長男だってイロイロあるさ・・・


このごろ釣りに行けてないのはご存知だろう。

でも冬場は仕方ない。

関西ならばいろんな釣り場があるが、関東は船釣りが主だから

よほど運に見舞われなければ釣りに行ける条件がそろわない。

 

まあ焦っても、嘆いてもどうしようもないのだが

ストレスがたまらないでもない。

それに、長男のキレの良い精神状態?と判断が加わると

こうなるのだった。

トラブル・・・とみると電化製品には容赦ない制裁がまっている。

そう、キレの良い精神状態=条件が揃うと切れまくる状態、を

むかえるのであった。

古いがお気に入りの小笠原の釣り番組が納められたテープを入れ

巻き戻したとき、どうもそれがネンキのせいで切れてしまったらしい。

だが、その症状がおかしかった。

普通なら、テープを排出してくれれば、なにかあるな・・・と思うだろう。

だが、そのときこのビクターのビデオは、自ら電源を切って眠るのだ。

後から考えれば、テープを吐き出す動作を無理矢理することで

テープを傷めてしまうより、電源が落ちて、その状態を維持するほうが

一見ユーザー思いだろうと判断したネガティブなメーカー論理が見える。

ユーザーからは、むやみに電源が落ちたとしか見えない。

それも大切な大切なビデオをくわえたままだ!!!

僕は断じて許せなかった!

例え泡盛のアルコールが加勢していたとしても、間違ってはいない。

右側のネジをはずし、左側は外そうとせずそのまま力で鉄板をめくり

中のビデオデッキの構造を破壊してテープを取り出したのだが

テープは切れていただけだった・・・。

ワザワザ破壊しなくても、良かったかもしれないが

実はこの数日前、このようなことは予想していなかったが

ビデオテープの時代はもう終わりだろう・・・と予測して

ハードディスクで録画する製品を予約していたのであった。

正直、もうこのような思いはしたくない、そんな切ない思いがよぎったが

おそらくハードディスクだから大丈夫ということはないだろう。

 

我が家のビデオテープの時代は終わった。

 

もう、2度とあの巨大なVHSテープに録画することはすまい。

長男がゆるぎない心で到達した答えがそこにあった。

時代の終わりは早くくる方が、新しい時代が早くくるではないか。

 


ポケモン系の名を冠する最寄のお気に入りのスーパー「ヤオチュウ」で

三浦半島(神奈川県南部)特産の紅芋のようなダイコンを買った。

生で食べると普通のダイコンより軽く、爽やかな味だが

冬ともなれば温かいメニューが恋しいのが人情である。

いつぞや、初秋に訪れたときも街道沿いで見かけたが

なぜかよりによって冬にスーパーに並んでいたのだ。

冬のダイコンは甘い!

ふと、そばツユ用に厚削りカツオが目に付いた。

「そうだ、このカツオの出汁と、これ自体を食べられるならさっと煮てみよう」

厚削りは、出汁ガラになるまで煮ると臭みがでるので食べられるくらいが

ちょうど良い出汁がでるのがわかっていたのは長男ならでわであろうか?

ダイコンの白い点が見える・・・空いているのだ・・・微妙なカスカス状態だった。

だが、ちょっとばかりカスカス系ダイコンではあったはずだが、さっと煮たことで

紅の色が出汁に溶け、そして出汁の味が大根にしみ

わずか日本酒と醤油のみの、かすかな味付けがダイコンを引きたてたのだ。

これほど出汁とダイコンの味わい深く、シャキリとした歯ごたえもあり

色も鮮やかという風情を醸(かも)した、温かい煮つけはなかった・・・。

ダイコンの味がほんのりと染みた厚削りカツオも悪くない・・・。

小さな幸せと満足が長男をじわりと満たしていくのを感じたのである。


破壊、そして、新たなメニューの創造・・・ニンゲンの・・・人間、いや長男の力とは

使い方次第である・・・心のおもむくところのフクよかさ次第である・・・。

 

美味しいものは確実に心を温めるしな・・・。

 

ビデオこそ破壊したものの、ふとした美味いメニューを加えた長男の冬。

何か、不思議な可能性を見つけたような、冬のひとときであった。

 

しかしながら、ビデオデッキを破壊しなければ、ハードディスクビデオレコーダーは

もう置く場所がないという潜在意識が泡盛によって強く呼び覚まされたのだろうか?

と、心に問いなおす長男でもあった・・・。

 

ともあれ

雨の後はきっと晴れるものだ。

気楽に行こう。


ではまた