られなかったことも存在するのは当然だ。

 

一方、ナイフの呼ばれ方は一方的だ。

ん徳ナイフと呼ばれる。

徳って何???ナイフだと思ったら

コンナこともできるのね〜っ♪、トクしちゃったぁ〜っ♪

程度の機能だから徳なのだろうか・・・。

正直、この厚み、名前も「スーパータレント」というウェンガー社の

フラッグシップであったチカラづくに近い、多機能ナイフであるが

重くて持ち歩けず、今はちゃぶ台の上で茶の間のマルチ工具へと

進化をとげている。

 

万能竿、万能バサミ・・・とは限界をわきまえつつも

不思議と使い方を工夫してしまうので、生活には困らない。

一方、ん徳ナイフたるアーミーナイフは、機能毎に作りこまれており

万能とは、とあるジャンルでのオールマイティ性であり

ん徳・・・というのは、全く違うジャンルでもヤッタルデ型の

ジャンルを開拓するタイプの道具のようである。

 

万能バサミは、切れそうかな、どうかな?と思うくらいのモノは切れる。

万能竿は、さほど釣りに興味はなくても、なんとなく・・・と思った人には

何釣りでもチャレンジできる、しかし帯に短しタスキに長し・・・たる竿だ。

全能に近かったあの同級生カワモトだったが、別段有名人とはなってない。

だが万能バサミは、今や、長男の髭、ワイヤー、焼海苔、ルアー用の

透明な樹脂プレート、米袋などなど、フンベツなくカットし活躍している

我が家のチカラモチである。

 

万能でも全能でも、マルチでも、ん徳でもない

不器用な長男。

だが、マッタリとした湿度も好きだし、料理もできるぞ。

その上、万能バサミだって使いこなしているのだ。

万能をひざまづかせる男なのだから

本来は、もう少し冴えた男のはずなんだが・・・


ではまた