先日のことである、ふとしたことからメル友となった友人と飲んだのであるが

気がついてみると、爽やかに明るい朝を迎えていたのであった。

(まだ蛍光灯が・・・)

つい口が滑って、職場のとなりの席であるTさんに打ち明けたところ

「それって、恋人だよ!10時間も一緒に居るなんて出来ないよ普通!!!」

と、説得力あるお言葉をいただいた。

問題は時間の長短ではない。僕には男色はないと言うことであった。

たまたま、僕のHPを見てくれた方が、南大東に好奇心を爆裂させてしまったらしく

誤って?島へ行ってしまったわけで、しかし、島では思ったよりすごい事が起き

僕ですらうらやましい事態におちいったため、南大東にはまってしまった人である。

残念ながらしかし、男性なのである。

 

その日はボーナス日でありながら、長男人生の節目である

四捨五入、40歳という記念したくない誕生日であったので、シミジミ過ごそうと

休みをもらっていて、入社十ん年にして初めてもらった誕生日年休というやつだった。

夕刻、約束の時間に行くと、メル友であった彼の上司もしっかりと来ており

さすがゲーム制作会社だけのことはある、ノリの良さを感じるところである。

ずいぶんと我が社からは近く、歩いて5分くらいのところであって

N長の野望とか三G志といった名作ソフトを生み出した凄い会社である。

 

その日の僕は、四捨五入40歳ということもあって(しつこい)、ちょっと自信がなく

心持ちも動転していたため、ついふと気が緩んで

「今日は僕の誕生日なんだよね・・・」などと

彼らの前でつぶやいてしまい長男としては、のっけから中失敗してしまった。

何しろ、誘ったのは僕なのに、日吉の飲み屋にはトンと縁がなく

お店の予約さえとっていなかった上の、失言であったのだ。

幸い島へ行ったW氏とその師匠であるという上司のK氏は

長男ではなかったため、この失言にはいまひとつ気付かなかったようだが

まあ、これによって、飲み屋を知らなかったことも、

お誕生日景気ということで、チョットゆるされた感もあり、まあよしとすることとした。

年に一度、長男を休む、一年分甘えさせて欲しい一日であったのだ。

本来のお誘いした目的は、W氏の南大東到達のお祝いであったのだが・・・

半分は僕の誕生祝になってしまうことは実に気まずくもあり

まあ、シミジミするより「この際、釣り仲間と楽しく飲むがよい」という

「長男の神様」の思し召しであろうと思うところでもあった。

 

釣りへの情熱、年齢的に脂の乗ったパワー、(僕より若く、四捨五入30歳)

話題のマッチング(合わせてくれたと思うのだが)もバッチリで

釣り以外、話題の少ない生真面目な僕にとって

実に話しやすく、気の置けない友人に思えたのであった。

ココ数年で、もっとも楽しい誕生日を迎えることができたのである。

 

W氏の写真にも見覚えのある写真があったりするので、盛り上がったものである。

(うーむバイクの前に魚を横たえて撮るなどどこかで見たような・・・バイクもあの止まったやつ・・・)

 

前半は美味しい魚料理と釣りの話題で盛り上がったのは覚えているが

僕は時計を持たない生活を送っており、夜十時半を過ぎるとケータイも

自動で電源オフであるので、特に時間を気にするそぶりをしてしまっては

せっかく誘った手前、退屈だとか、面白くねえヤツだなんて思われたら

これは一世一台の大失敗となるので、あえて気にすることもなく

楽しさ一辺倒ですごさせてもらったのだが

後半は断片的にしか記憶がなく、話すのに舌がついてこず

ロレツがまわらないのに苦しんだことと、なんでこんなに頭が重いのかと

自分の体の自由の利かなさに疑問を感じていたのは覚えている。

ただ、時間を忘れていたのはケータイのせいではなくて

実際、時を忘れきって語り合っていたからに他ならないのであった。

朝が近すぎる!と感じたのは、人生35年にして初めてである。

(あと一日前に始めれば・・・といつも思っていた大学時代の課題提出の朝は除く)

 

時代は変わる、僕は十代に考えていた以上に年をとっても生きており

(十代の場合、中年以上はイメージできないもんだ・・・と思うのだが)

こんな我が家の近くにある里山に地下鉄がやってくるという。

地下鉄と言えばメトロだ。メトロな生活がやってくるのである。

これまで炎天下、ミンミンゼミのセミ時雨の中、心臓破りの丘を越えずに

歩いて3分の地下鉄の駅から、接続する日吉駅へ向かい

これまで歩いて15分もかかる日吉東急のベスト電気へ行き

油断していそうな店員に絶対答えられないパソコン的にマニアックな質問を浴びせ掛け

イヤな客を演じるという、この上ない楽しみが一段と身近になるのである。

最近どうも思い入れや情熱なく商品を売ろうとする店員が多く、納得がいかないので

趣味と実益を兼ねて?楽しく演じるのに生きがいの一端を見つけているのだ。

話しは思いきり脱線というか別路線へ乗り入れてしまったが

とにかく、釣り以外にこのような楽しみを身につける長男が登場するほど

時代は激しく変わりつつあるのである。

 

時代は変わっても長男のコンセプト、几帳面、コダワリ、以外に世間知らずで大胆といった

普遍性を堅持しつつ、コレからも、シジュウになっても力強い長男で居ようと

決意を新たにする、ぶんであった。

ああ、それにしても、男子ではない人と、それって恋人だよ現象を

起こせる日はいつだろうか・・・と遠い目で梅雨明けの空を見つめる、ぶんでもあった・・・。


ではまた