今回の南大東は9泊10日、ずいぶんいろいろお世話になってしまいました


前回の5/2は南大東ではハジメテの島からの記事である。

ただ、島の生活が至って忙しいため、今回は前回伝えきれなかったところも

あらためて書かせてもらうことにしてみた。

 

さて、持っていったケータイパケット通信キットが役に立たず、地元のサトシさんに

助けていただいて、なんとISDN回線でアップロードできたのである。快適快適、感謝感謝。

段取りの悪い私が仕事を持って島へ行ったために、サトシさんに借りられる前は

なんと商工会のパソコンを貸していただいた。とても寛大な尚登さん、奥山会長に感謝感激。

(左のPCの画面に仕事のCGが・・・)

(亀池港で釣りする尚登さん親子、真ん中の子供は他んちの子だ)

 

どうも、パケット通信に使える携帯は限られるようで、僕のはアナログ9600通信で

途中の衛星回線の遅延(遅れ)に耐えられなかったようである。

我が機器のヘッポコさに気付かなかった我が身に長男として恥じるばかり・・・。

 

釣りをしすぎて、重い竿を振りつづけたために、今も特にリールの付け根を握り締める

右手の中指、薬指の関節が痛くてキーボードが打ちづらい。

しかし、そのカイあって、あれから釣れたのが、珍しくこのサイズでは美味しかった

大き目のカスミアジ。(5/3、78センチ、7.1キロで南大東自己最高ヒラアジ)

島の東も西も北もシケだったから、浅瀬のすぐ向こうがドン深である南の

持丸切抜で竿を出してみたら、イキナリ水面で「シュボッ」という音と共にヒット!

数分のヤリトリの後、久々にギャフ打ちに成功し背鰭の下あたりに穴をあけて

ガッチリかぎを刺して取り込むことに成功。

70センチを越える頃から老成し、脂が乗らずパサパサであるのだが

今回のガッツあるファイト、そして、コバルトブルーが一際鮮やかで傷みもない

頭もあまりゴツクなくて、大きさの割にピチピチなため、お持ち帰りにしてみたのである。

後述に刺身が登場する。

 

その夕方、実はバーベキューがあったわけだが、ここにはお魚を供給できなかった。

上のカスミアジは、このところ宿に提供できずにいた久々の釣果で

どうしても宿で使って欲しかったのだ。僕が居る間に来たお客には密かに

大東では売ってないお魚を食べていだたく、これが身上であった。

 

そんなことはさておき、塩屋海岸で爽やかな宵風に吹かれながら

地元の通称マーボーさんに炭奉行をお願いして、どうやらタミさんが材料調達に

あたってくれたらしいが、会費は払わずじまいという、ラテン系長男になってしまった。

不思議とワザワザ立って写っているのが、僕とUFOを見学したノリ、

その手前で釣り装束のままビールを飲む僕

左でこっちをむくのが最近太めのオカ、

一番左で横向きがモリ、真ん中で後ろ向きがタミさんの奥方、アーさん。

右の黒い服がタミさん、その奥がダイトンチュウ(大東人)炭奉行マーボーさん。

そして、真ん中のこちらを睨む一見コワオモテの人が

沖縄そば好きのスジでは有名な大東そばを営む気のいいモリカズさんである。

これぞ、本邦初公開!手打ち大東そばによる焼きそばで、手前から右上にかけて

塩味、薄塩味、おたふくソース味となっている。

僕は個人的に塩味がすごくお好みである。

 

帰りの前日、思いきりそばが食べたかった、とモリカズさんに訴えたところ

ならば、明日の朝、帰る前に寄るとイイ、という。

行ってみると、出来立ての薄味な大東そばを用意してくれていた。

宿の朝飯を少なめにしておいたカイがあった!

いつものよりずっと和風で、ねぎがキリリと効いているから

これは「島うどん」として出してはどうか?とも申し出てみたが

どうも、もっと他にスゴいメニューを準備しており、デビュー間近のようである。

しかし、ウマイ、素晴らしい歯ごたえと、薬品であるカンスイを利用していず

ガジュマルの灰汁を使っているだけあって、香りもすばらしい。

太くて幅のある、いわばキシメンを三枚がさねにして、縮れさせた感じで

本人がこだわっているだけはある、凝りに凝った麺である。

出汁はカツオ系とソーキ系がブレンドされ、いつもよりカツオ系が勝っていた。

タダ者ではない男、大東そばを打つである。

島の人は味に慣れているせいで、大東そばの味を普通と思っているそうだが

それは大きな間違いである。これほど麺の味がウマイ沖縄そばは

今までどこでも食べたことがない、つまり麺を外注しているからだろう。

 

トヨタに勤めているという、名付けてダガネダイバーズたちはまたやってきた。

彼らは、僕よりハルカに大東では先輩で、10年選手である。

数人でやってきて、歯に衣着せず、名古屋弁でしゃべりまくる軍団だ。

今年は、ご家族(小さなお子様含む)連れでにぎやかだが

奥さんや子供たちはダイビング無しなので、やや可愛そうだ。

退屈で元気をもてあまし気味な子供たちは、部屋で宿で騒ぎまわしている。

お父さんたちは、こんなに楽しそうにダイビングから帰ってきたというのに・・・。

(名物クレーンづり方陸の漁船にて)

 

話しは前後するが、帰路につく前日、実質最終日というのは釣れるものだ。

前回は事情があってそうもならなかったが、その前も、その前の年もそうだった。

なぜか?

集中力と、判断力が違うのである。

いつもならやらない釣法を真剣にやってしまうからだが

今回は一段と破天荒である。我が家で最も強力で短い竿に

不似合いなほど細いハイテクラインを付けて、しかも、深い場所を探る

オモリ型ルアーを水面でスキップさせて使ってみたのだ。

とにかく、例年になく複雑でたるんだ潮だったから、足元に魚が居ない

だから、トビウオが逃げ惑っていたハルカ沖合いから魚を誘うのだ。

それには、細い糸で抵抗を減らし、更にオモリ型ルアーで飛距離を稼ぎ

今回から投入した安くて速巻きのリールにモノを言わせて

巻き倒すことで、オモリ型ルアーが水面をスキップする・・・すると

その魚が逃げ惑うようなサウンドが沖合いから肉食魚を呼ぶ・・・ハズだ。

もう帰ろうか、そう思ったとき、磯から数メートルのところで

水面を割って何ものかがヒット!前述の大型カスミアジのときもそうだが

集中しているというわりに、その瞬間はソヨ向きしている。

何が食ったか判らないが、他の魚と比べて極めて表層を逃げる、走る。

フルミナミと呼ばれるそこは、水深2メートルくらいのところに

ハエ根が奥行き3メートルほどカウンター状にずらーっと出ており

少し潜られただけでアウトという、大東らしい地形の場所である。

そこで、潜らない!絶好調!!、しかも銀色で平たくない魚体!

これはカンパチか?イケカツオか?マグロか?などと夢は膨らむ。

竿が短いので魚のパワーを今一つ感じないが、確実に糸をジリリーッと

引き出すパワーは備わっている。じっくりバテさせないと磯に擦られたら

即座にアウトという仕掛けしか使っておらず、伊豆大島仕様の仕掛けで

いつぞやマダイを釣ったのと同じレベルだから、慎重にヤリトリだ。

やがて現れたのは、これまで、歯型、ブチキラレ(歯で糸を)続出の宿敵

バラクーダであった。満潮の寄せ波にのせて磯へヒョイと上げると

バッタバッタと悪役らしい暴れっぷりである。

ルアーが小さく見えるが、それもそのはず、94センチ5キロもあるカマス大王だ。

が、こいつは2メートルにもなるので、まだまだ中学生といったところか。

通常、このオニカマス(沖縄名チチルカマサー)は毒カマスといわれ

筋肉にシガテラ毒を持っている。しかし、それにも増してこれまでの所業が

許し難く、即刻トドメを刺したのだった。

こいつがまた悪役そのものの最期だ。目の後ろをナイフでトドメを入れると

デカイ目がグルリンと上を向いたのだ。通常はピクピクするだけだが

このグルリンは強烈だった。人間もコレに近いのではないだろうか・・・?

暴れるとヌルが出て、これがまたカメ虫みたいなニオイで強烈!

やっぱり放流したほうが・・・とも思ったが、時既に遅く解体。

潮溜りのカエルウオが逃げようとするのは毒のせいか???

あごの奥に

馬鹿でかい3.5センチもある太い石鯛針のようなネムリ針が刺さっており

その糸は僕の12号に比べてハルカに太い、一ミリ以上ある太さであった。

(上を横切るのが僕の12号)

ゆうに50号はある。コイツを釣るにはワイヤーしかないようだ。

ルアーの場合は金属ボディがあるので、糸が弱くても釣れることがあるのだが

とかくルアーの前から回りこんで食うので

ずいぶん手前から噛み切られることもあり、群で襲いかかられると

もうあっという間に切られて、フッと軽くなり、糸だけが虚しく戻ってくるのだった。

「大東に食えぬ魚無し」前回のバラハタでも非難ゴウゴウだったんで

ニオイは別として淡白源になればと勇気と力を絞って磯を担いで上がった。

 

案の定、宿に帰って、釣りのオーソリティである宿の奥さんに尋ねれば

狙って釣りに行くほどの人気だ、というからお持ち帰り大正解だった。

夕食はココ一番にぎやかな食卓であった。

お盆の上がレギュラーメニューマイナスお刺身である。

カスミアジのスペシャルお造りディッシュと

忙しいと言いつつもバター焼きにしてくれた毒魚バラクーダのバター焼きが加わる。

一晩置いてなお刺身の美味さは逸品である。

バター焼きはシガテラ毒でドキドキものだが、ともかくマダイとカマスを

足して2で割ったような素晴らしい美味しさであり、ご飯が何杯あっても足りない。

ニオイも全くなくなっているのが驚きで、皮も美味しい。

シガテラ毒は顔がポッと熱くなり、それから吐き気などがやってくるという。

このあと、ビールが切れるころ、社長夫婦が同じ食卓に加わり

久米仙(泡盛)の水割りをいただくころ、ふと顔がポッポッと熱い感じ。

社長夫婦も美味しそうに食べてくれているから、この方々となら死なばもろともだ。

かなりヤバイ!とも思ったが、食あたりといい、気分でなってしまうこともあるので

あえて気にせんことにして、このあと、帰還前夜恒例の社長とカラオケだ。

新たにやってきた、琉球エアコミューターの伊芸所長ともタマたまロビーで合流して

歌い過ごしたが、楽しいばかりで何とも無かったし

沖縄ではじめてネーネーズを歌えたので上機嫌であった。

よく考えてみると、あの午後、ひとまず宿に帰ったとき、汗を流すのに

顔を洗ったために、日焼け止めが落ちてしまったまま、西海岸のフルミナミへ

出掛けてしまったのだ。つまり、海面に反射する陽光の直撃を受けたのだ!

うーん、お肌のシミが気にかかる年頃・・・これは深刻である・・・。

その深刻さよりも、本来ならシガテラが問題だった気もするが・・・。

 

帰りの朝、先のスペシャル大東そばをいただくまで、ちょっと時間があったので

お世話になった社長の奥さんと若奥さんと話しをする。

不思議になついてくれていたサヤちゃん(左のウサギのシャツ)だが

カメラを向けると表情がやっぱり硬い・・・。しかし、僕はオジイではないぞ・・・

社長と良く話をするので、同世代と思われているのだ・・・。

しかし、伊勢の実家に帰るとオヤジの弟と思われることもあり、

さもありなん、無理もなしというところだろうか。

彼女が生まれたとき、僕は大東にいたが、ずいぶん大きくなったものだ。

エリコママの膝の上から蹴りを繰り出しているのが、ミクちゃんで

この朝もたいへんご機嫌だった。

(キラリと光るヨダレは左右ダブルだが歯は下一本だけだ)

こんな子供、僕も欲しいなあ・・・。

一番奥の奥さんが、釣りのオーソリティである。

釣りのことに関しては、どんなに笑っていても目が真剣になるのが印象的である。

釣りでは奥さんのお言葉でどれほど救われた事か。

ポイントに関しては社長だが、こと釣り方や魚に関しては、さすが板場を仕切る釣師である。

吉里家はどうも女性が圧倒的に生まれる率が高いようで、この子達も女の子だし

若奥さんも3姉妹である。しかし、僕が婿入りするにはこの子達は幼すぎるよなあ。

我が家系も僕がオヤジ兄弟中、初の男の子であって、従兄弟は女だらけだ。

 

次はいつ来るの?カスミアジは美味しかった

カマス釣ったんだよ、まだ食べてないの?などなど

ゆったりとした最後の時間が流れていく。

今回もバイクでこけたり、ボーズ五連日だったり、お魚も調理してもらったし

ISDNも貸してもらったし、いろいろとお世話になりました。

実は、ISDNを借りたサトシさんはエリコママのダンナである。

吉里一家には、それはもうお世話になり、商工会の方々、島の友人

島に居付いているシマナイチャーの友人達にもとてもお世話になってしまった十日間であった。

釣りダケではない島、南大東、次はいつ行けるのやら。

 

帰りの空港で、飛行機に乗る直前、切符を切るのが、カラオケをご一緒した伊芸所長で

一言「いってらっしゃい」が耳にやさしかった。


次週は、やたら撮りまくった写真(デジタル、アナログとも)を紹介します。


ではまた