磯からヒラアジを

釣るために

ああ

釣るために

よーいよいと♪

 

ヒラアジ用ロングルアーロッド「風刃」づくりに凝ってみる

 

船からヒラアジをねらう道具はそろっている

けれど

磯からねらう道具はほとんどない。

磯の近くで釣れないから仕方ない。

でも

僕にとってはどうしても必要である。

 

なぜかバイクで移動しながら釣るので振り出し。

14フィート以上で、腰の強い折れない竿を選ぶと

石鯛竿くらいしかないし、ガイドロックも魅力的。

あの、眼下に泳いできた20キロクラスのがーらを

折れずにしのげる竿はできるのだろうか?

(お気に入りのズーム投げ竿はブランクが薄く、折れた......)

 

とりあえず、ちょうどタイミング良く知った

生涯一石鯛師の石心竿さんのホームページで

いろいろと聞いてみることに。

当初は石鯛タックル(竿とリールのセット)を

そのまま使えないかと思っていたけれど

いろいろと試行錯誤してやっぱりスピニング仕様に決め、

さらにいただいたご意見の中から「自作部品はチタニウムで」

というのが新鮮で初めての素材にチャレンジすることに。

この時教えてもらったり、石鯛師の会話の内容には驚きの連続で

石鯛師がどのように過酷な環境に挑むのかがうかがえた。

 

すべからく釣れない釣りを志す

 ロマン派の釣り人はマゾ(自虐)的だ.....。

と、同時にこの人たちに使われている道具なら

大丈夫だろう.....とも感じざるをえない。

  

石鯛竿はルアーロッドに比べて重く、長く、しなやか。

ノーマルの状態では穂先が繊細すぎて使えないのには驚いた。

「石鯛ってこんなに繊細な釣り方するんだ......」

 

とにもかくにも安売りのタイミングでお目当ての「絶海」

というのを買ってきた。5万円チョイだったと思うけど

これはこれまでに買ったルアーロッド?の中で最も高い!!!

磯投げ竿でもそれほどはしない。

強いて言えば磯玉の柄と同じくらいかな。

 

それでいきなり成功するか分からない改造をやろうというのには

それなりに勇気を必要としている。

 

改造の前には破壊が大切、しかも美しく。


 

まずは飲んで帰ってきて

勢いづいてから始まったガイド外し

 

幸いにして口金の部分のガイドは金属製なので

熱で溶ける心配はないものの奥行きがずいぶんあって

温めたと思ったらどこかが冷えてしまう。

竿にずいぶん加熱してしまった......。

ついでに柔らか過ぎて長い穂先を2節つめる。

継ぎ手までの距離がないのがヤケに気になるけど

仕上がりは4.8メートルくらいにしたいから

やるしかない、ここは.....。

5.2メートルで魚に引きずられた経験が

そうさせるのであった。

 

分解できたらいよいよ作業開始

 

まだ竿尻をどうするか分からぬまま、とりあえず今度は

不要なガイドを削り取るというか、モギ取る。

ハードブラスって真鍮の事だけど、ペンチではだめなので

近くの金物屋で買ってきたワイヤーカッターで

プツプツと足をカットしていく。

大変なのは基部が厚くなっていてココも少しエグるように切る。

そして無残なザンギリ状態の口金と大型ガイドを

ショムニの録画を見ながらヤスリがけする。

この時あまり痛快な番組を見ると削りすぎるので要注意だ。

ハードブラスは切るには硬めだけど削るにはスコブル柔らかい。

 

チタンの竿尻は外注へ

 

チタンなんてほとんど見たこともないし

せいぜいアウトドアショップのカップとかスプーンしか

見たことも触ったこともない。

まあとりあえず、初めての設計だから

「となっ」とばかりに掛け声かけて、決めてかかるしか

手も無くて、久々に図面引き。

(「となっ」という掛け声は、良い子は真似しなくてよい)

 

家で外観を作って会社のツールで寸法を入れる。

もちろん、設計にはマージン(隙間)が大切で

竿尻は竿をカットしてそこに接着するから

接着剤が入る隙間がありながらガタつかないよう

勘が必要だけれど、この際、0.1ミリもあれば十分と判断。

ネジ切りは職人さんにお任せして

チタンの硬さと職人さんの好みに合わせてみた。

(ネジ切りは作図しなくても条件さえ言えばやってくれます)

 

 

 

 

業者さんはナカナカ回答をくれないけれど

加工は大した事ないけれど、インゴットの手配が

手間取ったらしい。

(価格の半分以上がこの原材料のインゴットだ)

不安だけれど一応手配終了。

この業者さんはタマタマ先輩社員から聞いたところで、

会社で打ち合わせ中に手配してそりゃもう忙しい.....。

 

公私混同もはなはだしい生活が続くけれど、

もちろん、会社のためになることも普段はやっているつもり。

寛大な部長様に感謝の心は忘れてはいない。

 

いよいよ一体型リールシートを削る

これが大問題、その前に....

 

このリールシートはバブル時代のダイワのお家芸である

マシンカットリールシートというもので

改造にとっては一際うっとうしい逸品であった。

そうそう、その前にリールシートの先についている

グリップをはがしていくと実は中は紙であった。

意外に重くて水に弱そうな素材が登場してびっくり。

 

このグリップを取り去ると

ネジ式のリールホルダーの片方はあっけなく外れる。

(先端の口金&ガイドも外したため)

しかし、後ろのはガッチリと固定され、

どうもステンレス製らしい。

 

これは目立てヤスリで削るように切るしかない。

完全に切ってからはがすつもりだったけれど

ちょっと手前で、つい力でひねり切ろうとしてしまう

それが人情ってもんだ。

パシッという小さな音が聞こえて正気を取り戻し

更にヤスってカット終了だが

ここからも不用意な力は禁物。

太くて厚いブランクではあるけれど

カーボンは意外にもろかったりもするから。

パキパキと接着剤を感じながら最小限広げて

後ろからソォーっと抜くのがよろしい。

 

さてカーボンの手加工のはじまりはじまり

 

削りたくない部分には台所用のアルミテープを入念にはる。

それでも結構削ってしまうけどね。

アルミテープは粘着性が強いので、

その下には、最近発売された透明ではがしやすい

荷造りテープをはると後が楽。

このテープは元々ルアーの針による傷つきを防止する

保護シートとして極私的に使っていて

透明でしっかりしていていろいろと便利。

 

話を元に戻して、カーボンやグラスファイバーなど

繊維の入った樹脂を加工するときは

チクチク対策が必要で、もちろん、目や肺に入っては厄介。

手袋も皮製やナイロン製のものを使って侵入を防ぎ、

目の混んだ衣服で防備するのがよろしい。

日曜大工店で売っている

安い作業用ゴーグルと、工業用マスクで完璧だ。

夏は暑くて大変だし、見た目も不気味であるのは譲ろう。

人気と風のこない物陰の屋外に陣取り

一応新聞で削りカスは回収することが大切。

削るにはドレッサー(NTカッターの商標)が便利。

紙やすりとヤスリの合いの子で

ヤスリの目が詰まらないのが非常に重宝で長持ち。

木工、樹脂加工、柔らかい金属加工までこなし

一家に数本はあると便利???

他社にも似たものがあるので

NTにこだわることもないですハイ。

シャコシャコと不景気なご時世にケーキ良く削れる

それはもうケーキ良く。

真ん中が良く削れるので注意しながら

リールシートのスクリューの山の高さを目安に

シャコシャコすると間違いない。

ケーキは良いが時折隙間のできる袖口から

カーボンの侵入を許してしまい

だんだん肘、二の腕へとチクチクがやってきた。

 

さあ削れた、後は楽だぞぉ

今度は磨き

 

本来は二液性のウレタンで塗るつもりだったけれど

カーボンの地膚も悪くないので

素のカーボン特有の巻き付けた感じになった

螺旋状の出っ張りを慎重に400番の紙やすりで水研して

そのあと800番、1500番と仕上げていく。

最後は結局金属磨きピカールとボディー塗料用

仕上げコンパウンドで入念にしつこくやってしまった。

いやはや、なぜかいろんなモノのある我が家である。

 

ようやくガイドさまの到着

 

近くの中原釣具店では残念ながら品揃えがなく

「50個以上なら注文してもいいけど、いつ届くか分からないよ」

などと言われ途方に暮れていたところ

富士ガイドのホームページを思い出し

直接助けを乞うてみたところが大正解!

 

石鯛用のガイドもテレスピン(折り畳み投げ用大型ガイド)も

レア中のレアモノで探してみないと判らないという。

不安ではあるものの、営業の方の丁寧な対応に

よけい、中原釣具店の残念な対応が心残りであった。

 

糸の運びは現物で合わせないと分からないので

何種類か駄目もとのガイドになるであろうものも注文。

現金書留はちょっとまいったけどもスグサマ宅急便が届いた!

結局全部注文どおりのものがそろったのには

さすが世界に冠たる富士工業を感じさせる。

 

富士工業から来たガイドは結局一つしか使わなかったけど

いよいよ後は竿尻の仕上がりを待つばかりとなり

完成がまた近づいた事をひしひしと感じる。

きめ細かく設定されたガイドサイズでも

竿に合わせるには内側をすりあわせなくてはならない。

 

次は竿尻さまの到着?

 

一度はやってきた竿尻。

初めてのチタニウムの質感がとってもステンレスに似ていて

今一つ感動が湧かないようでもあったけれど

臭いがないので納得。

(臭いまでかぐなって?)

しかし、一個所図面との違いを発見し

その場で差し戻して3日後を待つことに。

 

案の定3日は一週間くらいになったけれど

まあ、作業も平日はできないからいいか。

このころから無性に夏休みの大東で使いたくなり

完成を急ぐことになってしまった。

本当は数ヶ月後に行くつもりだったのに

一月もなくなったのである。

 

竿尻が届いたら早速竿尻のカットに入る。

目安にその辺にあったマスキングテープをはり

せっかく磨いた竿に傷を付けないように鋸を入れる。

が、やっぱり傷が入ってしまい

保護テープを巻いておくにこしたことはないみたい。

 

緊張の切断作業は思った以上に分厚い肉厚を感じながら

それなりに上手く切れたように見える。

素人なんだから傾きはあるにはある......。

竿尻を付けてしまえば問題ないので

気にしない、気にしない。

 

こういう時にはむやみに長男のプライドは出さず、

落ち着いて行動するに限るものだ。

 

それにしても分厚い。

 

 おおっ!、これがチタニウム竿尻!!!

 

出来上がってきたチタニウム竿尻には

しっかりと請求書がついていた!

25000円くらいといっていたが

「二万から三万位って言ってましたよね」などといいつつ

30000円となっていた。

一度切削中に飛ばしたといっていたが

この値段は飛ばし代が入っているかどうかは不明。

 

不景気だからとはいえ

中小企業の職人さんのマインドは信じているけど

それでもお金が欲しいのなら恵んであげよう的精神だ。

 

お買い物は時に恵みの精神になるのが男らしい。

  

高いんじゃないの?という前に自分の財布を考えつつ

余裕があるなら恵んであげようと思う。

その程度で喜ぶ人はそれまでの人であろう。

僕はそんな人間ではないと思うから

男として見放す意味を込めて恵むのだ。

本当の恵みではない、

落ちぶれたものへの恵みだ、受け取るがよい......。

 

さて見事に出来上がった竿並みのお値段の部品。

案の定設計はミスっていて、おおむねは秘密にしておき

肉厚がありすぎたとだけお伝えしておこう。

先重りのするだろう竿のお尻は多少重めがいい

と、

これまたそういうことに

しておこう。

 

しかるに頑丈なのは折り紙付き。

 

接着して隠そう......?

 

接着はオーソドックスにエポキシ接着剤を使う。

ついでに一番手前の遊動ガイドも接着する。

これは相性を考えて、遊動ガイドの基部を使って

その上にキャスピン(投げ用)ガイドを固定するもの。

ちょっと不細工だけど、これが一番な気がしてやってみた。

基部が小さいと力が伝えられないし、竿からの距離もない。

見た目より実を取った形。

デザイナーであり長男である僕には

非情な判断であったことは言うまでもない。

それほどの相手であるのだ、ヒラアジってやつは。

ここで妥協したら石鯛竿を使った意味もない。

こってりと接着剤を盛って、できあがり。

これも、手作りっぽさ的風情があって良いではないか。

と、自分に言い聞かせる......。

くっつけるとなんとなく

完成がまたまたぐっと近くなった心持ち。

 

だがしかし、本当に大変なのは腹当て削りである事は

これまでのいくつもの腹当て作りで体感済み。

こいつは速くても一日仕事になる。

 

腹当て削りは竿への想いを刻むセレモニー

 

いろいろな竿を買ってきては

磯用にと腹当てを付けることを習慣にしている。

 

これによって大物用に生まれ変わったような気がするのだ。

最近は残り少ない黒檀や紫檀を使うのがマイブーム。

昔は仕上げに油を染み込ませたりしていたけど

これなら硬いし、磨けば輝くし油は必要ない。

 

硬すぎて困ることもあるにはある。

もちろんチタンの竿尻を埋め込むには

彫って彫って彫りまくるしかない。

それも、顔にはじきかえってくる木片を感じつつ。

この木彫るとき、邪魔な「木くず」を吹いたことがない。

硬さのあまり、パチパチと飛び去るので

彫るというより砕くという感じに近いかもしれない。

その手間は省けるけれど顔は痛い。

つらの皮がチョットくらい厚くても

痛い事はいたい。

夏場は蚊取り線香も欠かせない。

ある程度彫れたら、げんのうを使って

平らかさを確かめつつ彫り進むといい。

穴を目指して打つのは難しいから

穴にげんのうを入れたまま

木ごとげんのうを持ち上げ一緒に下へ打ち付けるといい。

 十分に平らかさが分かる。

黒檀、紫檀は硬いのでチョットでもノミをこじると

刃が欠けてしまうので

欠けてしまったら目立てヤスリやダイヤモンドヤスリで

鈍い角度で二段目の刃をつけると

砕いていくには都合が良い。

この際鋭さよりも刃先が欠けないで

食い込むことがこの木を制すのである。

先ほどのカットより彫り進んだのが

お分かりいただけるかどうか......。

こうして竿と一体化させると

なんだか分からんけど立派に感じる。

魔法でも使えそうなような.....

 

平常心を取り戻して次は外を削る

その辺にあったどうでもいいナイフを使って

まずは角材を少しでも丸めに近づけていく。

けっこう割りすぎて後悔しないよう

木目の方向をじっくりと見定めうよう。

そのあと、良く切れる切りだしナイフで形を整える。

なんとなく腹当てに近づきつつある様に見えるけど

これからが山場であり

またしてもドレッサーの出番でもある。

要は、この硬い硬い黒檀を

半分の体積ぐらいまで削り込むのであるから

慌てても始まらない。

ここからは全て勘で整えていくしかない。

お鼻の中が真っ黒になるので

熱くてもマスクは欠かせない。

怪しいことにもそろそろ慣れてくる。

削る、ひたすらに削る。

きれいな円形に整えるには

やはり回しながら削るのが一番だろう。

 

時々良く粉を払ってから形を見るけれど

ずいぶん先は長くて

ここまできたらあと少しにみえるのは大誤解。

また、ひたすらに削る。

この時もはや、

頭の中はヒラアジとやり取りしている。

今回はかなり疲れたので

削り込みは少な目で、大き目の腹当て。

240番、360番のサンドペーパーで仕上げて出来上がり。

一休みしながらタオルで磨くとツヤもでるのだ。

 

それでもでき上がりと見るや

早速付けてみるけれど

ここでもしっかりとマージンを見なくてはいけない。

どうせ素人が削ってフラットではないから

スポンジゴムなどを挟んでネジ止めすると

多少はぐらつくけども真っ直ぐ付けられる。

ネジが二本あるので微調整もバッチリだ。

(後で気がついた、微調整ができるなんて....)

カッコ良く言うとラジアルマウントといえる。

一度は硬すぎる木にステンレスの木ネジがねじ切れて

途方に暮れる一幕もあったけれど

苦労の末、事無きを得て何とか固定。

フォローは何とかできたものの

慎重にやっているはずの長男の心には

深い傷が刻まれていた。

 

スポンジゴムやゴムシートは

ディバイダ(両方針のコンパス)でゴリゴリと

切っていくと意外にきれいに切れる。

実は竿尻のネジに畳んだ竿が当たると思ったが

全然届いてはいなかった。

まあ、これもセレモニーかな。


どうでもいいけど

部屋はこのていたらく

几帳面な長男がだいなしである。


 

後はリールシートとグリップ通し

 

リールシートの位置は腹当てからチョット遠目

投げやすいように、ファイトしやすいようにセット。

この辺は好みがあると思うけど。

上が世界最強ヒラアジルアー用?ズーム投げ竿。

これまでのヒラアジはこれで上がったものが多い。

 

おなじみの青くてオシャレなマスキングテープで仮止め。

今回は太い滑り止め用の糸で巻いて

瞬間をくまなく流して大胆に仕上げ。

 グリップは柔らか目だけど

東急ハンズで350円くらいで売っているもの。

都会はこういう時便利さを感じる.....。

内径は19、22、25ミリとなぜか頃合いがよろしい品揃え。

ここでは22ミリを使う。

ファイトするときのグリップの意味もあるにはあるが

ハードなトゲトゲの磯から保護する役割も大きい。

お風呂場でシャンプーをたっぷり付けて

一気に入れるのだが、水が流れ込んだりすると

止まってしまい、いったん止まると厄介。

また、投げ竿に良くある

ざらついたグリップ塗装の上では止まりやすく、

こうなったら少しづつ進めていくしかない。

 

当然、通したら洗って

タオルで握るように絞っておきましょう。

 

さて、一日おくと、ほぼ乾くので

完成まで後一息、ここで余裕を出して

感謝の意味も込めて

富士ガイドのステッカーをはってみた。

チタニウムってのが悪くない。

ガイドはチタンのものは使ってないけど

リールシートと竿尻はチタン製なのだから。

 

ガイドを固定して、ようよう完成!

 

その前にウレタン塗料でガイドをもぎ取った

一番手前の口金と、エポキシを盛り付けたガイド基部に塗装。

乾燥はするけど硬化しても大して硬くならず

ここに来て、とても残念。

気を取り直して

一つ一つのガイドの方向と順番を間違えないように

平常心とエポキシ接着剤で固定していく。

石鯛竿のガイドは奥行きがあって方向性がある

慎重に見極めるのが肝心。

 

5分硬化型のエポキシを使って

固まり始めたところで方向をキッチリ合わせる。

そうそう、この時も要らないところに接着剤がつくので

マスキングしておくと、差し込み過ぎも同時に防げる。

 

二節目のガイドは肉圧が薄くて竿をしまうときに

たたくようにして縮めると基部の樹脂が欠けてしまう。

失敗を繰り返さないように赤いシールを貼ってある。

実に長男らしい措置であると思う。

 

こうして完成を見るのであるが

試しに振るのは絶対に12時間以上経ってからである。

多少気になるのは

竿先カバーが手元の一節を短縮したため

届かなくなってしまい、

袋に入れるときなどにスコーンと伸びてしまうことだ。

ショックに弱いカーボンの穂先にとっては

非情に怖い現象でもあり

とりあえずベルトを巻いて運用中。


 

インプレッション

 

せっかく作ったにもかかわらず釣れんのはなぜだ!?

ともあれ使ってみると

腰は強いものの全体としては

ルアーロッドより相当しなやか。

 

21グラムの小型のミノーから

胴に乗せた大型ポッパーまで

楽にキャストできるのには驚いた。

  

ただ、650グラムという重量と4.8メートルの長さが

鍛えたはずの右肩をきしませて

数投すると休まなければならないほど。

慣れるには3日を要してしまい

慣れたころには4日の日程の終わりであった.....。

いずれにせよ特殊な地形の大東にふさわしい

長さ、強靭さ、コンパクトさを無理矢理実現し

体も無理矢理この竿に合わせている次第。

 

もう少し軽くて、足場の低いところまで出られる

穏やかな日のためのロッドが欲しい。

 

先日、休日出勤の日の二時間ほどいただいて

インターライン投げ竿を購入。

現在「旋迅」(せんじん)と早くも銘打って制作、

いや正確には破壊を開始している。

 

竿を改造するときは平常心で

海のように大きな心で行いましょう。

長男、ぶんからのお願いです。

 

ではまた。